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孤独な人は関わった人を孤独にする
以前、母方の祖母の「死に方」が孤独死みたいだった、という雑感を書いた。
その時はこう書いたわけである。
実は母方の祖母の亡くなり方は"孤独死"だったんじゃないかという気がしてならない。風呂場でヒートショックで亡くなり、12時間後に発見されたとはいえ。
ここからが本題である。もしかすると、女性の場合は結婚して子供をもうけていたとしても、孤独死するリスクがかなりあるのではないか?
それは子どもが独立して同居どころか近居すらしない状況だと、夫に先立たれた後は施設に入るなり親族のところに身を寄せるなりしないと、一人暮らしとなってしまう。
結婚は女性にとってのセーフティーネットではなく、子どもが同居もしくは近居していないと、孤独死する可能性が高まる構造がある、と感じたのであった。
結婚がセーフティネットにならない
東洋経済オンラインの「『夫セーフティネット』崩壊が突きつける過酷現実働く女性を襲うコロナ禍の『沈黙の雇用危機』」という記事は、2020年に日経新聞が「女性不況」という言葉を使って表そうとした状況が深刻化したことを伝える。
このような構造の遠因は、女を安い労働力として家庭から引っ張り出す規制緩和とグローバル化にある、と以前に指摘したことがあった。
ここで指摘したのはあくまで経済的な要因であるが、人的要因に目を向けると個々の家庭の抱えるリスクによって、本人どころか子の人生を狂わせてしまいかねない。
孤独は「遺伝」する
こういう一般的?に想像のつく構造そのものを議論するのは、実は本題ではない。
これは個人的な仮説だが、社会経済的なファクターというより個人の問題が「遺伝」するのではないか。
小学生以下がメインターゲットの文化系イベントの運営手伝いをしていて実感することなのだが、今時、学校や塾の先生か両親以外、大人と対話する機会が無い子供の割合が高いんじゃないか、という実感がある。
自分が少なくとも祖父も父も同じ土地で育っている人間である、ということを前提にして言えば、移住しても移住先で代を重ねるごとに「土着化」していった結果としての自分と、両親が新しくできた街に移住して、そこで生まれた子供、というのは現代という時代の時代背景を見れば、人付き合いに対するマインドが違うのは不自然なことではないだろう。
かつては地域で「共助」があり、仲間を大切にする場がありましたが、今はそれが崩壊しています。日本の子供の教育を考える上での最大の問題です。
僕の幼少期、日が暮れて外遊びから帰宅しなくても、ヨソんちで夕食を食べているんだなと親は心配しませんでした。それが、60年代の団地化=『地域空洞化×専業主婦化』、80年代のコンビニ化=『家族空洞化×市場化&行政化』、という二段階の郊外化で、なくなったのです。地域もヨソんちもコントロールの及ばぬ危険な場所だという不安が蔓延。田舎を含めて外遊びが消え、劣化した親が子供を抱え込むようになりました。親と教員以外の大人と親しくなった経験のない大学生が大半で、彼らが『感情が劣化した親』になっていきます。
https://fqmagazine.jp/95545/miyadai-4/
移住者も輪に入らなければならない、輪に入れる時代が終わり、「二段階の郊外化」の結果、今や家族の外は「危険な場所」であるという不安が蔓延する時代である。
そもそも人間関係市場はレモン市場である
孤独化について別の視点で述べるとすれば、人間関係市場はレモン市場である。
その結果何が起きると言えば、マッチングアプリの問題が典型だ。
このことは本当に広く共有されてほしいです。私も、若い男女には普通の(同世代同士の)恋愛をしてほしいと思います。「まともでない」人が市場を食い荒らしている状態は社会全体としてマイナスだと思います。
— MUS (@6yhsdsiswmcd) June 19, 2022
マガジン限定記事「戻ってきて!」|白饅頭 @terrakei07 #note https://t.co/OwxpWOA3OA
小山師匠も昔言ってたと思うんですが、いまのマッチングアプリは「まともにふるまうインセンティブがない(誠実であればあるほど損をする)」という狂ったシステムなんですよね。 https://t.co/gokxfVv7a4
— 白饅頭(御田寺圭/光属性Vtuber/バーチャルツイッタラー)🌖 (@terrakei07) June 19, 2022
このような状況が続けば、手持ちの資本の差が人間関係の格差を生み、さらに資本の差を拡大させるというループが回ることが以前の指摘である。
このような市場を生き抜くのか退出するのか。
ちなみに生き抜くためには試行錯誤しかない。
これ、男性も少しは見習うべきです。女性と同様に、相手に求める年収や学歴などの条件を持ち、一発レッドカードの基準を持ち、舐めた女性には「ふざけんな」とキレましょう。
— 茂澄遙人💊 (@mosumiharuto) June 19, 2022
条件を持たないせいで変な女性に引っかかり、別れる基準がないせいでズルズルと関係を続ける男性が多い。賢くなりましょう。 https://t.co/0mvAU2I3Bq
恋愛は基本的に面倒なものです。性欲しか動機がなければ、どうしても易きに流れます。その結果、変な女性に時間とお金を使うことをズルズルと続けます。
— 茂澄遙人💊 (@mosumiharuto) June 19, 2022
後になって、あのお金と時間があればもっとこうできた(投資できた/いい女性に出会えた)のような後悔が積み上がります。私のことですけども。
オッサンから若い男性への助言は「この条件を満たさない女性と付き合うくらいなら一人でいるほうがいい」という条件と「こんな言動があったら即時に別れる」という基準を持ち、それらを厳格に運用することです。
— 茂澄遙人💊 (@mosumiharuto) June 19, 2022
そうすれば、成功はしなかったとしても、失敗は防げます。性欲だけで動くのが最悪です。
そのようなレモン市場に耐えられないということが、例えば性愛からの退却現象という形で現れる。
そして、あとはすべてシステムに頼って生きていく。それは実に合理的な選択だ。
結局のところ、孤独な人間にかかわってはいけない
人間関係は「紹介」が典型だけど持つ者が更に持つようになるけど、持たざる者はその事実自体が「関わらない方がいい人間のシグナル」として機能して忌避されるし、経験値も積み辛いので周りと差が出ていき、持つモノまで失う構造があるんだよな。人間関係資本も物的資本同様に上層に寡占されてくという
— rei@サブアカウント (@Shanice79540635) June 19, 2022
更に言ってしまえば「持たざる者」は「奪う者」である、ということが重要で、だからこそ良かれと思っても「持たざる者」とは関わってはいけない。
嫌われるのが過剰に怖い人。嫌いという感情は相手の「地雷」を踏んでしまったときに発生します。しかし、その地雷はどこに潜んでいるのか予測できません。全ての人の設置ポイントを当てるのはまず、不可能です。怯えて生きていくか?諦めてありのままのあなたでいるのか?あなたは選ぶことができます。
— こころん🌼 (@hitsuji_kokoro7) June 17, 2022
私ばかり報われないと悩む人。「他者に何かを与えないと価値がない」は、実は幼少期の刷り込みであり間違い。自分は与えるのが当然だから、相手から何も返ってこないと怒ったり悲しんだりする。原因は、無理して与えているからです。一旦、全てのギブをやめてみてください。意外と何も起こらないです。
— こころん🌼 (@hitsuji_kokoro7) June 16, 2022
必要なのは試行錯誤の試行数と、1つの良質な関係だ。
私的な教訓
これまでの人生経験を踏まえて思うのは、この3点。別に友人が多いことにこだわる必要はないが、質にこだわってほしい。
環境が変わると縁が切れる人、関係が続く人に分かれる。
環境が変わっても関係の続く人との出会いは偶然を装う
身内の不幸は人間関係の組み換えを引き起こす