マナーを知って歴史がわかる~川越の紅茶講座でイギリス貴族体験~
ヒトとモノの彩り発見ライター矢島真沙子です。
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空間の彩りを味わう体験をしました。楽しむことって自由奔放、やりたい放題とはちょっと違います。「マナー」って実は楽しむためは欠かせなかったりします。
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アフタヌーンティ=英国の伝統的なティタイムの時間、3段トレイに乗ったお菓子と軽食ともに紅茶を楽しむ。
というイメージがあるだろう。
しかし、なぜ3段なのか。なぜ軽食なのか。なぜこの時間なのか。何気なくたしなむティタイムのスタイルにはマナーが存在していて、そこに忠実であることが、人と人を結びつけている。
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川越の蔵造り中心部に近い場所にある紅茶専門店といったらここ。
紅茶浪漫館シマ乃
2001年のオープン以来、街に住む人の憩いの場、訪れる人の休憩場として存在しているお店だ。紅茶文化という優雅なアイテムを提供しながらも、肩ひじはらずに過ごせるカジュアルな雰囲気が心地よい。
この場所で、市内で主催する「川越まちゼミ」の1つ「マナーも学べるアフタヌーンティ体験会」が開催された。
アフタヌーンティ
1840年代(産業革命のころ)に始まった、イギリス貴族の食事に準ずる、または食事を兼ねた喫茶習慣のこと(出典:wikipedea)
イギリスでは朝から晩まで、何とティと名前のつくお茶の時間が10回もあるらしい。アフタヌーンティは15時~17時の間にいただくもので、その頃の貴族たちは9時に朝食をとったあと、夕食が21時になる。その間の空腹を満たすため、合間の時間にお茶する=アフタヌーンティという習慣ができたということだ。
マナーもりだくさんに衝撃
マナー①ティースプーンは縦におく
エレガントで繊細さを感じさせるカップ。ティスプーンは縦に置くのがマナーだと初めて知った。
マナー②お茶は自分から注がない、おかわりを要求しない。
「ハイハイなくなったからついじゃお」と自分からマイカップに紅茶を注ぎ足したり、「すみませーーん!おかわりください!」と要求するのはホストに対して失礼にあたる行為だそう。「ちゃんともてなしてないわよ!」とホストに恥をかかせることになるので、控えよう。
(おかわりが欲しかったら呼びかけるのでなくアイコンタクトする)
そしてアフタヌーンティといえばこれ。
3段トレイに乗ったお菓子とサンドイッチ
マナー③下の段から順に食べる
この場合はサンドイッチ→スコーン→ケーキ。食べ終わってから、次の段に移る。
しょっぱい→甘い→しょっぱいに戻って…と、交互に食べたい気持ちを抑えて、マナーに忠実に食べてみる。
確かに美しい所作が保てることは間違いない。優雅、上品であることに重きをおく、イギリス貴族ならではのマナーだ。
なお、イギリスのアフタヌーンティで出されるサンドイッチは「キューカンバー(キュウリ)サンドイッチ」が一般的だ。当時、温室で栽培されるキュウリは高級品だったので、キュウリのサンドイッチをいただくことが、一種のステイタスのようなものだったのだろう。
今回はキューカンバーではなく、シマノさんオリジナルのツナやポテトなどのミックス。(栄養的とか食べごたえ的にはこちらが好み)
マナー④右手と左手が決まってる
「右手でお皿をとって、左手で食べるのがマナーです」
講師によると、食べ物を左手だけでさわるようにすれば、お皿やティカップを持つ手が汚れないから、やはり美しい所作を保つことができる。何て合理的なんだろう。
そう言われたものの、つい右手を食べ物に添えたくなるわたし。緊張と不慣れなマナーに四苦八苦してしまう。
マナー⑤スコーンの食べ方
アフタヌーンティーに欠かせないスコーン
スコーンは厚みがあるので、まずナイフで真ん中から横にカットする。
その上に、添えられたクロテッドクリームとジャムを塗る。
ここ最大のポイント!
クリーム&ジャムはスコーンにべったり塗らない。食べる分だけ(つまり一口分ずつ)少しずつ塗る。なぜなら、全体にべったり塗ると、口の周りが汚れる→ティーカップが汚れるからだ。
ええっ!うちでスコーンたべるとき全体にべローンと塗ってたよ、ワタシ…。
ちなみに、クロテッドクリームは乳脂肪分の高い結構コクのあるクリームのこと。アフタヌーンティーには欠かせないもので、わたしも大好きだ。「ちょっとずつ塗る」と聞いたけど、結局添えられたの全部塗りつくした。
マナー=集まった人をつなぎ、社交の場を楽しむ「決まりごと」
マナーと聞くと、堅苦しくて緊張するものだ。しかし、そこには必ず意味がある。マナーを守ることは、場を共にする人を気づかうことで、コミュニケーションを円滑にするためには欠かせない。
いわば、社交の場で人と人をつなぐ、大切なアイテムだと言える。
毎日適当に飲んで、食べて…という良くも悪くも自由な現代だからこそ、古き良き時代から続くマナーを知り、実践することに意味があるのだと感じた。
ああ、またイギリスにいって本場のアフタヌーンティーを満喫したい。
とはいってもなかなか叶わない状況である。まずは川越で楽しもう!
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