周礼42

春官宗伯1
#春官と宗伯という役職についての章

春官(しゅんかん)
 春官は、周王朝の官職制度の中で上位に位置し、主に国家の礼儀や儀式に関する事務を管理していました。主な職掌は次の通りです:

礼儀の制定:
 春官は、国家の儀式や祭祀、礼節を定める役割を担っていました。国家の重要な行事や祭りの日程、手順、儀礼に関するルールを策定し、実施する責任がありました。

官位の授与:
 春官は、国家の官職に関連する授与を管理しました。重要な官職の任命や昇進、降格、解任などに関与していました。

教育・訓誡:
 春官は、貴族や官僚たちに対して礼儀や秩序に関する教育や指導を行い、道徳的な振る舞いを奨励しました。

宗伯(そうはく)
 宗伯は、周王朝の地方行政において重要な地位を占める官職でした。宗伯の主な職掌は次の通りです:

宗教行事の監督:
 宗伯は、地域の宗教行事や祭祀を監督し、地方の神職や宗教指導者と連携して行事の運営を担当しました。

人民の救済:
 宗伯は、地方の人々の福祉を監督し、災害や困難に直面している人々を救済する役割を果たしました。

行政・司法権の行使:
 宗伯は地方行政の実務を担当し、地方自治や司法機能の一部を運営しました。

惟王建國,辨方正位,體國經野,設官分職,以為民極。乃立春官宗伯,使帥其屬而掌邦禮,以佐王和邦國。
#唯一の王が国を建て、方正な地位を整え、国を治めて経営し、官職を設け、民を最高の境地に導く。そして春官と宗伯を立て、その下に人々を統率させて国の儀礼を司り、王と国を和合させた。

禮官之屬:大宗伯,卿一人。
#礼官には、大宗伯(だいそうはく)が卿が一人います。

小宗伯,中大夫二人。
#小宗伯 (しょうそうはく)は、中大夫が二人います。

肆師,下大夫四人。上士八人,中士十有六人,旅下士三十有二人。府六人,史十有二人,胥十有二人,徒百有二十人。
#肆師 (しし)には下大夫が四人いて、上士が八人、中士が十六人、旅下士が三十二人います。府には六人、史が十二人、胥が十二人、徒が百二十人います。

郁人:下士二人;府二人,史一人,徒八人。
#郁人 (ゆうじん)には下士が二人いて、府が二人、史が一人、徒が八人います。

雞人:下士一人;史一人,徒四人。
#雞人 (けいじん)には下士が一人いて、史が一人、徒が四人います。

司尊彝:下士二人;府四人,史二人,胥二人,徒二十人。
#司尊彝 (しそんい)には下士が二人いて、府が四人、史が二人、胥が二人、徒が二十人います。

司幾筵:下士二人;府二人,史一人,徒八人。
#司幾筵 (しきい)には下士が二人いて、府が二人、史が一人、徒が八人います。

天府:上士一人,中士二人;府四人,史二人,胥二人,徒二十人。
#天府 (てんぷ)には上士が一人、中士が二人、府が四人、史が二人、胥が二人、徒が二十人います。

典瑞:中士二人;府二人,史二人,胥一人,徒十人。
#典瑞 (てんずい)には中士が二人、府が二人、史が二人、胥が一人、徒が十人います。

典命:中士二人;府二人,史二人,胥一人,徒十人。
#典命 (てんめい)には中士が二人、府が二人、史が二人、胥が一人、徒が十人います。

司服:中士二人;府二人,史一人,胥一人,徒十人。
#司服 (しふく)には中士が二人、府が二人、史が一人、胥が一人、徒が十人います。

典祀:中士二人,下士四人;府二人,史二人,胥四人,徒四十人。
#典祀 (てんし)には中士が二人、下士が四人、府が二人、史が二人、胥が四人、徒が四十人います。

守祧:奄八人,女祧每廟二人,奚四人。
#守祧 (しゅうてつ)には奄八人、女祧はそれぞれの廟に二人、奚が四人います。

卿(けい):
 卿は、周王朝において重要な地位にある高位の官僚で、王に対して直接仕える役職でした。政治や行政の決定に参与し、国家の統治に影響を与える立場にありました。

中大夫(ちゅうたいふ):
 中大夫は、官位の中間に位置する役職で、宮廷や地方で王や高位の官僚の補佐役として活動しました。行政や文化的な活動に従事し、王の政策の実行を支援しました。

下大夫(かたいふ):
 下大夫は、官位の中で中大夫より下の階級にあります。地方行政や宮廷の重要な任務を担当し、中大夫や上級官僚の指示の下で業務を遂行しました。

上士(じょうし):
 上士は、中士よりも高い階級に位置し、官職の中では一定の権限を持つ役職でした。儀礼や行政に関する任務に携わり、地方行政や王室の儀式に参与しました。

中士(ちゅうし):
 中士は、官位の中間に位置する役職で、地方行政や宮廷での重要な職務に従事しました。上士や下士の指示を受けて任務を遂行しました。

下士(げし):
 下士は、官位の中で最も低い階級にあります。地方の行政や儀礼に関連した仕事を担当しました。

府(ふ):
 府は、地方行政の組織であり、地方官庁を指します。地方の治安維持や統治を担当し、行政実務を取り仕切りました。

史(し):
 史は、記録や文書の管理、歴史の記述、官吏の行動記録などを担当する役職でした。また、歴史的な出来事や文化を伝える役割も持っていました。

胥(こ):
 胥は、府や宮廷での職務に従事する補佐役でした。府や宮廷の業務を支援し、官吏の日常的な活動を補助しました。

徒(と):
 徒は、労働力や兵士としての役割を果たす人々のことを指します。地方行政や軍事に従事する人々が含まれていました。


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