たまにはお酒を呑みながら。
夕方18時頃。
のそのそと夕ご飯の支度に取り掛かる。
我が家のプロデューサー(夫:以下P)は、仕事を終えると真っ直ぐ家に帰ってくる。
生活を共にしてからというもの、ずっとこのスタイルは変わらず、寄り道せずただひたすら自宅を目指す。
なにを隠そう、彼もインドア気質なのである。
そんな状況なので、晩御飯の準備は早め早めが必要になってくる。急いでご飯を解凍し、主食を用意し万全の準備にとりかかる。
しかし、この緊急事態中ともなると、このルーティーンが段々とマンネリ化に…
私に至ってはさほど活動量は多くないこともあり、お腹が空いていないけれど晩御飯を用意するというなんとも矛盾したループにハマっていた。
しかし、「共にご飯を食べる時間」に対して重要性を見出している我々にとって、これも疎かにすることはできない…。うーむ。
そんなことを思っていたある日、Pがめちゃくちゃ早く帰ってきた。
どうやら、少し早く上がってこれた様子…
まだ夕ご飯に取り掛かる心の準備もないままの帰宅である。うーん…と、モヤモヤした顔でいると、こんな提案をしてくれた。
「ダッシュでお風呂入るので、今日は夕方の明るいうちからお酒でも呑もうではないか。むしろ、そちらは先にやっていてはいかが?」と…。
それはつまりお酒を呑みながら料理の準備を…?!
そ、そんな…それはさすがに…
最高じゃあないですか。
本日の食材たちと一緒に、いそいそと冷やしていたビール缶350mlを取り出す。
プシュッと始まりの合図を出し、一口いただく。
なんということでしょう。
お酒を呑みながらのわくわくクッキングタイムに早変わりである!
まだ少し明るい時間帯。
夜が近づく気配はするけれど、まだまだ昼間も負けていない不思議な空模様。
缶ビールを少しずつ呑みながら、コトコトと夕ご飯の準備。
なんともまぁ非日常感たっぷりで最高である。
「ひとつのことをしているときは、これだけに集中する!」と、大事なときもあるけれど、少しだけネジを緩めると見えてくるものもある。
それひとつで、いつものなんとなくの雰囲気が、ガラリと変わることだってあるのだ。
Pもお風呂から上がり、ほかほかした状態で一杯呑みはじめる。
いつもだったら、うだうだと晩御飯まで過ごしている時間である。それが今日はどうだろう。なんだか小さなパーティ気分でわくわくする。
提案してもらったことに感謝しながら、おつまみ感覚で晩御飯をいただく。まだ18時過ぎ。
こいつは楽しい夜になりそうだ!と、意気揚々と過ごしたものの、現実にあっという間に引き返される。
そう、これを書いている時はまだ木曜日。
明日にはまだ金曜日が控えているという事実に、お布団へ入った直後に気がついたのだった…。