見出し画像

これは、やはりいいものだ。

念願の本たちを手に入れた。

ヘッダー画像は借り物となりますが、以前からコンプリートしたいと考えていた、藤子・F・不二雄先生の作品集を全て手に入れることができました。

短編を含めた作品集となり、面白さだけではなく、その異質さ、闇の深さは、「これが本当にあのドラえもんを生み出した作者と同一人物なんだろうか?」と思うような作品が数多くあります。

この、いわゆる「異色SF短編」の存在を知らない人は、「笑うせぇるすまん」や「魔太郎がくる!」を描かれた安孫子先生の方が闇が深そうに見えるかも知れませんが、私は「絶滅の島」でF先生の闇に触れてからは、どう考えてもF先生の方が闇が深い、と考えております。

蠱惑的とも言える面白さ

今日は「アウトプット」は最低限となりました。
読み始めたら、止まりません。

午後2時くらいから読み始めて、気が付いたらこの時間(23時)です。
途中で我が家の娘たちにご飯と水を出した後は、四時間ほどぶっ続けで「インプット」しっぱなしでした。

自分の肉体的に必要なエサは摂らず、心のエサだけを貪り食ったような印象です。

さきほど、レジェンドさんからのDMがなかったら、まだ読み耽っていたことでしょう。

それほどに蠱惑的で、引き込まれます。
ぶっちぎりで、面白いです。

抜群の構成力

私などが語るのは、恐れ多いと重々承知の上ですが、言わせてください。

とにかく、作品の構成力がずば抜けています。
画面に余計なものが一つもないのです。

「引き算の美学」を心掛けていらっしゃったと、どこかで聞いたことがありますが、まさにそれ。

短編の苦手な私が、まず書けるところまで書きたいことを書いて、それから中身を削って研ぎ澄ますようにしたのは、この藤子先生の言葉によるところが非常に大きいのです。

もちろん、「質と域」は比べるべくもないほど稚拙ではありますが、とにかく少しでも近づきたい一心で、続けています。

趣味的知識の豊富さ、わかりやすさ

カメラの話が多くあります。
大のカメラ好き、写真好きであったと言われておりますが、それを裏付けるような様々な「夢のカメラ」が数多く登場します。

また、プラモデル、ジオラマ、ラジコン、鉄道模型など、とにかく趣味の知識が幅広く、奥深い。

そういう話が出てくると、とたんにコマは文字だらけとなります。
こういうところに共感を覚えて、作品を読み始めた方も多いのではないでしょうか?

そして、その解説がまたわかりやすい!
撮影の方法などは、子供でも簡単にわかるような解説がされており、まさに適確なのです。

一見すると簡単なように思えるかも知れませんが、そもそも「人に教える」ということは、極めて難しいことです。

それを、「大人が、子供にも分かるように」説明することの難しさは、お子様を育てた経験がある方なら、身をもって体験していることでしょう。

それを、文章と動かない絵だけで、実現しているのです。
これは、本当に驚く能力と言うほかありません。

「最初のSF」としての最適解

藤子先生は、「SF」を「サイエンス・フィクション」ではなく、

「少し、不思議な」

と訳されております。

この言葉が、どれだけピッタリと当てはまるか、読んだことのある方なら誰でもがそう思うに違いありません。

お子さんが「最初に触れるSF」として、藤子先生の作品は最適ではないか、と常々考えておりましたが、その思いは、今日まさに確信に変わりました。

全ての作品は、私が小学生の頃に出会い、少なくても今までに5~6回は通読した作品ばかりですが、大人になってなお、色褪せた感じが全くなく、ページを繰るたびに新たな発見と驚きを与えてくれます。

成長に伴い、「視点」が変わり、社会に出てみて初めて気付くような伏線まで張られております。

読むたびに、その「深さ」にため息の出る思いです。

「漫画の神様」が恐れた天才

「漫画の神様」と言えば、手塚治虫先生ですが、その「神」が恐れた天才が藤子不二雄(両)先生です。

そもそも単独でも天才と言える二人が、コンビを組んだのです。
そりゃあ神様だって恐れるでしょう。

作品には、至る所に伏線が張られ、爆発的なギャグが仕込まれ、時折少しHな描写もあります。

また、数々の名言も忘れてはいけません。
ドラえもんが語る戦争の真理は、今でも「まったくもってその通りだ」と深く感じ入るものです。

その全てが、驚くほどの高次元でまとまって、一つの作品を形成している。
同じ漫画家として、手塚先生が恐れを抱く気持ちが垣間見えるような気がします。


おわりに

半分ほどを読み終えたところで、感動に浸ったままでダガダガとキーボードを打ちました。

今回は藤子・F・不二雄先生の話でまとめましたが、私は安孫子先生の作品群もほとんどコンプリートしていることを申し添えておきます。

私の中で、「漫画家」と言えば、藤子不二雄(両)先生は、並び立ってのナンバーワンなのです。


それでは、再び「少し不思議な世界」に心を遊ばせに戻りますので、今宵はこの辺で。

ごめん遊ばせ・・・。


※ あくまで個人の感想です。


おやすみなさい。
良い夢が見られますように✨✨✨



#読書感想文

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集