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だろう温泉(420字の小説)#毎週ショートショートnote

雑貨店で不思議な食べ物[可笑しなお菓子]を
購入した私は、家に帰るとすぐに食レポに掛かる。
これが「弁天」で無いのは明らかではあるが、
この[可笑しなお菓子]とは如何なるお菓子か?
非常に気になる存在でもある。
…これを食べるとどの様な気分になるのか?…
紙箱を破き、出てきた物は
茶色クッキーが一枚。
丸い形で5cm位の物。
これで2000円もしたのか?
と、腹立たしい想いではあるが、
これを食べて記事にすれば、元は取れる。
また、インチキなお菓子でも記事にはできる。
一口食べてみると、美味しいではないか!
口の中に広がる甘みと苦味がマッチして
癖になりそうな味覚。
食べてみたのだが、次が欲しくなった。
だが、紙箱には「食べ過ぎに注意」と書いてある。
これくらいで丁度いいみたいだ。
暫くすると、何だか身体がほんわかと温かくなってきた。
不思議な事に旅行の気分に!
そして我が家が旅館の様に見えてきた。
楽しい!
お風呂に入れば温泉だ!
ここはだろう温泉
そう僕の名前は、太郎である



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