Photo by ekonakamura 三つ子の魂百までも(12) ボーン 2022年7月2日 05:05 12モテる男は辛い。二人の女性から告白されても、私の性格では、二股は掛ける事は出来ない。と思いながら、裕美さんと美乃さんを観ていた。「ところで、コーちゃんは、何故、加藤君がコーちゃんに似ているか調べたの?双子じゃないの?」「本当に似てますね?双子みたいに」と、美乃さんは相槌を打つ様に、不思議がった。「まだ、調べて無いけど。」と、会話している時に、代表の直美さんが帰って来た。直美さんは、キャバ嬢を辞めて、探偵の業務だけに専念している。直美さんは、三浦さんに挨拶をした後、「案件が解決してよかったです。ストーカーの人も、悪人では無さそうと、内の杉田も言ってましたし、大丈夫だとは思いますが、油断はなさらないでくださいね。何か不都合な事がありましたら、ご相談ください。法的処置も考えますので」美乃さんは、笑顔を見せながら頷いた。裕美さんが、「お姉ちゃんはどう思う?コーちゃんと加藤さんが、双子と思う?ねえ、どう思う」と、ねだる子供の様な聞き方である。「そんな事は、公一君が考えればいいことです。裕美には、関係がないでしょう。」と妹を叱る様に言った。流石はお姉さん。直美さんのこう言う所が僕は好きだ。「じゃ、一度両親に聞いてみます。僕が双子かどうかを?」「聞いてみて、聞いてみて!絶対に聞いて」「なんで、そんなに気に掛かるの、裕美さんは?」と僕が尋ねると「だってね〜。気になるよね!」と言いながら、美乃さんに同意を求めるように、美乃さんの顔を見た。少し間があって「うん、気になります。」と同意してる。そう言う事で僕は両親に聞く事になった。と言っても、両親とは離れて暮らしている。僕は、一人っ子で兄弟など居ないのは明白なのだが、加藤君があれだけ似ているのは、気になる。久しぶりに自宅に電話をした。呼び出し音が、数回鳴った後「はい、杉田ですが、」と母の声が聞こえた。「俺、おれ、だけど」とふざけて言った。「俺では、分かりません。どなたでしょうか?」母親はしっかりしている。俺俺詐欺には引っかかる事は無いかと思っていると。「公一でしょ。ふざけて無いで、名前言いなさい」と怒られた。「お母さん、僕の名前言っては駄目でしょ!俺俺詐欺に引っかかるよ。絶対にお母さんから、名前を言ってはいけないよ!」と注意しておいた。だが母親は、その言葉を無視するかの様に「久しぶりね。どうしたの?仕事は上手くやってるの?...そう、良かった。恋人とか出来ないの?...もう、そろそろ結婚の時期でしょ。最近ね、..。」と、どうでもいい事を、喋り出した。適当に、相槌を打った後、僕は「お母さん、最近 僕とそっくりの人と会ってのだけど、皆んなが、『僕とその人は双子では無いか』と言うんだけど、僕って双子なの?」こんな大事を、さらっと聞く僕って一体何者?と自分で思いながら聞いた。母親は何も喋らない。あれだけ話していたのに、急に喉が詰まったみたいに、黙ってしまった。「どこで、会ったのその人と?」と急に言葉のトーンが下がった。「一回目は、大学の入学式で二回目はつい最近。」と僕の声はハイトーン。でも気持ちは複雑。母は、「他人の空似かな〜?」と少し曖昧に誤魔化す言い方である。私は、こう見えても探偵の端くれ。鋭い洞察力が働いた。双子かどうかを、親ならば知っているのに、この言い方は変である。双子で無いので有れば、明確に否定できる筈でる。だが、ここで母親を問い詰めるのはやめよう。電話だし、複雑な事情も有るかも知れない。と、思ったが、「空似ぐらいじゃ無いよ。そっくりだよ」明らかに問い詰めている。「公一、御免。お客さんがきた。電話切るね」と言って、一方的に切られてしまった。この態度は明らかに、不審。もしかすると、僕は双子かも知れない。懲りないでまたもや投稿売れないKindle作家 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #毎日投稿 #お笑い #連載小説 #ユーモア #売れないKindle作家 #時々投稿