周礼10

天官冢宰10
#天官と冢宰と言う役職についての章

大宰之職:掌建邦之六典,以佐王治邦國
#「大宰(だいさい)」とは、古代中国の官職で、建国や国家の六つの基本法典を管理し、王の統治を補佐する役割を持つ官職のことです。

一曰治典,以經邦國,以治官府,以紀萬民。
#1,治典(じてん):国家を統治するための基本法典。国家の統治に関する規範や手続き、行政の運営などを定め、官府の運営と万民の行動を統制します。

二曰教典,以安邦國,以教官府,以擾萬民。
#2,教典(きょうてん):国家を安定させるための基本法典。官府の教育方針や手法を規定し、万民の教化にも努めます。

三曰禮典,以和邦國,以統百官,以諧萬民。
#3,禮典(れいてん):国家を和合させるための基本法典。国家内の百官(官僚)の行動や慣習を統一し、万民の行動を調和させます。

四曰政典,以平邦國,以正百官,以均萬民。
#4,政典(せいてん):国家を平和に保つための基本法典。百官の行動を正しく規範し、万民の間に公平な秩序を確立します。

五曰刑典,以詰邦國,以刑百官,以糾萬民。
#5,刑典(けいてん):国家を正しい道に導くための基本法典。百官の違反や罪を裁く手続きを定め、万民の違法行為を取り締まります。

六曰事典,以富邦國,以任百官,以生萬民
#6,事典(じてん):国家を豊かにするための基本法典。百官による国家の運営を任せ、万民の生計や経済を発展させることを重視します。

以八法治官府:
#「八法治官府」とは、周王朝時代の官府の統治を整えるための八つの法律原則のことです。

 「官府」とは、中央政府や地方政府における行政機関や組織のことを指します。官府は国家の統治や行政を担当し、王や君主の命令に基づいて各種の政務や業務を遂行しました。官府は役職や職掌に応じて分類され、それぞれの官府が担当する領域や責任が定められていました。官府には、統治や司法、軍事、財政などの分野に特化した役職や官職が存在し、周王朝の政治体制を支える重要な組織となっていました。

一曰官屬,以舉邦治。
#1,官屬(かんぞく):官府内の役職を適切に配置し、国家の統治を円滑に進めるための原則です。官職の任免や配置により、国家の統治を効果的に行います。

二曰官職,以辨邦治。
#2,官職(かんしょく):官府の役職を明確に区別し、国家の統治を明確に分担するための原則です。役職の名称や職掌を明確にし、各官職の責任と権限を明確にします。

三曰官聯,以會官治。
#3,官聯(かんれん):官府の連携を促進し、官府間の協力と連携を強化するための原則です。各官府が情報や意見を共有し、国家の統治における協力体制を確立します。

四曰官常,以聽官治。
#4,官常(かんじょう):官府の日常業務を適切に処理するための原則です。官府の運営や業務の進行において、効率的な処理や意思決定が行われるようにします。

五曰官成,以經邦治。
#5,官成(かんせい):官府の成長と発展を促進するための原則です。官府の運営や改革において、国家の統治に適した仕組みや制度を確立します。

六曰官法,以正邦治。
#6,官法(かんほう):官府の行動を正当化し、秩序を維持するための法律原則です。官府の行動や判断が法律や規範に従い、公正さと正当性を保つことを重視します。

七曰官刑,以糾邦治。
#7,官刑(かんけい):官府による刑罰の適正な適用を確保するための原則です。官府が違反者や犯罪者に対して公正な刑罰を科し、国家の秩序を維持します。

八曰官計,以弊邦治。
#8,官計(かんけい):官府の財政を効果的に管理し、無駄を排除するための原則です。官府の予算編成や経費管理において、効率性と

以八則治都鄙:
#「八則治都鄙」とは、古代中国における都市と農村の統治を整えるための八つの原則のことです。

一曰祭祀,以馭其神。
#1,祭祀(さいし):神々を尊重し、適切に祭祀を執り行うことによって、神々を統御する原則です。神々に敬意を払い、祭祀の儀式を通じて神々の加護を得ることが重要です。

 中国周王朝時代の「神々」は、信仰された宗教的な存在や超自然的な存在を指します。周王朝の時代には、天地や自然現象、祖先などへの信仰が非常に重要であり、それらを神聖視する傾向がありました。

 中国の古代宗教である「儒教」と「道教」の影響が大きく、周王朝時代の人々は天帝(てんてい)や地祇(ちき)、各種の神霊(しんれい)や祖先などを神々として崇拝しました。彼らは自然の力や人間の運命に関与し、人々の祈りや儀式を通じて恩恵や加護をもたらすと信じられていました。

 神々への崇拝は、国家の安定や繁栄、豊穣などの願いを込めたものであり、宮廷や寺院での祭祀や儀式が行われる一方、庶民の間でも信仰が広まっていました。神々への信仰は、社会の秩序や倫理、礼儀作法にも影響を与え、中国の文化や思想に深く根付いていったのです。

二曰法則,以馭其官。
#2,法則(ほうそく):法律や規則に基づいて、官府の統治を行う原則です。法律を明確にし、官府の運営や行政を規律正しく行います。

三曰廢置,以馭吏。
#3,廢置(はいち):適切な人材配置と管理によって、役人を統御する原則です。官府の職務の廃止や新たな職務の設置を通じて、役人の適性を引き出し、統治を効果的に行います。

四曰祿位,以馭其士。
#4,祿位(ろくい):給与や役職の配分を通じて、士人(学者や文人)を統御する原則です。給与や役職の配分を公平かつ適正に行い、士人の奮励や奉仕を促します。

五曰賦貢,以馭其用。
#5,賦貢(ふこう):租税や貢納を通じて、財政を統御する原則です。租税や貢納の徴収を公正かつ効率的に行い、国家の経済を適切に管理します。

六曰禮俗,以馭其民。
#6,禮俗(れいぞく):礼儀や風習を尊重し、人々の行動を統御する原則です。人々の倫理や行動規範を守り、社会の秩序と安定を維持します。

七曰刑賞,以馭其威。
#7,刑賞(けいしょう):刑罰や褒賞を通じて、威信を統御する原則です。公正な刑罰と適切な褒賞により、法の威厳を維持し、人々の行動を規制します。

八曰田役,以馭其眾。
#8,田役(でんえき):農地や労働力を通じて、民衆を統御する原則です。農地の分配や労働の調整により、民衆の生活や生産力を管理します。

以八柄詔王馭群臣:
#「八柄詔王馭群臣」とは、王が臣下を統御するための八つの柄(政策・手段)のことです。

一曰爵,以馭其貴。
#1,爵(しゃく):位階や爵位を与えることによって、貴族を統御する柄です。高位の爵位を与えることで貴族の忠誠心を引き出し、統治の安定を図ります。

二曰祿,以馭其富。
#2,祿(ろく):経済的な恩恵や報酬を与えることによって、富裕層を統御する柄です。富裕層に対して適切な報酬や恩恵を与えることで、彼らの協力と支持を得ます。

三曰予,以馭其幸。
#3,予(よ):恩恵や好意を与えることによって、民衆の幸福を統御する柄です。民衆に対して恩恵や好意を示すことで、幸福感や支持を維持します。

四曰置,以馭其行。
#4,置(ち):地位や役職を与えることによって、人々の行動を統御する柄です。適切な地位や役職を与えることで、人々の行動を統率し統治します。

五曰生,以馭其福。
#5,生(せい):生活の基盤や福利厚生を提供することによって、人々の福祉を統御する柄です。社会全体の福祉や生活条件を改善することで、人々の幸福感と安定を促進します。

六曰奪,以馭其貧。
#6,奪(だつ):貧困層から資源や権利を奪うことによって、貧困を統御する柄です。富裕層への対応や資源の再分配を通じて、貧困の問題を解決し社会の不平等を緩和します。

七曰廢,以馭其罪。
#7,廢(はい):地位や役職を剥奪することによって、罪を犯した者を統御する柄です。不正や犯罪を行った者に対して、罰則や地位の剥奪を行います。

八曰誅,以馭其過。
#8,誅(ちゅう):重大な過ちや反乱者を処罰することによって、秩序を統御する柄です。反乱や重罪を犯した者に対して、厳罰を与えて秩序を回復します。

以八統詔王馭萬民:
#「以八統詔王馭萬民」とは、王が全ての人々を統御するための八つの統治原則のことです。

一曰親親,
#1,親親(しんしん):身近な人々との親しみを持ち、愛情をもって接する原則です。家族や身近な人々に対して愛情と支援を示し、絆を深めます。

二曰敬故,
#2,敬故(けいこ):先祖や長上に対して敬意を持ち、敬愛する原則です。先祖の教えや長上の指導に感謝し、敬意を示すことで、伝統と道徳を守ります。

三曰進賢,
#3,進賢(しんけん):優れた才能や徳を持つ人材を登用し、重用する原則です。優れた人材を発掘し、役職や機会を与えて才能を伸ばし、国家の発展に貢献させます。

四曰使能,
#4,使能(しのう):能力のある人々に適材適所の役割を与え、任用する原則です。各人の能力や専門知識に基づき、適切な職務を与えて能力を発揮させます。

五曰保庸,
#5,保庸(ほよう):労働者や農民の生活や権利を保護し、大切にする原則です。労働者や農民の権益を守り、適切な待遇や保護を提供して、社会の安定と平等を促進します。

六曰尊貴,
#6,尊貴(そんき):優れた人々や功績のある者を尊重し、敬う原則です。優れた業績や功績を称え、社会的地位や名声を与えて、人々の尊厳と自尊心を高めます。

七曰達吏,
#7,達吏(たつり):優秀な役人や官僚を登用し、能力と公正さを重視する原則です。優れた役人を選び、公正な統治を行い、政府の能力と信頼性を確保します。

八曰禮賓。
#8,禮賓(れいひん):礼儀やエチケットを重んじ、外交や接待を適切に行う原則です。外国使節や貴賓を敬意をもって迎え、外交関係や友好を築くために適切な礼儀作法を守ります。



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