私は誰⁉️(14) 6 ボーン 2022年11月6日 11:39 小説 私は誰⁉️(14)早紀さんは、「大学時代のサークル仲間と連絡を取ってみる。」と言って私と別れた。人を信じる事のできない、辛さをあらためて実感した。早紀さんが、本当に大学時代のサークル仲間である事を、素直に信じる事が出来ない自分自身が残念であり、人の話を疑いながら聞くなんて、おそらく今までの人生で多くは無かったはずだと思う。それが此の何日間は、絶えずそうである。妹を疑い、両親を疑い、また大学時代の友達をも疑う。私に絡んでくる人を私は信用して今後、話が出来るのであろうか?信じる事が困難な事を思うと悲しくなった。人が生活をするにおいて、無意識、意識に関わらず、信頼、信用から始まる。それが不信から始まっては生活など出来ない。街の中を歩いてみても、何一つ思い出すものは無かった。ただ、太った女性が連れていた犬だけ、何故か心に残った。途中で妹と別れ、私は一人部屋に戻った。部屋の中を観察するためだ。妹がいたならば、監視カメラや盗聴器の隠し場所を探す事ができない。だからと言って、監視カメラをあからさまに取り除いては、相手に私が気付いた事がバレてしまう。相手に気づかれる事無く、カメラの位置を変える。部屋を見渡すと、カメラの置いてありそうな、場所にはカメラは見当たらなかった。と言うよりも、私は、隠しカメラの形状をよくは知らない。「カメラです。」と訴えてはいないだろう。また、一人で帰ってきた理由は、自分の痕跡を探す為でもあった。自分は何を好み、どのような物を使っていたのか、興味があった。おかしな話である。よくある話で「自分探しの旅行」という言葉は聞きた事があるが、「自分探しの、部屋探し」という言葉など聞いた事が無い。先ずは、本棚を見た。何冊あるのか、数えられないがかなり有る。本の種類は、小説がありそのジャルも様々だ。推理小説、歴史本、将棋の本、恋愛小説、夏目漱石の坊ちゃん、数えたらキリがない。ただ、専門書が無いのに気づいた。私はエンジニアとか言われていたが、その専門の書籍が無い。野球の雑誌はあるのに不自然だ。ベースターズの本がある所を見ると、ベースターズファンか?次に、服を見て見た。背広、セーター、ジャンパー、トレーナーパーカー、等いろいろあったが、色は地味目だった。僕は地味な事を好むタイプみたいだ。食器は綺麗に洗ってあり、整頓もされていた。僕は几帳面?だったみたいだ。冷蔵庫には、物が入っていないが、ビールが三本あった。酒類はビール以外に無く、酒に強くは無いみたいな気がする。現金や貯金通帳を探した。金庫らしき物は無い。仮に有ったとしても、鍵もわからないし、暗唱番号もわからないであろう。まさに、僕は暗礁に乗り上げた感じがした。一体僕は、貴重品をどの様に管理していたのかも分からない。部屋の中を観察しながら、隠しカメラを捜索していた。テレビの横に不自然に花瓶が置いてある。よく見るとソファーの辺りの前に位置する。怪しい、と直感した。花瓶を手に取り見て見ると、カメラらしき物が、嵌め込んでこんある。(これだな、隠しカメラは)と思って、対処法を考えた。花瓶の場所を変えよう。玄関の靴箱の上に乗せて置いた。これなら、不自然に思われない。他にも無いかと探したが、見当たらない。何故、隠しカメラがあるのか、不信はドンドン深まっていった。私は誰何だ⁉️泣きたくなるくらい辛い。 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #小説 #お笑い #サスペンス #ユーモア #どうでもいい話 #売れないKindle作家 #連続 #記憶喪失 #読んでも為にはならない 6