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2024年▶︎2025年|まちを変えるプロセスにフォーカスする

おかげさまで2024年から2025年への年越しも、埼玉県小川町の実家で過ごしました。心穏やかならぬ日々を過ごす方々を想いつつ、元日には例年通り弟家族も集まって、今年も健やかに過ごすことができたらと願うのでした。

私たち家族にとって2024年は、住む場所を変える大きな変化の年でしたが、片付けも終わらぬ間にそれぞれ仕事や学習における動きが重なり、その対処にひとりひとりが力をつけて頑張っていく年でもありました。自分も時に甘えたことも言いたくなるのですが、ふたりの子どもに頼ることも増え、また気の回らない七面倒な私と背中合わせで一緒に戦ってくれる妻のおかげで、かろうじて「できるパパ」を装えています。そんな妻ともそろそろ人生の半分をともにするのだと昨日気づきました。深謝。

さてさて、年齢不詳なりに49となりました。

昨年の私によればw、2024年は、自説12年周期の蠢動年にあたる年でした。振り返れば前半は確かに蠢動の語感の範疇でしたが、後半は自分が思う未来をあっさり越えていきやがりました。ものごとが動き始めるきしみの音と振動、複線的なうねりの体感があります。これも境遇を共にし次の一手を打ち出し続ける仲間のおかげです。この動きが具体化、本格化するのが2025年。「行けるところまで行ってみたらどこまで行けるか分かるさー」という柄にもない心構えで、無理せず楽しみます。

書いたり話したりもコツコツ続けていきたいと思います。ひょっとしていま言語化しなければならないポジションにいるのは私?とおそるおそる自覚するテーマもあり、このあたり少しピッチをあげて参ります。頑張りどころです。

みなさまに素敵な一年が訪れることを願っております。
健やかに楽しんで参りましょう。

矢ヶ部慎一/Public Pivot

もう2025年はスタートしてしまいましたが、2024年の矢ヶ部慎一/Public Pivotを振り返らせて頂き、2025年の関わり方などにも触れられたらと思います。「自分はずっとまちを変えるプロセスにフォーカスし続けているんだなー」ということが見えてきました。

1.記事・寄稿・出演など|2024▶︎2025

1-1.公共R不動産研究所の記事執筆

民間のパブリック空間
#01から#03までは公的不動産について取り扱ってきた連載ですが、#04ではいよいよ民間のパブリック空間に言及することに。「公共=行政」という認知へのイラ立ちがいよいよ高ぶり、書かずにはいられなかった記事でした。いま振り返ると「NEXT PUBLIC AWARD」や「PARKNIZE」の補助線として読める記事かもしれません。

公共不動産活用でまちを変える
この記事も、ずっと抱えていた「公共不動産活用も再開発だと思うんだけどなぁ」という気持ちがいよいよ高ぶったことがきっかけとなり、公共施設再編や公共不動産活用を、単なる公共サービスの再編やファシリティマネジメントの効率化にとどまらず「まちを変える」視点から捉え直したものです。前編は一般財団法人 土地総合研究所の機関誌『土地総合研究』(2024年春号)への寄稿文がベースとなっています。

公共不動産の活用プロセスを捉え直す
はじめて公共不動産を活用しようと検討する方にとって、公共不動産活用の「入り口」が分かりにくい、行政の用語や慣例への理解が前提となっていることが気になっていました。これまで手法論に手を出さず避けてきたのですが、きっかけを得て一気に書き上げた記事です。公共不動産活用の担当になってお悩みの方、活用プロセスに関心のある研究者の方には興味深くお読み頂けると思います。

公共R不動産研究所|研究員トーク
「僕たちの関心の所在とこれからの動きかた」というお題で研究員トークを記事化したものです。主に2023年の動きを振り返ったものではありますが、すでに動きつつあった水面下の流れの導入編にもなっています。この記事ののち、「シナリオプランニング」「公共空間を地域に開くとは?」「公共空間×生成AI」などの記事に繋がっていきます。2025年も動きは広がって行く見込みです。楽しみ。

1-2.公共R不動産ポッドキャスト収録

公共R不動産のポッドキャスト「公共R不動産の頭の中」への登場は5回だったようです。自己紹介回にはじまり、公共R不動産研究所の2024年振り返りに終わる。あら素敵。2025年は音声メディア側での発信機会も増やしたいです。

1-3.主な寄稿や登壇など

寄稿|再開発の知見更新の視点―地域再編志向の公民連携・公共不動産活用への展開―
先述の一般財団法人 土地総合研究所の機関誌『土地総合研究』(2024年春号)への寄稿文です。前半は「公共不動産を活用した公民連携プロジェクトは『まちを変える』方法の有効な選択肢」「狭義の官民連携にとらわれず多様な新規プレーヤーの参入が必要」というあたりを、なるべくポジティブな表記で論じました。後半はマニアックな視点提供です。ずっと言ってますが、なんか公民連携の中で規制誘導方策が軽んじられてる気がして仕方ないんですよね。
https://www.lij.jp/html/jli/jli_2024/2024spring_p017.pdf

登壇|潮目が変わる公共空間活用
●国土交通省ウェビナー
「地方公共団体における既存ストック活用(スモールコンセッション等)のポイント」にて。全体テーマとして公民連携による既存ストック活用を取り上げる中、公共R不動産・公共不動産データベースの取り組みを中心に「潮目が変わるこれからの公共空間活用-都市政策とパートナーシップでまちを変える-」をお話しました。
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001717284.pdf

滋賀大学公共経営イブニングスクール
「官民連携での価値創造ー地方の課題に対し民間の力を最大限に活用するためにー」にて。未利用行政資産の価値化というお題を頂き、「潮目が変わるこれからの公共空間活用-ビジョンとプロジェクトでまちを変える-」についてお話しました。
https://shiga-u.ac.jp/icr/wp-content/uploads/2024/03/R6evening_school_1.pdf

2.取り組み・関わりなど|2024▶︎2025

2-1.企業版リノベーションスクール

浜松にはじまり、岡崎、草加へと展開した、企業版のリノベーションスクール。うち矢ヶ部が関わるのは岡崎と草加の二箇所。このスクールは何を期待して取り組んでいるのか?実際そこで何が起きているのか?について、そろそろまとめていかなければとも思っていますが…まずは1月に予定している公開プレゼンテーションの場に足を運んで頂けるとうれしいです。

企業版リノベーションスクール@そうか
公開プレゼンテーションは1/15(水)。草加はものづくり企業の参加が比較的多いのですが、プロダクト思考に片寄ると思いきやそんなことはなく。自社の持つ技術や企業の歴史やあり方を捉え直し、草加でこそ実現できる新しいライフスタイルを視野に入れた新規事業の立ち上げ・既存事業の再構築に向かっています。一見バラバラに見える各社の事業が、まるで星座のように像を結び、未来の草加の「仮説」を浮かび上がらせた昨年度。今期はどうなるだろうとハラハラもしましたが、昨年度とは色合いの異なる、むしろ「ライフスタイル」という点では一歩踏み込んだ事業になってきたように思います。

岡崎QURUWA事業リノベーションスクール
公開プレゼンテーションは1/22(水)。QURUWA戦略の取り組みが10年経とうとしている岡崎QURUWAでは、テーマに掲げる「くらし創発都市」とはどのようなものか?の予兆が見られるように。事業リノスクから生まれたプロジェクト群もその一端を担っています。岡崎では、1期2期3期と経るにつれ、食、農、子育て、働き方、断熱省エネ、防災、交通etc.と、続々と領域は広がっています。でも各企業の関心領域や事業分野などは重なりあっていて、参加企業同士の創発が勝手にどんどん進むし、新しい取り組みなのに事業リスクは低減されていく。企業・地域の課題の同時解決を目指すオープンイノベーションそのものだと思っています。

2-2.埼玉エリアでの取り組み・関わり

飯能リノベラボ2024
2022-2023年度で飯能市「飯能まちなか未来ビジョン」づくりに関わりつつ、その後の関わりが持てないことに残念な気持ちがあったのですが、まちづくり会社・株式会社Akinaiさんからお声がけがあり、「飯能リノベラボ2024」のメンターとして参加する機会を頂きました。Day1からDay4までのプログラムを終え、参加者がスモールトライアルするDay5は2025年に実施予定です。楽しみ。

埼玉ローカルのネットワークを広げる取り組み
私はなかなかスケジュールが取れず、2024年度はあまり企画・主催できなかった、埼玉ローカルのネットワークを広げる取り組み。ですが仲間のおかげで横瀬や霞ヶ関での埼玉まちめぐりツアーは実施できました。また、埼玉の人と埼玉でつながる「埼玉ディスカバリー」というイベントが、寄居・深谷・ときがわ・秩父・越生で5回開催されました。こうした取り組みを2025年も引き続き続けていこうと思います。

民間企業の不動産活用に関する取り組み
まだ明らかにはできませんが、県内のある民間企業が所有する低稼働の不動産をリノベーションする動きに参加しています。現段階では、この企業にとって「やらなければならないプロジェクト」ではないものの、企業のヒストリー見直しと理念の再定義、地域への想いをお聞きする限り、遅かれ早かれ「やるべきプロジェクト」になる可能性を秘めていると思って取り組んでいます。

2-3.公共不動産データベースの運営

国土交通省PPP協定パートナーに選定
公共不動産があたりまえに活用される未来の実現に向け、自分たちで「あったらいいな」を形にした『公共不動産データベース』。この運営を担って試行錯誤を続けていたところ、2024年3月国土交通省「PPP協定(データベースタイプ)」パートナーの選定を受けました。「あったらいいな」から「必要とされるインフラ」に、一歩進んだような気がします。引き続きこの動きを加速・拡大していきます。

民間会員のニーズと傾向|公共R不動産がピックアップする物件
これは執筆ではなくコメント記事です。「公共不動産データベースの民間会員はどんな公共不動産を求めているのか?」民間会員のニーズと傾向について、現時点で見えてきた状況をまとめてお話しました。あくまで公共DBの運営状況から見た一部分の傾向という切り口ではありますが、ただこれまでこういう情報提供はあるようでなかった気もしており。今後も定点的にお伝えできればと思います。

2-4.官公庁・地方自治体etc.

公開可能範囲を確認してあらためてまとめられればと思いますが、PPP/PFIの事業効果を捉え直す勉強会、低未利用の公共不動産活用方策に関する検討会議、県の公民連携プロジェクト推進に関する相談助言など、これまでの経歴や専門性も活かしながら取り組みました。2025年もお役に立てることでしたら是非是非と思ってます。
また公共不動産活用プロジェクトでは、私自身は2024年に具体的な関わりはありませんでしたが、翌年度に向けたご相談はいくつかありました。ご相談は方針決定した後ではなく、仮説を組んだ段階でできるだけアーリーフェーズにてお願いします!


という感じの振り返りと見通しをしつつ、2025年もスタートしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

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