62.【読書32】『贈与論』プレゼントをもらったら倍返しする
こんにちは。八木原 悟です。
ご飯をおごったり、おごられたり。プレゼントをもらったり、あげたり。
これって不思議と人類共通の文化ですよね。
今日は、文化人類学シリーズ第二弾っ!
これであなたも文化人類学の虜になるでしょう。
本日ご紹介したい一冊は、こちら
『贈与論』
著者:マルセル・モース
出版社:岩波書店
マルセル・モース。代表著作の『贈与論』はポトラッチ、クラなどの交換体系の分析を通じて、宗教,法,道徳,経済の諸領域に還元できない「全体的社会的事実」の概念を打ち出し、クロード・レヴィ=ストロースの構造人類学に大きな影響を与えた。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%82%B9
昨日のファン・ヘネップの通過儀礼について記述したので、文化人類学の本、第二弾を公開します。
古今東西、人類の文化の一つに贈与という文化があります。なぜ、人類は贈与をする必要性があるのでしょうか?
モースは、アメリカ先住民族のポトラッチ(potolatch)という儀式を例に、贈与の仕組みを体系立てて説明しています。
図参考:http://www5b.biglobe.ne.jp/~geru/page018.html
この図を見ても、なんのこっちゃ?よくわからないかもしれません。
まあ、要するに、現代で言う「マウント」ですね。
相手にこちらから貴重なものを送ったら、相手はこちらに倍返し。気前よく振る舞うんです。
身近な例で言うと、バレンタインデーとホワイトデー、お歳暮、お中元、とかです。
最近ホワイトデーがあったから、ホワイトデーを例にします。
チョコを贈与されたら、その価値を何倍にして返礼しなければならい。
もし、もらったチョコよりも価値が低いものを贈ってしまうと、その男性は、女性から虐げられてしまいます。残念ながらその男性は、社会的に抹殺されてしまうのです。
相手のことが「好き、嫌い」という感情論ではなく、贈与論で説明が付きます。
このイラストの男性の困惑した表情がたまりませんね。全然嬉しそうじゃないですね。。。
こうしてみると、IT技術やAI、ドローンとかの未来技術の発展で、人類って進化していると錯覚してしまいます。
しかし、1000年前も1000年後も、もしかしたら、人の感情や行動は進化しない不変なものであるかもしれません。
贈与は、スーパーコンピューターやロボットには、再現できない「非合理的な感情やコミュニケーション」の部分かもしれませんね。
文化人類学って面白いですよね。
時代は変化しても、不変なものがあるんです。
せっかくなので、明日は、古来日本の風習【予祝とお花見】について、論じてみます。
つづく。
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