Photo by maki_memo ある天才科学者の幽霊(5) 3 ボーン 2023年1月25日 21:59 5朝、裕美は不思議な夢を観た事を思い出しながら、ベッドから離れる事はしなかった。今朝、観た夢は何だったのだろう。夏の日差しは、寝ぼけた目に容赦無く降り注ぐ。「不思議な夢だった。新美さんが何故私の所にきたんだろう?確か、新美さんのはずだ。会った事もない人が、何故私の所に?私の霊感が、新美さんを呼んだのだろうか?あの夢が事実なら、新美さんと、石川医師の事は解った。」と、裕美は寝ぼけてはいるが、自分の考えをまとめることが出来た。だが、姉には話す事が出来ない。公ちゃんに話を聞いてもらおう。新美は、霊界に着くと直ぐに館長の元に行った。真実を告げようと思っていたのだが、そのまま、伝えてしまうと、次回下界にはいけなくなるかも知れない。ここは、曖昧に報告しようと決めた。「ただいま、帰りました。」と、私は元気よく館長に挨拶をした。「ご苦労様。どうだった?久しぶりの下界は、懐かしい人に会えたので、良かったね。あれだけの熱烈の手紙は最近読んだ事がないよ。 君の恋人かい?」恋人?館長は私の手紙を読んだみたいだ。私はどの様に応えていいのか解らなかったが、事実を話すのは、控えた。「何だかよくは解らなかったのですが、彼女は私に会えて大変喜んでいました。次も会いたいそうです。」「そうか!君にそんなに会いたい人がいるならば、許可書を取ると良いよ。そうしたら、いつでも下界に行けるよ。ただし、下界に降りて行っても、霊感の強い人としか、交信は出来ないだけどね。」「許可書ですか?初めて聞きました。どの様にすれば、取れるのですか?」「取る為の条件は、会いたい人との関係が明確で、相手に危害を与えないのが、条件だよ。時々、恨んだ相手に危害を与える為に許可書を求める霊があるけど、それをすると、下界で自縛霊になってしまう。幽霊は、人に危害を加えては駄目なのです」私は、幽霊が人に危害を与えてはいけない事に驚いた。生前中は、幽霊は人を呪い危害を与えるものだ!と、想い込んでいたのだ。だが、生前中は幽霊の存在は否定していた一人でもあるが。「そうですか?幽霊は人に危害を与えてはいけないのですね。では、人の道を踏み外した人を、咎め教え諭す行動は許されますか?脅かしたり、呪ったりしなかったらいいでしょうか?」「それは、閻魔大王の判断で決める事で、私には解らないのですが。一度、許可書の申請をしてみたらどうですか?すぐに、結果は出ますよ。」と、言って館長は消えて行った。私は許可書を書き申請すると、直ぐに下界に行く許可が降りた。許可書の内容は、割愛するが私は生前から人の心を撃つ文才があった。閻魔大王の心も、私の文才には心が揺り動かされたのであろう。これでいつでも私は、下界に降りられる。タクシーも自分の都合で行き帰りを決められる。「私は、自由を手に入れた!」と、叫びたい気持ちであった。 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #幽霊 #ホラー小説 #売れないKindle作家 #閻魔大王 #下界 #どうでもいい話し #ほら小説 3