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待っている女(2)


2

青年のルックスは、お世辞にも美男子とは言えない。
芸能人で例えるならば、ウド鈴木に似ている。
人柄は良さそうであるが、王子様には程遠い。

(私の事は、ほっといてよ)と少女は言いたかった。
「どうしたの?お腹減っているのか?」
と、男は聞いてきた。
「俺の家に来ないか?飯でも食わせてやるぜ」
と、上から目線で、下心が見える。
「いらないわ、私待っている人がいるの。
あっちに行って。」
と、少女は気の強い女である。

「何だと!人が親切に言っているのに、此処で飢え死にしろ!
バカ女め!」
と、捨て台詞を残したまま、何処かに行ってしまった。

そのように言ったものの、待ってる王子様はまだ来ない。

どれくらい、時間が経ったのであろうか?
少女はそのままベンチで寝てしまった
ベンチの上で寝ていた少女に奇跡が起こったのか?
少女が気が付くと、見るからに気品を兼ね備えた一人の男性が少女を見ていた。
優しい目に人柄を感じさせている。
「目覚めましたか?王女様」
と、訳の解らない言葉を発してきた。

「私は、王女では無いです!ただの、娘です」
と、少女はその青年が自分を、からかったと想って、いつもと違う強い語調で言った。

「そうですか?貴女は何もご存じでは無いのですね。
王女様。貴女はエンペラン国の女王ですよ。」
と、またもや訳の解らない事を言われた。

「エンペラン国何て聞いた事が無いわ。私をからかって面白いですか?」

と、今度は怒って言った。

「では、私がその国に連れて行ってあげますよ。」
と無理やり少女を、車に乗せようとした時、見回りの警官に声を掛けられた。
男性は、身を素早く身を翻して、少女だけを残して車で去って行った。
あの男は、家出少女に如何わしい仕事をさせていると云う札付きの悪だった。




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