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三つ子の魂百までも(8)
8
女性の名前は三浦美乃。年齢は25歳。現在あるデパートで化粧品の販売をしている。最近、美乃は異様な目線に気が付いた。
それは、毎日の様に美乃の販売している化粧品売り場に男が来て、異様な目つきで美乃を観ていると言うのだ。
その目は何かを訴えているみたいで気持ちが悪く、閉店時まで美乃を観ていると言う。
注意したくても、何と言って良いかわからない。
どこの誰かも分からない。
今後その男が、何をしてくるのかと思うと不安でたまらない。
と言う事を美乃は、代表に告げた。
代表は頷き、美乃に同調するかの様に聞いていた。
「その男は毎日来るのですね。」
「ほぼ、毎日です。時間帯は5時過ぎから閉店までです。
何も言わずにこちらを見ているのです。友達に言っても、
『貴女の事を好きなのでしょう』と言われてしまう。
上司も『そんなの気にするな』と言うのです。」
「いつからその男はくる様になったのですか?」
「半月ぐらい前です。」
「その男は、何も貴女に言って来ないのですね。告白も無いのですね。」
「何も言ってこないです。だから余計怖いの。
この前、私がその男に聞こうとしたのですが、そいつ逃げて行きました。」
「逃げて行ったのですか?」
「そう、逃げて行ったのです。だから余計に不安で、--。」
「それはいつの事ですか?」
「一週間前ぐらいです。何故逃げたのか?分かりません。」
「その男の特徴を教えていただけますか?」
「身長は私より背が高そうなので、170cm以上はあると思いますが
180cmも無いと思います。メガネを掛けています。
体格は痩せている様に思います。顔は、----」
と言いかけて、美乃は言葉を飲んだ。
「顔は、どうしたのですか?怖い顔ですか?それとも、不細工な顔ですか?」
美乃の言葉に僕は注目した。
私の隣にいつの間にか、裕美がいた。
裕美も美乃の言葉を待っていた。
懲りずに今日二度目の掲載