
Photo by
kohrogi
紅一点の魔物(2分で読める小説)
魔物とは、男女の性別が無い。
魔物とは人に憑依するのだ。
性別の無い魔物達であるが、
女だけに取り憑く魔物が居る。
魔界ではその様な魔物を
「紅一点の魔物」と呼んでいる。
その魔物とはどの様な魔物かというと、
魔物界でも嫌われ、恐れられ、群れを好まず、
権威権力に屈しない、そうあのドクターX
と同じ、わがままな魔物なのだ!
その魔物の生き方は、自分のスキルのみを磨き
取り憑いた相手は必ず不幸のどん底に落とし込む。
魔物界最強のスキルの持ち主。
「私、失敗しないので」と、言い放ち
相手を必ず不幸にする。
あの言葉は奴の専売特許の言葉なのだ。
それを無断で使った大門未知子。
そうドクターXをあの魔物は許さなかった。
当然、ドクターXに取り憑く魔物。
魔物に取り憑かれた人間は、体調に変化が出る。
それは人それぞれ違うのだが、
大門未知子の場合は、非常に女らしくなってきた。
あの自信に満ちた言葉や上司を上司とも思わない態度が
改善されたのか、非常に塩らしくなって男性から認めれる様になってきた。
ましてやあの美貌である。
大門未知子は男性にモテモテ。
優雅な日々を送る。
手術の腕も落ちることも無く、
医師としても、人間としても立派になっていた。
焦ったのは、あの魔物だった。
「何故だ!私が取り憑いた人間は全て不幸に
なっているのに!私、失敗したのか?」
と、弱気になる魔物。
それを別の魔物が、閻魔大王に報告する。
「閻魔大王様、あの紅一点の魔物が、
こう言ってんです。
『私、失敗したんで』と」
「紅一点の魔物が、こう言ってんのか。
『私失敗したんで』と。
善きかな善きかな、奴も大人になるじゃろう。
そうで無いと、私の立場が無い」
どこの世界も縦社会ですね。
上司は変な部下を持つと辛いですね。