模倣から始めてみる経営|売上が低迷した時こそ経営指標を算出し他社と対比させ売り物の改善とお客様を知る好機
不透明な時代だからこそ、経営者には慎重な判断が求められる。そして会社経営においてこそ、「感情」ではなく「勘定」で判断を下す。そして、経営者は感情論で経営を語るのではなく、明確な数字を社員や取引先に示すことと考えます。
数字は嘘をつきません。その基準となる数字をどこから持ってくるのかが、経営者の腕の見せ所と言っても過言ではありません。逆境の時こそ、腰を据えて本業をしっかりと行い、事業に集中する。焦っていろいろ手を出すことが決して得策ではないこともあるのです。
経営分析に必要な各種指標を記事にしております。併せてお読みください。
売上が低迷した時の経営者の思考
「新製品」「新サービス」「新分野」への拘り
売上が低迷した時の打開策として経営者が取る最初の発想は、「新製品の開発」や「新サービス」の開発、「新分野」への参入ではないでしょうか。
実直な経営者ほど、マーケティング、顧客志向、カスタマーサクセス、3C、SWOT、4Pなどを学び、既存の売上へ別の新たな売上を積み上げようと反射的に行動する方が多いでしょう。しかし、それが簡単にできれば誰も苦労はしません。簡単につくり出せないからこそ、つくり出せた会社はうまくいく。だから頑張り続けてしまう。多くの人が、そう信じています。皆様は如何でしょうか。
頑張り続ける原因|オリジナリティをどこまで追い求めるのか
筆者は、業績が思わしくない時に、新製品や新サービスの開発、新分野への参入を検討している経営者へ接する時は、「他から学ぶ」ことできませんか、理想の会社や参考にしたいビジネスをしている会社はありませんか、と尋ねます。
例えば、今まで誰も気づいていないモノを開発しようとした場合、ダビンチの風景画を描くくらいのクリエイティブな作業が必要かもしれません。その様な労力まで掛けて独自の新製品や新分野を追い求める必要はあるのでしょうか。業績が好調で経営にも余裕がある時ならいいですが、売上が低迷している緊急事態下で真っ先に取るべき行動ではない気がします。
それよりも自他の既存品やサービスを研究して、顧客が不便や不満と感じている点を解消させ、より洗練された製品やサービスへ成長させることを優先させた方が「売上の積み上げ」に繋がると考えてます。
周りを見回すと、Google検索も90年代前後の企業を幾つか経て、情報収集と検索結果精度の向上に努めた結果、世界中の人々に受けいられるようになりました。日本だと松下電器です。「マネシタ」と言われていたのは有名な話ですが、白物家電など先行している海外製品を研究して徹底的に利便性とコストダウンを追求した結果、世界一の松下電工(海外ブランド名パナソニック)になりました。一方私たちの生活圏で例えると、日本料理や日本蕎麦屋、ラーメン店などの「のれん分け」がそれに当たります。このように実は、既製品や既サービスを洗練させている企業が多いことが分かります。
先行利益者から真摯に学ぶことで、既存品への不便や不満を解消させた結果、新製品や新サービス、新分野への参入に繋がりオリジナルを越えてしまうことはこれら事例からも理解できます。
真似る(模倣)経営
数字が低迷しているならば、その原因を探るのは当然です。そして、うまくいっている事例を研究し、場合によっては模倣する。これを否定してしまっては、会社経営は成り立たないといっても過言ではないと考えています。
しかし真似るといってもどうしたらいいのか。税理士に聞いても中小企業診断士に聞いても答えを得るのは難しいかもしれません。多くの士業は、過去の数字やビジネスを評論することには優れた仕事をしてくれますが、顧客の感情分析やマーケット分析、協力会社や仕入先とのアライアンスの組み方など、それら経験が乏しく重要な施策は経営者任せになってしまうことが多いと聞きます。では真似る経営したい時にはどうすればいいのだろうか。ただ単に外から見える範囲で根拠もなく真似ても役に立たないのは分かると思います。
先ず最初に、真似てみたい企業(目標としたい企業)の数字を真似ることをお勧めいたします。
例えば、経営情報と経営指標を使い自社数字と比較して違いを見つけ出します。そして次に真似たい数字を特定することです。経営情報だけでも41情報、経営指標となると56指標、併せて100近い対比項目がありますので経営者一人で作業するのは効率が悪いので、会計士や税理士とディスカッションしながら進めると、良い点と悪い点を浮き彫りにすることができます。
ではそもそも、その経営情報や経営指標はどのデータから作り出せるかというと、皆様が年に一度作成されている財務三票から算出することができるのです。
その財務三票を使って自社分析(セルフチェック)をしてみてもいいですし、政府系統計経営指標で産業別や従業員別で比較するなど自己診断するのもいいと思います。更に目標とする企業を見つけその企業の財務三票を入手できれば経営状態の違いを知ることができ、経営数字を目標とする 真似る経営 を始めることができます。これら取り組みは、経営者や士業の方々から経営の参考になると好評を頂いております。
このように財務三票を用いた経営情報と経営指標を目標にする 真似る経営 良いところは、過去の成功経験や先入観を排除して客観的な数字で比較して判断できる点です。良い点はさらに強化し、悪い点は低減させる判断が遠慮なしにできるようになります。
経営指標で違いを知り、売り物を再考しお客様をしる好機です
ここまでの説明だけだと真似る経営とは、「内部的な経営改善」と理解されそうですが、自社の経営状態と、目標とする企業(真似たい企業)との違いを知るということは最終的には、自社の売り物を再考し届けたいお客様をより深く分析することに繋がるのです。闇雲に新分野や新製品開発しようとしても、自社の実力やリソースを無視した経営判断は決して良い結果を生むことはないのです。
経営情報と経営指標一覧例
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