Photo by hidemaro2005 浦島太郎もびっくり⁉️(5) 2 ボーン 2023年2月10日 06:47 5私の記憶が蘇っていく中、私は今夜泊まる旅籠をさがしながら、歩いていた。初めての場所での旅籠探しは、困難を極め、未来では旅籠が無くなったみたいで、私は知らぬ間に裏の路地を歩いていた。だが、旅籠らしき所は何処にも無く、諦めかけている時に二人の男女が、手を繋ぎながら建物の中に入って行くのが見えた。あの二人の後を着けていけば、と云う想いに何故か駆られた。看板には「ホテル エンペラー」と書いてある。……何だろうか? ホテルとは!未来の旅籠か?……と、想いを持ちながら私は、その入り口の前に立った。すると、扉が勝手に開いた。……何だ?これは!誰かが引っ張って開けたのか?未来では、扉が自動的に開くのか!?……と、想いつつも二人の後を追って入って行った。二人の男女は、怪訝な表情を浮かべながら、私を見ているが、素知らぬ様で、何か選んでいる。……何を見ているんだろう?何故 女中は出て来ないのだ……と、思っていると、どこからか声が聞こえてきた。「お部屋をお選び下さい」誰が言っているのか?あやしい奴め。と思っていた時に、二人連れの男から声をかけられた。「お一人ですか?ここ、一人では泊まれませんよ」と、「一人では泊まれない?どうしてですか?」と、男に言ったが、男はそれ以上言うのが、わずらわしく思ったのだろう、女と一緒に部屋に入って行った。……未来では、一人では宿も取れないみたいだ……仕方なく私は、表に出ると、何故か女から声をかけられた。「お兄さん。遊ばない?」と、声を掛けられた方を見ると、化粧だらけのあの女だ!さっき、私を馬鹿にした女だ!だが、二人でないと宿を取る事ができぬならば、致し方ない。私はすんなりと女の言葉に応じた。「遊ぶと言っているが、何をして遊ぶのか?私は、旅籠を探している。聞いた話だと、二人でないと宿が取れぬと言われたが、それは誠か?」女は、笑いながら言ってきた。「あんた、いつの人?さっきも馬鹿な事言っていたし」と、私を見て嘲笑している。あの様な下人に笑われては、ご先祖様に申し訳が立たない。「おい、女!私を誰と心得ているのか?私はこう見えても武士であるぞ。今は世が変わって明治となったが、徳川様の世であったならば、お手打ちになっても仕方無いぞ!」と、強く女に向かって言った。今度は、女は驚き「あんた、本気で言ってるの?もしかして、タイムトラベラー?」と、聞き慣れぬ言葉を発してきた。「タイムトラベラーとは、何だ?私は日本人だ。会津の生まれだ!」「生まれた所は、どうでもいいんだけど。いつ貴方は生まれたの?」「私の生まれた年を聞いているのか?私は、安政2年の11月3日生まれだ。20歳だ!それがどうしたのだ。」「安政?だって。貴方、20歳なの?老けて見えるけど!それ本気で言っているの?」と、今度は真顔で聞いてきた。「老けて見えるんか?私は。どの様に見える?」「30歳には見えるわ。本当に20歳なの?」老けて見られた事に対して私は衝撃を感じたが、もしかすると、あの様な事が起こった為に歳をとったのかもしれない。「ところで、お兄さん。あんたお金持ってるの?」「お金?もしかすると、これか?」と、女にあの四角小さなカバンを見せた。女は、その中を見て、驚きながら言った。「何でこんなに持っているの?誰にもらったの?」と聞いてきた。この話をすると、長い話になってしまう記憶の蘇った私は、何も不安ではなくなっているのだがこの話をしても、誰も信じてはくれないであろうでも、誰かに聴いてもらいたい気持ちは、少しはあった。「ねえ、私と遊ばない。良い所連れて行ってあげるから」と、今度は猫が鳴く様に甘えて言ってきた……そういば、お腹も空いてきたし、一体何処で何を食べたら良いのか解らない。それに旅籠は二人でないと泊まる事も出来ないし。……そう思った私は、女の言葉に乗ってみた。「お腹空いたので、何処知らないか?」と、聞いた。「知っているわよ。一緒に食べにいきましょう♪お兄さん、お酒飲める?」と、声が弾んでいる。この女を信じて良いのか解らないが、一緒に食事に行く事にした。https://note.com/yagami12345/n/nd61d10219f75 ダウンロード copy #小説 #未来 #創作大賞2023 #連載小説 #一緒 #おとぎ話 #売れないKindle作家 #浦島太郎 #ファンタジー部門 #コメント募集 #旅籠 #読者に感謝 2 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート