Photo by hidemaro2005 三つ子の魂百までも(9) ボーン 2022年6月30日 05:49 9「顔は、----。ここに似た人がいるのです。もしかすると、その男かもしれません。」「その男って。ここには男は一人しか居ませんが?」「でも、その男に似ているのです。瓜二つみたいに、似ているのです。」僕は、その言葉を聞いて唖然とした。ストーカーなどしていない。アリバイだってある。僕は、どの様な態度をとって良いか分からなかった。裕美さんは不思議そうに、僕の顔を覗き込んだ。「でも、顔は似ているのですが、体格が全く違うのです。あちらの男は、細身ですが、こちらの人はガッチリしてます。メガネも掛けて無いですし、別人にも見えるのです。」「別人だと思いますよ。杉田は、午後5時は事務所に居ますし、此の一ヶ月は仕事で、デパートに行く事は出来ませんでした。」と、代表は僕のアリバイの証明をしてくれた。「そうですか?他人の空似ですね。」「今回の場合は、ストーカーの人も分かっていますし、調査は簡単だと思います。先ずはその男の身元を調べて、あまりしつこければ、警察に相談、または弁護士に相談し法的に処置するかどうかを決めましょう。」「そうですか、別人なのですね。さっき見た時、びっくりしました。調査は簡単ですか?良かったです。これで解決したら良いのですが、----。お値段はお幾らになるのでしょうか?」価格の相談があった後、美乃は了解してくれた。僕は代表に呼ばれ、美乃に紹介された。「私の名前は杉田公一と言います」と言いながら名刺を差し出した。美乃は不思議そうに、僕の顔を見ながら言った。「本当に似てますね。体格は違いますが、顔はそっくりです」「そういえば、私の大学時代に私と同じ顔の人がいました。もしかすると、その人かもしれません。私としては、複雑な気持ちですが、--。でも、私では無い事が分かってもらえて嬉しいです。」「すいませんでした。疑って。宜しくお願いします。」と言って美乃は手続きを終え帰って行った。「本当は、コーちゃんじゃ無いの?」と裕美さんが、からかう様に僕に言ったが、代表は真顔で「あのチラシの成果で最近は依頼者も増えたね。今回はストーカーだし、相手も分かっているので、楽だとは思うけど。油断しない様に、打ち合わせは明日叔父さんが来てからします。これだけ忙しくなったら、私、キャバ嬢を辞めないといけないね」と嬉しそうに言った。「そうですね。直美さんは、キャバ嬢よりも探偵の方が似あってますね。」「じゃ、私は何が似合っているのよ?」と裕美さんが、少し妬いた様に聞いてきた。「裕美さんは、---。女優さんです。剛力彩芽に似てるし。」と言葉に詰まったが、無難に答えておいた。僕も、大人になったみたいだ。ということで、今日の日は終わった。懲りずに掲載。売れないKindle作家読んでいただければ、ラッキーついでに、コメントもらえればもっとラッキー ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #連載小説 #売れないKindle作家 #お笑い小説 #お茶漬け小説 #懲りずに掲載 #Kindleで販売予定