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危機のリーダーシップ 本の話をしよう07 F・ローズヴェルト、がんばったってよ

「今、自分たちが直面している事態を嘆き、恐れるのではなく、勇気をもって現実に立ち向かおう。」

1933年のF・ローズヴェルトの大統領就任式の演説。


「失業者に現金を給付する直接救済よりも、公共事業などによって雇用を創出し失業者に職を与えるほうが、人々の勤労意欲を維持するためにも、
また、経済効果という観点からも望ましいと考えていた(略)
ローズヴェルトは、困窮している国民に手を差し伸べて救済する義務と責任が政府にあることを示し、国民は『大統領が我々をカオスから救ってくれた』ことを実感したという」

「ローズヴェルトは、1935年1月4日に行った一般教書演説で
失業者と雇用の問題に多くの時間を割いた。連邦政府の推計によると、約500万人の国民が政府から何らかの救済をうけていたがそのうちの350万人は、仕事があれば働くことができる人々だった。現金の直接的な給付は『麻薬のように、人間の精神を巧みに破壊する』ものであり『失業者の身体を破滅から救い、自尊心、自立、勇気、決意を保たなければならない』とした。失業者に早急に雇用を提供するために国家的なプロジェクトを開始しなければならないというのが、ローズヴェルトの考えだった」

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以上。『フランクリン・ローズヴェルト 大恐慌と大戦に挑んだ指導者』(佐藤千登勢著)中公新書より。

オバマさん自伝を読んでいても、別のアメリカの政治の本を読んでいても
アメリカ人が好きな大統領といえば、
リンカーン、ワシントン、F.ローズヴェルト、
とあったので、とりあえず時代が近い彼の本を読んでみた。

まあなぜアメリカ国民が彼を好きかといえば、
景気回復と戦争の勝利の立役者だからだ。

この本を読み通して 彼のことを総括すると
自国のことを優先しながら国際協調その他差配がうまい。
リベラルでかつ適度に保守。空気読むのがうまいのかも。
もちろん彼がユダヤ人の救済措置をとらなかったとか批判されている局面は
あるのだけれど。
この本が基本的に好意的に書いてるだけかもしれないけれど。1冊だけでは
判断しきれないとは思いつつ。


その他 F・ローズヴェルトのあれこれ。

彼自身がポリオの後遺症で障害をもっていたことで
弱者のことやマイノリティーに理解がある。

当時普及しはじめていたラジオを使って国民にわかりやすく直接語りかける。
演説がうまい。

お酒がすき。基本的に社交的。
人の良いところを評価する。

8時半に起きて、朝、リハビリを兼ねて散歩。
どんなに忙しくても18時には仕事を終えて自分の好きなことをする。

妻エレノアがまた激戦地の慰問に行ったり、退役軍人のところに行くなどする。
夫の代わりにいろんなところへ行って現場をはげまし、
その様子を夫に伝えたりする。(夫婦間の愛情はともかくとして連携プレーが素晴らしい夫婦)

頭はあまりキレるタイプでなかったらしい。
学校の成績はふつう。運動神経もふつう。

などなど。

オバマ自伝(並びにエレノアさんはミシェルさん自伝とも)と重なるエピソードもたくさんあって
読書家オバマさんが、
すっごい彼を研究し尊敬していたことがよくわかった。
(しいていうなら、ローズヴェルトが進めた核開発をオバマさんは反対の立場を断固とっているくらい)

切れ者すぎない、
率直な性格、
自身の不幸(身内の死)などは
バイデンさんのほうが、どちらかというと似た印象なのかなと思った。

「ローズヴェルトは、多様な見識をもった側近を周りに置き、
時には対立する意見を戦わせながら、最終的にどの政策を選ぶのが
最もよいのかを抜群の勘で判断した。
そして自分の判断を、並外れたコミュニケーション能力とパフォーマンスで
国民に伝え、納得させた。
人々は、希望を失なわないこと、新しい考えを恐れずに行動することを
大統領から学んだ」

へー。ほー。
さてさて。日本。
先日の国会中継では、Goto に1兆円で、最低限の給付金もないってさ。
(個人的には必要とする人に速やかに給付金をと思う、その一方で長期的な
雇用政策を早急にと思っています)

医療、社会福祉、雇用、教育…1兆円のうまい(もっとマシな)使い道はあるんじゃないの?
防衛費も世界的なコロナでそんなにいらないのじゃないだろか。

この本、偶然本屋さんで見つけたけれど
中公新書の1月発売の新刊なんだ。今だすために準備していた編集者さんがいるんだね。
そのメッセージが多くの人に伝わりますように。
私が宣伝担当になりたかった!(超絶おこがましい発言)


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