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かもしれない弁天(410字の小説)毎週ショートショートnote


ある都市伝説に不思議な食べ物があるという。
それは、「弁天」と言う天ぷら。
この「弁天」を食べると、
「話芸が上手くなり
笑いのスキルも上がる」との事。
お笑い芸人には、一度は食したい「弁天」。
だが、どこの天ぷら屋に行っても「弁天」は無く、
幻の天ぷらでもある。
食レポを生業とする私にとって、「弁天」
は気になる存在。
「必ず見つけ出す」との想いは、
日に日に強まっていく。
そんなある日、知人から
「ある店で不思議な食べがある」と
聞き私はその店に出向く事にした。

店の中は、さほど広くも無い。
それに、天ぷらなど無い雑貨店である。
店の商品を見渡していると、揉み手をしながら
小柄のデブ男が近づいて来る。
愛想笑顔を振り撒きながら、やって来る。
「お客様、何をお探しでしょうか?」

「不思議な食べ物があると聞いたのですが?」

「これでしょうか?」
と、紙箱を差し出して来る。
紙箱には[可笑しなお菓子]と、表示されている
天ぷらでは無いが、これかも知れない弁天?


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