Photo by 55danyl 霊が撮れる例のカメラ(4) 3 ボーン 2023年7月29日 19:44 4「何で判るのですか?」「だって、恨みを持っていたら、写真撮られる時にピース✌️のポーズとらんだろうし、女性は化粧をしてるんだぞ。普通、せんだろう。そんな事。きっと、霊達も嬉しかったんだろうな。久々の写真を撮られるので。これからは、君も一人暮らしでは無くて賑やかになるな〜」と、至った能天気な発言だ。僕も、一人暮らしでは無く誰かが居てくれると思うと孤独感は消えるが、側にいるのは幽霊である。複雑な心境だ。「もっと修行を積むと、心霊がはっきりと見える写真を撮る事ができるぞ。これが出来たら、君は一躍有名プロのカメラマンだなぁ。」と、僕に理解不明なことをあっさりと明るく云う店主。「あの〜、さっきから気になるのですが、修行って何ですか?どの様にしたら修行になるのですか?」と、訝しい想いで聞いてみた。「修行ね。 修行の仕方は色々あるよ。一番簡単なのは、曰く付きの心霊写真スポットで写真を撮る事だな。」と、さらりと云う「いつ撮るのですか?」と、不安げに聞く僕。「いつ撮るって決まっているだろう!幽霊のいる時間帯だよ。普通は丑三つ時でしょ。」と、平然と云う店主。「丑三つ時って、夜中の2:00〜3:00頃ですか?」と、僕は慄いている。「そうだよ。正確に云うと2:30頃だな」「そんなの夜中に行くのは、無理ですよ。そんな事出来ないし、怖いじゃ無いですか!で、何処に行けば良いのですか?」と、僕は慄きの余り支離滅裂の反応をしてしまう。「おっ、やる気になったかい。その様な怖い所で修行を積む事が最も、成長できるんだっ、ぞ!場所は、そうだな〜・・・・」と、店主は顎髭を触りながら少し考えて、「う〜ん、ここの⭕️⭕️公園が良いかな。此処からは割と近いし。そう言えば、此処で以前、殺人事件があったんだ。女性が殺されて、犯人は未だ捕まっていないな。此処なら、多くの幽霊に会えそうだな。」と、発見したかの様に⭕️⭕️公園を指定してきた。「え〜・・いつ殺人事件があったのですか?知らなかったな・・・。此処って多くの幽霊がいるんですか?本当に?昼間は怖く無いけどな〜。」「殺人事件があったのは、今から2年ぐらい前の事だ。犯人の手がかり無いし、まだ何も判っていない。このカメラで写すと、何かの手掛かりが写るかも知れない。と、私は期待しているんだっ、ぞ!」「何かの手掛かりって、何ですか? 犯人の人が写るとかですか?そんな馬鹿な事は無いでしょう。写る訳が無い。」と、僕はきっぱりと否定した。「君には未だ言っていなかったが、・・・・・」と、店主は、ここで言葉を止めた。「何ですか?僕に言って無い事って。言ってくださいよ。気になるでしょ!」と、懇願する僕の言葉を無視するかの様に、「まあ、そのうち判るよ。今云うと君が怯えるかも知れない」と、あっさりと言う。「ちょっと待って、チョット待って。言ってくださいよ」しつこく懇願する僕を差し置いて、店主は請求書を出して来た。現像代 二枚100円写真代 二枚300円合計(税込み)440円 であった。僕はお金を支払い、店主の顔を恨めしげに見た。「そんな、瞳をして見つめないでよ。今度心霊写真が撮れた、絶対にカメラの賞を取ること間違い無いよ。知らんけど」と、相変わらず能天気だ。そんな店主を横目で見ながら、僕は帰宅の途に着いた。僕の周りには霊達がいると思うと、怖い様な寂しく無い様な変な気持ちである。霊達とお喋りがしたい。……いつも、独り言ばかりじゃつまらない。……と、変な事を何故か考えていた。https://note.com/yagami12345/n/n2b3fa14adc07 ダウンロード copy #ホラー #幽霊 #殺人事件 #売れないKindle作家 #店主 #能天気 #コメディホラー小説 #霊達 3 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート