むびまう

日本のどこかの隅っこで言葉遊び。支離滅裂が取り柄です。 言葉に身を焼くすべての人へ。 …

むびまう

日本のどこかの隅っこで言葉遊び。支離滅裂が取り柄です。 言葉に身を焼くすべての人へ。 こんなにも自由で、不自由なものを好きと言える人へ。

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記事一覧

この優しい言葉は、様々な景色を見て、やってきた。反論や糾弾にイエスともノーとも言わず、ただ在るとして認識した。
優しい言葉は、轍をわざわざ見せつけない。「ところでさ」と、私の後ろに立って、更に奥の視線を寄越さないようにする。
けれども、私は背後に立たれるのが一等苦手なのだ。

むびまう
1年前
5

ことばの戯れを目視すると、 目を背けたくなる。

むびまう
1年前

小指だけで繋がれるわたしたち

むび まう すら、と出てきた。 「喃語というか、言葉遊びというか。そういう感じなんです」 自分のことばってこうなんだ。 そう思った時にふと思い浮かんだ音が「まう…

むびまう
1年前
2

口を付ける。それをする時、私は気が漫ろになっている。そこに意識はなく、ただぼんやりと意識を他方に飛ばし、見えない先に目を閉じる。それでも口から溢すことのない無意識はわたしの中でとぐろを巻いている。

むびまう
1年前
1

好きなものを最後まで取っておく。別に悪いことではないと思う。フィルムを外す時の高揚感、それを誰かに強奪されるような心持ちを以って隠してしまうのはどうにも、虚しい気がする。取られてしまっても、それを喰らって嬉しそうにしている顔に、だろう、とふんぞりかえるくらいの好意を示したい。

むびまう
1年前

映画鑑賞後のひとこま。
チーズケーキに添えられた生クリームを頬張ると
やっぱりどうしても甘ったるくて。珈琲で呑み下してしまった。じわじわ侵蝕する悪心は、耐えられないとどうして苦い思いで掻き消したくなるのだろう。

むびまう
2年前

インク溜まりと悪心

いや前回の記事の続きを更新しなよ、 と冷静な私が説く。 けれど、じわじわと波紋を打つ情動を、 どうにか昇華したいと言いくるめて こうして筆を執っているわけだが。 …

むびまう
2年前
1

鮨詰め、朝の陽光に軽く乾涸びている。振り子のように現を彷徨う詰襟の学生は目的地で何をみるのか。鮨詰め。これはすが足されるのも時間の問題かもしれない。

むびまう
2年前
1

浪漫の狭間。
蜜月、猫の小道、他人同士、薄壁、パーソナルスペース、夢の窓、色褪せぬ歳月。
今の中に溶ける過去が未来にどんな景色を魅せるのか。目を凝らしてもわからない。

むびまう
2年前
2

ふぁんふぁん、風の靡く音が柔らかく暖かい場所。土の匂いが立ち込め、その誰もが好奇と安寧に包まれていた。

むびまう
2年前

店内に貼ってある日に焼けた紙チラシ、少し傾き錆び散らしている横断歩道の標識、色褪せて破れかかっているビニールの屋根、やたらと早く移り変わる信号
願わくば、そんなものを見詰められる日が、まずは一週間後、在りますように

むびまう
2年前
1

書き連ねた沢山の言葉。吐き出した音。ペンの筆跡。掠れたインクまで。全てこの身にあった出来事、思いの丈のはずなのに。夢から醒めた瞬間にはもう再現できなくなっている。もどかしさと不快感がもやとなって思考を覆っています。そんな最近。

むびまう
2年前
2

ぴりぴりと身が縮こまり、空気の感覚を拡げたくなる。一つ一つの音の発生源が気になり、それを発生させた原因や心の動きを妙に詮索してしまう。自分の方に向く顔の動きに奥底を見られている気がして居た堪れなくなる。呼吸することで吐きそうになる。そう言った、重なり。言葉にできない、不安。

むびまう
2年前

窓の外から聞こえてくる音が徐々に小さく、大人しく、幕が閉じられていくと、それが凄く安心する。今日も夜は私の元へも来てくれて、おやすみのハグをしてくれる。季節の香りを纏った暗幕は、ひらりと冷たい風を起こし、誰の頭をも平等に撫でてくれる。

むびまう
2年前

名前があることが必ずしもいいことなのか。心の機敏や言動に名前をつけて、それで枠組みされた性質が後ろ指を指されながら生きている。誰かの心も、型にはまっているから形の体を成しているのであり、それが無くなれば一気に、ぽしゃん、と。なれば、どうして、どうすることもできない。

むびまう
2年前

寄せては返す朝の波間。汐風が肌を撫でたのは記憶に新しい海街の景色か。否、これは私が夢見る最果てのようにも見受けられた。寝起きの気怠さは、水圧から解放されたそれに近い。心地よく、離れ難い。

むびまう
2年前

この優しい言葉は、様々な景色を見て、やってきた。反論や糾弾にイエスともノーとも言わず、ただ在るとして認識した。
優しい言葉は、轍をわざわざ見せつけない。「ところでさ」と、私の後ろに立って、更に奥の視線を寄越さないようにする。
けれども、私は背後に立たれるのが一等苦手なのだ。

小指だけで繋がれるわたしたち

小指だけで繋がれるわたしたち

むび まう

すら、と出てきた。

「喃語というか、言葉遊びというか。そういう感じなんです」

自分のことばってこうなんだ。

そう思った時にふと思い浮かんだ音が「まう」でした。

カテゴライズされた整列を、ぐちゃぐちゃにしてやれば、
砕けた胎から出るのはどれも違うかたちの情動のかたまりたちである。

無や否という言葉が好きだ。

カテゴリーを十把一絡げに亡き者にする暴力性と自身のなさが、自分勝手

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口を付ける。それをする時、私は気が漫ろになっている。そこに意識はなく、ただぼんやりと意識を他方に飛ばし、見えない先に目を閉じる。それでも口から溢すことのない無意識はわたしの中でとぐろを巻いている。

好きなものを最後まで取っておく。別に悪いことではないと思う。フィルムを外す時の高揚感、それを誰かに強奪されるような心持ちを以って隠してしまうのはどうにも、虚しい気がする。取られてしまっても、それを喰らって嬉しそうにしている顔に、だろう、とふんぞりかえるくらいの好意を示したい。

映画鑑賞後のひとこま。
チーズケーキに添えられた生クリームを頬張ると
やっぱりどうしても甘ったるくて。珈琲で呑み下してしまった。じわじわ侵蝕する悪心は、耐えられないとどうして苦い思いで掻き消したくなるのだろう。

インク溜まりと悪心

インク溜まりと悪心

いや前回の記事の続きを更新しなよ、
と冷静な私が説く。

けれど、じわじわと波紋を打つ情動を、
どうにか昇華したいと言いくるめて
こうして筆を執っているわけだが。

これを書いているさ中、
書き終えた瞬間を想像しては酷く空恐ろしさを覚える。

それでも書くことに意味を見出したい。
書き終えた先に見える空気に包まれたい。

窓辺の光が、優しすぎて泣けてくる。

窓辺にて

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鮨詰め、朝の陽光に軽く乾涸びている。振り子のように現を彷徨う詰襟の学生は目的地で何をみるのか。鮨詰め。これはすが足されるのも時間の問題かもしれない。

浪漫の狭間。
蜜月、猫の小道、他人同士、薄壁、パーソナルスペース、夢の窓、色褪せぬ歳月。
今の中に溶ける過去が未来にどんな景色を魅せるのか。目を凝らしてもわからない。

ふぁんふぁん、風の靡く音が柔らかく暖かい場所。土の匂いが立ち込め、その誰もが好奇と安寧に包まれていた。

店内に貼ってある日に焼けた紙チラシ、少し傾き錆び散らしている横断歩道の標識、色褪せて破れかかっているビニールの屋根、やたらと早く移り変わる信号
願わくば、そんなものを見詰められる日が、まずは一週間後、在りますように

書き連ねた沢山の言葉。吐き出した音。ペンの筆跡。掠れたインクまで。全てこの身にあった出来事、思いの丈のはずなのに。夢から醒めた瞬間にはもう再現できなくなっている。もどかしさと不快感がもやとなって思考を覆っています。そんな最近。

ぴりぴりと身が縮こまり、空気の感覚を拡げたくなる。一つ一つの音の発生源が気になり、それを発生させた原因や心の動きを妙に詮索してしまう。自分の方に向く顔の動きに奥底を見られている気がして居た堪れなくなる。呼吸することで吐きそうになる。そう言った、重なり。言葉にできない、不安。

窓の外から聞こえてくる音が徐々に小さく、大人しく、幕が閉じられていくと、それが凄く安心する。今日も夜は私の元へも来てくれて、おやすみのハグをしてくれる。季節の香りを纏った暗幕は、ひらりと冷たい風を起こし、誰の頭をも平等に撫でてくれる。

名前があることが必ずしもいいことなのか。心の機敏や言動に名前をつけて、それで枠組みされた性質が後ろ指を指されながら生きている。誰かの心も、型にはまっているから形の体を成しているのであり、それが無くなれば一気に、ぽしゃん、と。なれば、どうして、どうすることもできない。

寄せては返す朝の波間。汐風が肌を撫でたのは記憶に新しい海街の景色か。否、これは私が夢見る最果てのようにも見受けられた。寝起きの気怠さは、水圧から解放されたそれに近い。心地よく、離れ難い。