周礼8

天官冢宰8
#天官と冢宰と言う役職についての章

閽人:王宮每門四人,囿游亦如之。
#「閽人(こんじん)」は、王宮にある門を守る役割があり、各門に4人配置されています。門に来た来客に対応するのも閽人の仕事です。

 閽人は王宮の中の門を守る役割を持ち、特定の服装や武器を持った者、不審な服装や盗賊の道具を持った者、異様な服装や異民族の者は王宮に入ることができません。また、内部の人々や公的な用具、賓客は指導者の指示がない限り出入りすることはできません。閽人は時刻に応じて門を開閉する役割も担っています。
 
 さらに、外部からの命令によって男性や女性の出入りが許可される場合もあります。閽人は庭や門の掃除も担当し、大規模な祭りや喪の儀式では特別な門灯を設置し、王宮や神殿の門を特別なものにします。同様の規則は賓客にも適用されます。

寺人:王之正內五人。
#「寺人(しじん)」は王の内部の人々と女宮の規則を管理し、彼らの行動に関する事柄を監督しており、5人います。

 寺人は、王の内部の人々と女宮(王の妃や女性の宮廷)の戒令(規則)を管理し、彼らの出入りに関する事柄を監督します。喪の儀式や賓客、祭りの際には女宮を指導し、関連する司令機関に案内し、女性の行動を規律します。また、内部の人々の規則を管理し、内部の人が外に出る場合は案内し、その前で命令を与えます。

內豎:倍寺人之數。
#「内豎(ないしょ)」は寺人の2倍の数いることが示されています。

 内豎は、内外の通達を取りまとめる役割を担っています。また、祭りや賓客、喪の儀式など重要な行事においては、内部の人々の行動を指導します。特に王妃の喪の際には、宮中での移動や葬儀においても重要な役割を果たします。王妃の喪の際には、宮中での移動に先立って指導し、葬儀では特別な器具を持って車に従って行動します。

九臏,世婦,女御。
#「九臏(きゅうべん)」、「世婦(せいふ)」、「女御(じょぎょ)

九臏(きゅうべん):
 九臏は、中国の周王朝時代において、王宮内部で女官の上位に位置する重要な役職でした。九臏は、主に王妃や王の側室を補佐し、宮廷の行事や礼儀作法の管理、女官の配置などを担当していました。九臏は、王宮の女性の社会的地位と権力を象徴する存在でした。

世婦(せいふ):
 世婦は、中国の周王朝時代において、王宮内部での儀式や礼儀作法を担当する女官の一つです。世婦は、主に宮廷の行事や祭り、喪の儀式などの儀礼的な場面で重要な役割を果たし、その役割は周囲の女官や宮廷の人々の行動を調整し、正式な儀式が遵守されるように監督することでした。

女御(じょぎょ):
 女御は、周王朝時代における王の正妃であり、王妃の地位を指します。女御は王の配偶者として、宮廷内で特別な地位と権力を有していました。彼女は王との間に子供を産み、王の後継者を育てる重要な役割を果たしました。女御の地位は王室において高く尊重され、彼女の地位によって宮廷内の権力関係や儀式の実施にも影響を与えました。

 これらの役職は、中国の周王朝時代において王宮内部の女官の階層や役割分担を示すものである。

女祝四人,奚八人。女史八人,奚十有六人。
#女祝は4人おり、奚(き)は8人。女史は8人おり、奚は16人います。

 女祝は王后の内部での祭りや儀式を担当する役職であり、女史は王后の礼儀作法や内部の行政を管理する役職です。それぞれの役職には、一定数の人員が配置されており、彼らは王宮内部の重要な活動を担当しています。

典婦功:中士二人,下士四人;府二人,史四人,工四人,賈四人,徒二十人。
#「典婦功(てんぷこう)」は、中士2人、下士4人、府2人、史4人、工4人、賈4人、徒20人がいます。

典絲:下士二人;府二人,史二人,賈四人,徒十有二人。
#「典絲(てんし)」は、下士2人、府2人、史2人、賈4人、徒12人がいます。

典枲:下士二人;府二人,史二人,徒二十人。
#「典枲(てんし)」は下士2人、府2人、史2人、徒20人がいます。

典婦功(てんぷこう):
 典婦功は、女性の儀式や作法を管理し、それを嬪婦(びんぷ)や内宮の女性に伝える役割を担っていました。功績を授ける際には、その価値を評価し、物品や書物で記録し、後の王や後継者と共有する役割も持っています。

典絲(てんし):
 典絲は、絲(けい)と呼ばれる絹織物の管理と取り扱いを担当していました。彼らは絲の品質や量を監督し、絲の生産や流通を管理していました。また、宮廷での絲の使用や贈与にも関与していました。

典枲(てんし):
 典枲は、枲(ひのき)と呼ばれる木材の管理と取り扱いを担当していました。彼らは枲の品質や量を監督し、枲を使用する建築や家具の製作に関与していました。また、枲の供給や枲製品の管理にも責任を持っていました。

 これらの役職は、王宮内部で特定の職務を担当していましたが、それぞれの違いは以下のとおりです。

 典婦功は、女性の儀式や作法を管理し、功績を評価し記録し、王や後継者と共有する役割を果たしていました。
 
 典絲は、絹織物である絲の管理と取り扱いに従事し、品質や量の監督、絲の生産と流通の管理を担当していました。

 典枲は、木材である枲の管理と取り扱いに従事し、品質や量の監督、枲を使用する建築や家具の製作に関与していました。

 これらの役職は、王宮の機能と運営において重要な役割を果たしていました。女性の儀式や作法の維持、貴重な絹織物や木材の管理、そして王や後継者に対する功績の評価や共有など、王朝の内部組織を支える役割を果たしていたと言えます。


いいなと思ったら応援しよう!