『半席』青山文平(新潮文庫)
☆4.5
御家人から旗本への出世を目指し、徒目付の仕事に真面目に取り組んでいる片岡直人は、徒目付組頭の内藤雅之に外部からの頼まれ御用を度々任されてしまう。
出世に関わりない仕事であるのに、その面白さとやりがいに、自らの狭い視界を広げさせてゆく。
六編収録の連作短編集。
事件が起きても、犯人の自白とその処罰が決まってしまえば、それ以上の捜査は行われない。
しかし人情としては「何故」がわからなければ先に進めない人もいる。徒目付組頭の内藤はその「何故」を頼まれ御用として片岡に託