(新)三つ子の魂百までも(最終回)

28(最終回)

「ふふふふふふ😏それは私が貴女に取り憑いているからよ
ふふふふふふ😏もう、貴女の思い通りにさせないわ」
皿子は勝ち誇るかの様に妖怪に言った

「何よ、このブス女。私の顔を勝手に変えるな！
それに私から出ていけ！」

「🎵ちょっとそれは出来ない相談ね。
私は貴女を退治する為に取り憑いたのよ。聞くところによると、貴方は男を蒸発させてそれを自分のエネルギーしているのね。
このまま男が私の顔を見て逃げて行ったら、貴女は餓死するわね。
霊の私達は、エネルギーの補給なんて要らないから大丈夫だけど、
妖怪は大変ね。食べないと死ぬのね（＾◇＾）」
と、笑って見せた。

「お願いだから、私の邪魔をしないで！
お願いだから。私の邪魔したら神様にあなたの事言い付けるから。
解る？神の裁きを受けさせるわよ。」

「神？　神ってエコ贔屓の神の事？そんな奴知らないわ。
石をぶつけてやったわ。🎵あんた神の何なのさ？」

(🎵のところを節をつけて歌える人はかなりカロオケに精通している方で年配の人です)

猛烈熱女の妖怪が男を誘惑しようとしても、皿子の怖い顔を見た瞬間、男が全て逃げていくのであった。
そして一年が過ぎて行った。


「公ちゃん、最近ネットでは男が蒸発した事の書き込みが無くなったけど、よかったね。この事件は解決したのかな〜
最近、全く無いね。」
と、裕美さんが僕に話し掛けてきた。
「『警察でも何故か失踪の報告が無くなった』と言っています
この事件落ち着いたのでしょうか？」

「でも不思議なのよ。こっちのサイトにこの様な事が書いてあるのよ。」
と、裕美さんが僕にスマホを見せてきた。
そこの記事には
「男を呼び止め、脅かす怖い顔の女がこの一年ほど前から頻繁に現れている、との情報を得て取材班が調査したところ、
ある男性曰く　『可愛い声で呼び止められたのですが、最初は可愛い顔の女性が急に妖怪の様に変貌するのです。
僕、びっくりして逃げました。
あれほど驚いた事はありません』
次の人もおなじことを言っていました。
全国で各地で起こる、この奇妙な事件は一体何なんでしょうか？
去年の失踪する男の事件に変わり、今度は女が男を脅かす事件と
本当に不思議な事ばかり。
みなさんご注意ください」

と、書いてある。
本当に不思議事件だ。でも蒸発させられるよりは、
ビックリだけで済むのでまだマシかも知れない。

ところで、松田さん捜索の報酬だが、
裕美さんの希望通りに行かず、直美さんが1000万から大幅に減額して請求したとの事。
「息子さんが亡くなった事を知っては、心は癒されない」
と、言う理由から大幅減額であった。

直美さんの優しさを垣間見る想いであった。

残念がっていたのは、勿論　裕美さんだ！
だけど、裕美さんも心のどこかで納得していたのかも知れない。

真実を知る事によっての、失望や怖さを感じる事もある
だが、知りたいと想う探求心は人間なら必ずあるはずだ
本当に人間の心は複雑である。

今回の案件は成功であった。
仕事は全て完璧に終わらせた、と言って良い

だが、心には割り切れないものが残る
前回の矢部さんの失踪の時もそうだった。

「探偵の仕事は、辛く悲しいものだ！」
と、改めて想う杉田公一であった

　　　　　　　　　　　　　完

追伸
猛烈熱女の原案を頂いたモクセイシンワさんに感謝致します。

https://note.com/yagami12345/n/n546d97e0d04d