坂本と岡本。 Part Ⅱ.
前回までのあらすじ。
こちらを読んでからをオススメします :)
偶然保護した「岡本」を迎えいれることに。
しかし、先住猫の坂本がいて…。
岡本を保護した当日。
真っ先に相談しなければいけないのは、先住猫の坂本だった。
私はそもそも猫との生活がまだ4年目の新人。
プロデューサー(夫:以下P)は、経験者ではあるが2匹目を迎えいれることは初めて…。
二人を足して2で割っても、経験不足なのは明らかである。
しかし、大変便利な世の中になったもので、「Google先生」という力強い即戦力のおかげもあり、「猫 2匹目」 「多頭飼い 初めて」と、いったワードを駆使し次々と知識を得ることに成功した。ありがとうGoogle先生…。
とにかく最初に意識したのは「坂本がまず一番」ということだった。
岡本はまだまだ子猫で体も小さく、ついつい我々もデレデレしてしまう。
しかし!そこは猫も人間も同じなのだ。
私は弟が産まれた時のことを思い出していた。
長男長女の人は共感してもらえると思うのだが、急に下の子が家族の一員に加わった時のあの気持ち。経験はないだろうか…
人によって違うとは思うが、私は嬉しかった反面めちゃくちゃ弟にヤキモチを焼き、子どもながらに小さく荒れた。(笑)
急に入って来た新人がいきなり入って来て、なぜかチヤホヤされる。
今までの自分の世界がガラリと変わるのである。
びっくりするし、下手したらショックで元気がなくなるかもしれない。
そんな自身の経験も活かし、まずは坂本を優先した。ご飯も先に出し、岡本の家の中の活動範囲をできるだけ少しずつ。極力坂本にストレスを感じないよう徹したのである。
そんな行動が功を奏したのか、思った以上に早い段階で岡本をすんなり受け入れてくれた。
元々あまり気にしない坂本の大らかな性格もあったのかもしれない。
ビビリの岡本は正反対の性格だったので、違うからこそ惹かれたみたいな感覚だったかなとも思う。
そんなこんなで、無事に坂本と岡本は一緒に生活を共にするようになった。
我々も万々歳である。
その後数回引越しをしたが、新しい環境になってもなんとかうまくやっている。坂本は基本のんびりマイペース、岡本は相変わらずビビリまくりの繊細ガールだが、坂本がいれば大丈夫と言った感じだ。
いい関係が築けて嬉しい。
今では大体近い距離で過ごしている。
不思議なもので、家族は気づいたら似てくるというのは人も動物も同じなのではと最近思うようになった。
と、いうよりも家族になった時点でもう生物の違い云々は関係ないのかも。
坂本は私に性格がそっくりだ。時々ケンカすることもある。(をいをい…)
猫という感覚も少なく、嫌なことがあったり嬉しかったことがあると真っ先に話にいく。もう相棒のようだ。Pに対してはなんだかほんのり甘えて女の子なところも彼女らしい…。
それでも、寝ているところにソッと来て小さく子どもになるような可愛さも持ち合わせた憎めないやつである。
岡本はPに似ている。
Pがビビリかというとそうではなく(逆に鋼のメンタルを持っているタイプ)、用心深いところと家族以外には基本的に素直に心を開かないところなどはそっくりである。
岡本に対しては「小さな子ども」がずっといるような感覚だ。
日々全力で生きている彼女をみていると、微笑ましくもあり時々危なっかしくて放っておけない。いつまでも見守ってあげたい存在だ。
そんなこんなで、我が家は大人2人と猫2匹の家族で日々を過ごしている。
坂本と岡本はよく食べ、よく寝、よく遊び、よく日向ぼっこをし、時々ケンカするというように同じルーティーンで毎日を充実させている。
めり込む坂本。
片足脱力スタイルの岡本
今日も玄関を開けると坂本が迎えに来て、岡本が後ろでそ〜っと様子を見ている。この光景が私の日々の元気玉になっていることも間違いない。
インドア気質に拍車がかかるのもしょうがないよね〜と話す度に、「理由に使うなし…」と、彼女たちに呆れられながらもいつも一緒に過ごしてくれていることに感謝を忘れない。
ぬくぬくのんびり過ごす。
本当にそれだけでいい。
その為にせっせとご飯代を稼ぐため、馬車馬のように働くPと、ささやかながらそれを補助する黒子に徹する私なのであった。