「叶とわ子・外伝」 女王まりか さま 著
はじめに
女王まりか様。
ご本人には、「キモッ!」と言われるに違いないと思いますが、私は、この方から「スキ」を頂いた、という通知が来ると、心がときめくのです。
次に、ほとんど毎回「コメント」を頂いた、という通知も来るから。
現在は、お時間を見つけてもらって「W.I.A.」を読んで頂いておりますが、そのコメントには、ほぼ必ず「質問」がついてくるのです。
これは、私がものすごく楽しみに、そして大切にしている時間です。
以前にどこかで、「私の作品には仕掛けがしてある」と書いたことと思います。
その「仕掛け」を見破って、「ここはどうして?」「これは何ですか?」と質問をぶつけて来て下さる。時には、文法や表現の仕方にまで、質問が及びます(校正もしていただいております・・・スミマセン)。
元より、それが望みで「仕掛け」をしているわけなので、こちらはとても嬉しい気持ちになります。書き手冥利に尽きる、と感じずにはいられません。
なんかこう書くと、まるでこちらが、女王まりか様を手の平で弄んでいるように感じられるかと思いますが、まったく違います。
こちらが、「なるほど・・・。」「確かに、そういう見方もある。」と、舌を巻くような視点と見解をお持ちで、驚かされることの方が、実は多いのです。
自分でも意識してなかったことを、あらためて考えさせられ、「よし、それならこうしよう」と、「新たな仕掛け」が生み出されます。
もし、「どんなやり取りが??」と思われた方がいましたら、ぜひ、コメント欄だけでもいいので、ご覧になってみて下さい。
おそらく、他の人から見たら、違う感想を持たれる方もいるでしょうし、「こういうの苦手」と思われる方も、それなりにいらっしゃるでしょう。
ですが、私はとても感謝しています。
女王まりか様は、私の「愛読者」であり、「先生」であり、「同士」だから(勝手に、そう思っている・・・)。
ちょっと長くなりますが、書かせて下さい。
まず、私たち(文章を公表する、読んでもらいたい方々)に欠かせない存在が「読者」です。
そして、「好きなことで生活を維持したい(商業作家を目指している、など)」と考えているレベルの書き手ならば、尚更のこと、強く意識しなければならないのが「読者」です。
「質問していただける」「指摘していただける」ことのありがたさが、どれだけのことか、おわかりでしょうか??
そのためには、まず「読む」ことをしなければなりません。
つまり、こういったアクションが起こる、ということは、少なくてもその方は、自分の文章を「読んでいる」ということです。
その上で、疑問に思った点や、「あれ?」っと感じた点を、教えて下さる。
こんなこと、普通はお金を出してお願いするレベルのことですよ?
そりゃ、そうです。お時間を使っていただいてるわけですから。自分のために。
なので「愛読者」であり「先生」と呼ばせていただきました。
ここまでして下さる方、他にいませんよ? マジで。
「頼んでもいないのに。」
「私には、そういうの不要」
そういう方も、いるでしょう。
もちろん、それを否定はしません。
「余計な影響は受けたくない」と言う気持ちは、わかります。
ですが、フォロワーが増えれば増えるほど、作品が世間に知られれば知られるほど、そうした環境に、自分と自分の作品が「曝される」ということをお忘れなく。
そういう方々に、私は聞きたい。偉そうに聞こえるかも知れないけど、そうじゃなくて、純粋に。
「何のために、書いてるの?」
って。
通りすがりの「スキ」と、お付き合いの「スキ」で満足です。って言うのなら、それはそれでいいけど、「もっと私の作品を読んでもらいたい」って、思ったからこそ、noteに、創作に時間を使ってるんだと思うんです。
だとしたら、「影響を受ける練習」をしておいても、いいんじゃないでしょうか??
その影響を、自分の中でどのように受け取り、消化して、次の作品に活かすすのか。
少なくても私は、「創作大賞2024」の期間中、女王まりか様を始めとした様々な方々から「影響」を受け、確実にレベルアップした、と言い切れます。
「あれ? 八神って、『影響与えたくない』とか言って、『感想は〆切後に書きます』って、言ってなかったっけ??」
そう思った方がいたら、あなたも私の「愛読者」です。
なんでかって??
もちろん、例えば、「八神にこんなこと言われた・・・はぁ・・・もう、書くの止めよう・・・。」とかで、応募そのものを諦めたり、「よし、ここ、書き直そう」と、作品のオリジナリティが損なわれてしまったり、そういうのを「恐れた」という側面が大きいです。
でもね、汚い話をしちゃえば、自分にとって自分以外は、全てライバルなわけですよ。特に、「創作大賞2024」の応募作は。
「敵に塩を送る」ほど、私は人間ができていない、それだけです。
あんまり認めたくはないけど、「そういう八神」も間違いなく、いました。
マイナス影響を与えるのは嫌だけど、かと言ってプラスの影響を与えてしまうと、自分の首を絞めかねない・・・。
なら、感想書くの、〆切まで待とう!
セコいねー!(死語)
ダサいねー!!(これも、死語)
でも、仕方ない。
だって、「にんげんだもの」
長くなってしまいました。
どさくさに紛れて、言い訳までしちゃいました。
それでは、本文、どうぞ。
本文
スピンオフ作品である
「叶とわ子・外伝」は、ファンタジー小説部門でエントリーされております。
全7話+あとがきで、全体文字数はおそらく4~5万くらいかな? 数えた訳ではありませんが、体感的には、それくらい。
感想を書くにあたり、もう一度あとがきまで通読させていただきましたが、私は、メモなど取りながら、ゆっくり目で読んで、90分で読了しました。
「読むの速い」とは言われる側の人間なので、60分~180分で読み切る方が多いかな、と思います。
タイトルが「人名」ですね。
そうです、これは「叶とわ子」の物語。
「誰??」
ってなりましたね??
前回、私が「創作大賞感想」を書かせて頂いた、pekomogu様の「心の雛」の登場人物が、本作の主人公、「叶とわ子」となります。
「心の雛」での、幕間を「叶とわ子」に焦点を当てて書かれております。
本編で語られなかった世界観や、裏側が、女王まりか様の「理科的視点」を通して語られます。
スピンオフ、ということになります。
全く視点の異なった、同じ世界
これは、「心の雛」を読んでいないと感じられないと思います。
まあ、スピンオフなのですから、ある意味当たり前なのですが、「どちらを先に読むか」で、もしかしたら印象ががらりと変わるかも知れません。
個人的には、やはりセオリー通り、
「心の雛」→「叶とわ子・外伝」
と読み進められることをオススメしますが、「これ、逆だったらどういう印象受けたかな?」と言うのは、すごく思いました。
読む方の性格や職業などによって、その印象も様々だと思います。
最終的に、
「ふんわりしたい」方は逆の方が、いいかも知れない。
と思いました。
「叶とわ子・外伝」は、ものすごくリアルです。
細部まで、きっちりと作り込んであり、このあたりは作者の人柄、そして豊富な知識から来るものでしょう。
「あとがき」にそのあたりが詳しく書かれておりますので、全7話を読了後は、「あとがき」を読まれることをオススメします。
さすがの情報量
作中に、「会議」の場面が出てきます。
私は、泣きました。
人間が、その生活の利便性を上げるためだけに、他者に対してどれほどの犠牲を払わせてきたのかを、ありありと見せつけられました。
もちろん、漠然とは知っておりました。
ですが、「あえて、深く知ろうとはしなかった」ことは間違いありません。
自分たちの利便性のためだけに、常に「見て見ぬふり」をしてきた事柄が、如実に描き出されています。
これは、効きますね・・・。
女王まりか様の「理科知識」が存分に発揮された、非常に情報量の多いパートで、「読み応え」があります。
「とわ子」らしい
「会議」を経て、とわ子の心情に大きな変化が出てきます。
でも、「心」ではわかっていても、「頭」での理解が追い付かない。
「感情」ではなく、「理性」で理解しようとするあたり、すごく、とわ子らしい、と思いました。
医師と言う職種で言うならば、「精神科医」ではなく「外科医」。
そんな印象を受けます。
私は自然と、手塚治虫先生の、「ブラック・ジャック」に登場する、「ブラック・クイーン(桑田このみ)」と言う女医を連想しました。
そしてなぜか、脳内で再現されるビジュアルが、
叶とわ子 = 桑田このみ
となりました。
(それまでは、米倉涼子さんだった・・・安直かっ!)
最後に、ある人物の元を訪れたとわ子は、その説得のために、もっとも現実的で、もっとも「とわ子らしい」手段を用います。
最後の最後まで、実に、とわ子らしい。
おこがましいことを言わせて頂ければ、
見事に「とわ子」を「描き」切ったな、と思いました。
「書き」ではないですね。
「描き」です。
少なくても私は、そう感じました。
ブレずに一貫して「とわ子」を描き出し、それを文字として書いた。
こう表現すれば、皆さんにもわかっていただけるでしょうか?
そもそも論ですが、「叶とわ子」は、女王まりか様の創作物ではありません。
pekomogu様が生み出した、言ってみれば、「他所の子」です。
それを、なぜここまで見事に、描き切れたのか・・・。
その理由は、あとがき、にありました。
おわりに
読み終えると、ちょっと「キリッ」とします。
「自分も、考えを改めなくちゃいけないんじゃないか?」
そんな気にさせられます。
「知った」以上、何かをしなければならないんじゃないか?
と。
人間が、「万物の霊長」という言葉を初めて使ったのは、一説によれば、周の文王の頃だとか。
受け取り方によっては、自画自賛もいいところで、もはや傲慢とも思えるレベル。
その結果、地球はどうなりましたか??
何種類の生物を、絶滅に追い込みましたか??
都合の悪いことからは、できるだけ目を背け、耳を塞いできた結果が、「現状」です。
気付いた以上は、何かしないとね。
だって、我々は、「万物の霊長」なのだから。
例によって例のごとく、極力、本文を避け、私が感じたことを中心に「感想文」を書きました。
ぜひ、皆さまの五感で、皆さまの「叶とわ子」を見つけていただきたい。
もう一度申しますが、こちらは「心の雛」の「スピンオフ小説」です。
つまり、「派生作品」ですから、「本編」を読んで頂かないことには、なんのこっちゃ? となると思います。
下記に、本編「心の雛」のリンクも貼っておきますので、そちらもご覧になっていただくことを、強くお勧めします。
ここまでお付き合い下さいまして、ありがとうございました。
ちょっといろいろ言いたいこともあり、文字数が増えました。
すみません・・・。
また、最後になりましたが、女王まりか様、執筆お疲れさまでした!
いろいろと、考えさせられる作品でした。
素敵な作品を、ありがとうございます!
「叶とわ子・外伝」の本編となる作品。「心の雛」
女王まりか様のトップページと他作品。
※ 書き終えてトップページに戻ったら、こんなお知らせが!
偶然にしては、できすぎじゃない??
今日からだって! 鳥肌出たよ!
これは・・・参加しないと・・・ねぇ??
あ、当然、みんなもだよ?(冗談)
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