Photo by hidemaro2005 三つ子の魂百までも(6) 1 ボーン 2022年6月28日 07:03 6チラシにはこの様に書いた。[お悩みの方に朗報です。あなたの悩み事をご相談ください私達がお手伝いします。但し女性限定です。]と先ずは女性にアピール。[私達、探偵事務所を創設しました。昨今女性が悲しむ事件が多くなる中、私達に相談していただけるならば、きっと良い方向に解決出来ると確信しております]と、誇張めいた表現だが、これ位は許されるであろう。[ストーカに遭って困っている方。夫の不倫、恋人の浮気。詐欺被害に遭われた方、ご遠慮無く私達に相談して下さい。尚、貴女の秘密は厳守します]と、後は住所と電話番号、代表者名を書いて置いた。これを街で女性限定で手渡しするのだ。後は、お客を待つだけである。何しろ、実績が殆ど無い探偵事務所に人が集まるかどうかは、分からないし、不安であったが待つしか無かった。チラシは1000以上作くりそれを手渡したのだが、女性限定にしたのは、どうだったか分からない。男性に嫌われるかも知れないが、一か八か掛けてみた。探偵と言う言葉の響きに僕は、子供頃から憧れをいだいていた。探偵と聞いて思い浮かべるのは、やはりコナンだ。次に、シャーロックホームズ。難事件を颯爽と解決して行く姿は、子供頃からの夢であり、現実に、僕は探偵となる事が出来た。と言っても、まだ仕事はしたことは無くただ、チラシを配っただけである。この3日間は、チラシばかり撒いていた。そして、私が探偵事務所に勤めから初の依頼があった。その電話、突然掛かって来た。私が此の事務所に来て初めて聞いた電話のベルだった。私は、電話番号は知っていたが、電話の存在には気付かなかった。最近、置き電話は少ないしあまり必要では無い。電話に出たのは、裕美さんだった。裕美さんは電話の応答が上手く、聞いていて安心できる話し方であった。来店した女性は40代始めの方で、少し化粧が強かった。見た目は、セレブな女性である。出迎えたのは、代表でお互いの自己紹介のあと、本題の相談に入った。二人はいつものソファーに対面する形で腰を下ろした。僕は、少し離れた場所にある椅子に座わった。ソファーと僕の座っている場所の間にはつい立てがあり、見えない様になっている。しかし、声は聞こえる。二人の声を、関心を持って聴いていた。「どの様なご用件でしょうか?」「何でも調べてくれるのですか?秘密は守られるのですね?」と、少し不安と焦りのある言い方をしてきた。「私どもの出来る事でしたら、ご協力いたします。また、個人の秘密は厳守させていただいております。」と、代表は先ず依頼者の不安を取り除く事から始めた。「調べて頂きたいのが、夫が浮気しているかどうかなのですが、浮気は確実しています。その証拠を掴んで頂きたいのです。」と、今度は不安を持った言葉では無く、自信のある喋り方であった。「旦那さんの浮気の調査依頼ですね。分かりました。奥様、此の様な案件はよくある案件でして、さほど珍しくはございません。本当に男って仕方無いですね。」と代表は、依頼者に寄り添い安心させる様に言った。(後の話は割愛します。あくまでも個人情報なので。)そう言う事で、最初のお客の依頼は浮気調査だった。余り読まれていませんが、懲りずに掲載。 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #連載小説 #探偵 #売れないKindle作家 #懲りずに掲載 #読んで下さい #Kindle発売予定 1