今も変わらぬ我が家のおにぎり。
旅先でモグモグ。
お昼ご飯にパクパク。
ちょっと小腹が空いた時にパクッ。
そんな日本の食事シーンにぴったりなおにぎり。
日本食で一番好きなものは?と、聞かれたら私は真っ先に「おにぎり」が浮かぶ。
みんな一度は口にしたことがあるであろう、馴染みある日本のソウルフードである。
少しおにぎりの歴史を調べてみると、なんと弥生時代中期〜後期には石川県旧鹿西町(現中能登町)で、もち米を蒸して固めて焼かれたおにぎり状のチマキ炭化米塊が発見されたというほど歴史ある食べ物だった。
日本人がずっと食べ続けている訳である。
歴史の長さが違うぜ、おにぎり。
(参照:一般社団法人おにぎり協会 HP)
私はおにぎり片手に学生時代を過ごしてきたと言っても過言ではない。
(おにぎりみたいな顔していると、家族からよくからかわれるのはこれがルーツ。)
とにかくお腹が空く奴だったので給食や学食だけでは足りず、常に母がおにぎりを用意してくれていた。今思うと、本当に感謝しかない。
母はパワフルな人だがとても几帳面な部分があり、おにぎりと海苔は分けて用意するタイプだった。
しかも毎回その用意された袋にはご丁寧に具が書かれていて、それを見る度にいつもホッとしていた。その部分含め、おにぎりはいつも本当においしかった。
土日の部活時には、時々父が用意してくれることもあった。
滅多に料理はしない父だが、母がどうしても面倒臭がった時は協力なピンチヒッターになるのである。まさに夫婦二人三脚だ。
父はお米と海苔は一緒にするタイプなのだが、驚くべきはその形。
型に詰めたの…?と、聞きたくなる位にきれーーーな正三角形なのだ。
もはや芸術品に近いので、毎回後光が差しているようで惚れ惚れしたものである。
(写真などでお見せできないのが悔しい…。)
真面目な父の性格がここに出ている気もする。
平日は仕事で忙しい中、休日にこうして娘(たまに弟にも)におにぎりを作ってくれるなんて本当に優しい。感謝しかない。
おにぎりは実は結構手間な料理だと思う。
ご飯を炊き、ご飯に合う具を用意し、塩加減も調整し、一つ一つ握り、海苔も用意し、ラップまたはアルミホイルで包む。ここまでの工程だけで6段階ある。
自分でおにぎりを用意するようになった今だからこそ、そのことに気付くというものだ。
母がしてくれたようにメモを添えて、父の正三角形を目指して握る。
あの時おにぎりの具と一緒に詰めてくれた優しさも、忘れずに。
我が家のおにぎりの歴史は、着実に受け継がれているのだった。