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半藤さんと池上さん 本の話をしよう03『昭和史』(のちょこっと)

昨日訃報のあった半藤一利さんのことと池上彰さんの言葉について

元文藝春秋の編集者でジャーナリスト・作家の半藤一利さんが亡くなりました。昨日はいろんな人と「惜しい人が亡くなったね」とやりとりしました。終戦時に10代前半、現在の墨田区に住んでいた彼は東京大空襲のときに川に飛び込んで船に引き揚げてもらった、という話が印象に残っています。たくさんの手が船をつかみ、多くがおぼれて死んでいった。周りは火の海…という世界を生き抜いた人。その後東大を卒業し、文藝春秋で坂口安吾や司馬遼太郎などを担当。『ノモンハンの夏』や『日本の一番長い日』で学校では習わない近現代史を知った。『昭和史』は近現代史を知らない大学生にむけて、という講演をまとめたもので、これこそ歴史の教科書にしたいという名著。ちょうどコロナの一連の対応について大学の友人とLINEでやりとりしていて、半藤さんの『昭和史』が話題に出ていた矢先でした。(虫の知らせ?)

『昭和史』を本棚からひっぱりだしてきて、読む。

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半藤さんが警鐘を鳴らしてきたあれこれについて、まったく活かされなかったんだな、昨年から体調を崩されていた半藤さんはどんな思いでいただろうなと思う。本の中からいくつか書き抜こうとおもったけど、「日本人は熱狂してはいけない」など、あまりに的を射ていて…やめた。昨日から半藤さんのご著書は売れてるみたい。それが、彼の遺言なのかもしれない。日本学術会議の問題に関して、半藤さんの意見を伺いたかったな。

※個人的にS社から出した戦争文学全集の推薦文のお仕事を依頼して断られた経験があります。びっしり文字が書かれた1枚のハガキをいただいた。「お手並み拝見したい」と書かれていた。どういう意味で受け取ればいいのか、としばらくぼんやりしてしまった。90歳。開高さんと同じ年だったんだな。


ポジティブな言葉を探してみた。

1月11日(月)の朝日新聞別刷のEduAに池上彰さんが参加されたシンポジウムの記事がありました。そこにあった池上さんの言葉。

「現代の状況と似たものに、14世紀にヨーロッパで流行したペストがあります。ヨーロッパの人口の3分の1が亡くなったといわれ、これをきっかけに当時の教会の権威が失墜し、ルネサンスにつながりました。また、100年ほど前にはスペイン風邪というインフルエンザが第一次世界大戦によって広まり、戦況に影響しました。新型コロナウイルスも、日本と世界の歴史を大きく書き換えようとしています。しかし、悪いことばかりではなく、ペストの時は今と同じように劇場が営業停止になり、暇になったシェイクスピアが新たな傑作を書きました。大学が閉鎖になって、ケンブリッジから故郷に戻っていたアイザック・ニュートンは、家の庭で万有引力の法則を発見したとも言われています」






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