#17北欧への旅/強硬手段にチャレンジ
いよいよ、帰国予定日に帰ることができない可能性が濃くなりました。
こんな状況に陥っていることは家族にもQPさんにもまだ伝えていません。伝えたとて、彼らにどうにかできるものではないので心配かけるだけです。
でも、予定日に帰れないかもしれないので、少なくても息子タローと空港に迎えに来てくれることになっているQPさんに言わないわけにはいかなくなりました。
まずタローに電話しました。
yahoi「予定どおり帰れないかも」
Taro「どうして?」
yahoi「スリにやられてパスポートもグリーンカードもクレカもみ〜んななくなっちゃった!!」
Taro「なんだって〜〜〜 !!OMG! だいじょうぶ?どうすればいい?オレにできることは?お金送ろうか?」
電話の向こうでわたしよりずっとパニくっています。😆
yahoi「命に別状ないからだいじょうぶ。できることはしたけど、ボーディング・フォイルが間に合わない。あなたが2月にやらかしてくれたおかげで、すべきこと予習できていて助かったわよ。ともかく、ダメ元で明日は予定どおり空港行って搭乗を試みることにしたから。明日にならないと、帰れるかどうかはわからない。ひょっとしたらしばらくはここで足止めかも。今あなたにできることはないけど、この先もし必要ならまたお願いするね〜」
そんな感じで話を終えたあとは、QPさんにもスリにやられて予定の飛行機に乗れない可能性が出てきたからとメッセージ。
なのに、QPさんからの返事はあっけらかんとして、いかにものんびり。どうもわたしの言っていることに危機感はなく半信半疑のようです。
「とにかく、明日の夕方4時過ぎにはデトロイトに行っているからね。会えるのを楽しみに待っているよ〜」とまるで動じない返事。
首を長くして待っている彼を、わたしがからかって悪い冗談でかついでいると思っている気がしてきました。
そういえば、出発前にもしわたしが旅に出たまま帰って来なくなったらどうする?と質問してみたことがありました。そうしたら、彼は妄想を膨らませました。
こんな悪ふざけで爆笑したわたしたちなので、QPさんはわたしの伝えたハプニングがあの冗談の続きかもと疑っていても不思議はありません。
だめだ、こりゃ。😆 顔見て話さなきゃとビデオコールしました。
QP: "Hi, my princes! I miss you. How are you? "
yahoi: " I miss you, too. This is not a joke, it's truly happening.
QP: "Anyway, I'm looking forward to seeing you at the airport tomorrow. I can't wait!"
でおしまい。
とことんポジティブなQPさん。
まぁ、いいや。
明日搭乗できなかった時点でまた連絡すればいいことです。
◇◇◇◇◇
コペンハーゲンの市内を楽しんでMさんとNさんがホテルに戻って来ました。デンマークモノ飲み物とスイーツの差し入れもいっしょです。
わたしに起こったハプニングのせいで、貴重な彼女たちの時間をだいなしにして申し訳なかったのですが、今日の午後は二人がしっかりコペンハーゲンを観光してくれてよかった〜。
それからまたわたしたち3人はホテルの部屋でおしゃべりを続けました。Nさんとは今夜でお別れ、彼女は明日の夕方のフライトでロンドンに戻ります。わたしとMさんはほぼ同じぐらいの時間のフライトなので、いっしょにタクシーで空港に向かいます。
長いようで短かった旅の帰国日です。
そうそう、Mさんのスーツケースは結局、一度もデンマークで開かれることなく日本の関西空港に送り返されてしまいました。
Mさんのロストバゲージのことも頭にあったため、わたしの荷物は機内持ち込みだけにしようと決めました。幸い持っている荷物はキャリーオンサイズのスーツケースとバックパックだけです。
帰国便がアムステルダムで乗り換えてのデトロイト行きです。コペンハーゲンとアムステルダムはEU内ですが、そこから先が米国行きとなるため最悪の場合、アムステルダムから米国行きに乗せてもらえない可能性もあり、荷物は少々重くても手元に持っていたほうが安全と判断しました。
午前9時過ぎのフライトだったので朝6時半ごろにはホテルを出て、Mさんといっしょにタクシーで空港に向かいました。
わたしの帰国便は、デルタ航空とKLM航空とのシェア便でKLM航空がハンドリングしています。デルタ航空からチェックインの案内はメールで届きましたが、デルタのアプリからのチェックインはできませんでした。
国際線の場合、国籍に応じて入国に必要な条件がちがうため、アプリやウェブからチェックインができない場合もあります。
各空港により仕組みがちがうようですが、日本やメキシコのデルタ便利用の場合は空港のマシーンでパスポートとグリーンカードを読み取り、チェックインが完了します。今回は初めて利用するコペンハーゲン空港の仕組みが謎なので、さあどうなるのやらです。
シェア便のためKLM航空を扱うマシーンでチェックインしました。幸運なことに、日本やメキシコで見るようなグリーンカードをスキャンして直接読み取るのではなく、永住権保持者がもっているAナンバーの入力だけでボーディングパスがプリントされて出てきました。スマホのセキュアホルダーの中にグリーンカードの裏と表の画像を保存しておいたのはラッキーなことでした。
やった〜!!第一関門突破です。
もし、カウンターでスタッフを介してのチェックインならば、ほぼ99%グリーンカードの提示なしでは断られたことでしょう。
ボーディングパスが手に入ったので、セキュリティーを抜けて搭乗ゲートに向かいました。
次なる難関は、搭乗前のパスポートとボーディングパスのチェックのときです。
わたしのフライトのほうが少し先だったので、Mさんも心配そうに見守ってくれていますが、搭乗ゲートでパスポートとボーディングパスを見せ、顔認証を突破したところで、搭乗口カウンターのコンピューター前にいる別の女性がわたしを呼び止めました。
「最終目的地がデトロイトですね。ビザかグリーンカードはお持ちですか?」
たぶん、認証したところで、日本のパスポートで米国行きなので、確認が必要のサインでも出たのでしょう。
キター!!とうとうキター。絶望……落ち着けわたし。😱
とっさにあ〜、やっぱりだめかと思いました。😰
瞬時に事情を説明するかどうしようかと迷いましたが、「持っていない」といえばおしまいだと思い、一か八かでにっこり笑ってスマホの中にしまってある、グリーンカードの画像をよく見えるように拡大して彼女の前に見せました。
すると、女性はサンキューといいながらグリーン・カード画像のAナンバーを確認したあと、やさしげにスマホを返してくれました。
🤣🤣🤣🤣🤣😆😆😆😆😆🤣🤣🤣🤣🤣😆😆😆😆😆
やりました。
それに、わたしは嘘はついていません。
デンマーク滞在中、ほんとうにデジタル化が進んでいると感じていました。デンマークはEUながらも通貨は独自のデンマーク・クローネですが、現金を使っている人などほんとうに見ませんでした。ほぼほぼカード決済で、それは米国以上だと感じました。自販機のたぐいもカードしか受け付けないものばかりです。
勝手な推測ですが、これほどデジタル社会ですから、わたしが堂々と怯むことなくスマホのグリーンカード画像を提示したので、彼女が昨今はデジタル版グリーンカードがあると思ったのかもしれません。
そんなわけで、コペンハーゲン発、アムステルダムのフライトに無事に乗り込めました。
次の難関は、アムステルダムでの乗り継ぎです。
つづく。
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