山口周さんのイベントを観たまとめ
Ⅰ.はじめに
ビジネスの世界でも“アート”が重視されるようになってきました。
それは先進国を中心に文明的な価値の時代が終わり、文化的な価値の時代になってきたからです。「日本は経済成長出来ていない」という意見についての見解の一つに「経済が完全に成熟したから」というものがあります。(経済成長しているならまだ未熟、文明的)
パンデミックを皮切りに文化的な価値の世界にシフトしていくでしょう。そのシフトした先で豊かに生きていく指針の一つとしてまとめます。
Ⅱ.人間が人間たる行動が価値になる
「遊びと創造とコミュニケーション」が次の時代の価値、生き方になる。
自分自身が自分を満たす作品を作るという自給自足の文化的行為が人生の喜びになる。
他との比較ではなく、“自分がどうあるか”や“自分がどう在りたいか”という主観が注目さ
れる。
(勝ち負けの価値観、与えられたものを完遂することを喜びとしていた人達のお陰で今の経済状態まで成ったことを忘れてはいけない。→この人達(アスレティックな人達)についてはⅢ.に記載)
シフトする前の社会には「儲かっているから」という理由でやりたくないこと、必要のないことを仕事にしている人が多い。この状況によって人間のためにあった仕事が人間を追い込んでしまうこともしばしばある。
→今後は労働とレクリエーションの境界を失くしていく人が増えるだろう。
労働そのものが消費活動になる。
例)料理人が料理を作り、顧客が喜ぶ顔が見える
→作品を褒めてくれるアーティストと同じ感覚
上記の「儲かっているから惰性でやっている仕事」がパンデミックによって自然淘汰されているのではないだろうか。本当に必要な仕事なのか考える時期に差し掛かっている。
Ⅱ.ビジネスについて
今まで仕事→見込み客が多いからこの仕事をしようという他者との比較で創られる仕事
これから→「何をやるべきか」「何が自然か」という内発的な観点で創られる仕事
例)無印良品
大量消費の時代。質ではなく過剰な広告や装飾で商品が売買されていた。それでは本当に良い商品がなくなるという発想から、最低限の装飾と広告+品質の良さで商品を提供した。
ユーザーの問題を解決するために行った改革が結果的に独創的になった。
Ⅲ.これからの組織の在り方
すべての人が文化的行為を出来るわけではない。
アスレティックな人達は「思想・理念」がある組織に共感して所属する。
宗教のようにある思想のもと集うイメージ。
スタッフは勿論、顧客も同じ価値観を持つ繋がりが強い組織。
これによってパーソナルな問題をローカルな市場で解決し、長く愛される組織なる。
しかし、「思想・理念」をトップダウンで現場に落とし込むことは難しい。
現場レベルで「思想・理念」を発揮して、ボトムアップで組織に価値観を作る。
→部下が組織を作るフォロワーシップ。これができない組織は淀んで腐る。
「思想・理念」の元、自然淘汰して組織を変えていく。
キリストも元はただの一人の民。
黒人差別撤廃に世の中が変わったのも一人の黒人から。
すべては現場から世の中が変わっていく。
Ⅳ.最後に
人間らしく、自然に生きていくためには。
この観点を持ち、柔軟に生きていく力が求められる。
Ⅴ.参考文献
山口周:なぜエリートは美意識を鍛えるのか
山口周:ニュータイプの時代
山口周・尾原和哲:仮想空間シフト
参考サイト
Art&science:http://artsandscience-kipling.blogspot.com/