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株価暴落に悲観的になることはない?8月頭の株価下落に関する私見

7月末から8月頭にかけて、大分日経平均株価が下落しました。その影響もあってNISAをやっている人達の悲鳴も聞こえてきます。

「今回のは違う」「大暴落だ」という風に思っている方もいるかもしれませんし、著名な投資家の中にもこれは一時的な調整ではなく今後も株価は戻らないと考える人もいます。

しかし私の考えとしては、株価は多分11月頃に戻ってきます。


まず7月25日だったかに、日経平均株価が1,000円近く下がった時がありました。この時の原因は一応理屈付けられてはいたようですが、単にこれまで順調に上がってきていた株価の調整だったと個人的には見ています。それまで7月は日経平均株価が42,000を超えるなど、好調に推移していたので、利益確定売りが入っても何の不思議もありません。
個人的な感覚だと、ディスコや三菱重工業、ソシオネクストなどの今を時めく株を持っていても、大体20%くらい株価が上昇すると一旦利確売りで株価がドカンと下がります。今回もそれと同じと考えています。

続いて8月2日の2,000円以上の暴落ですが、こちらは金利によるものが原因でしょう。日銀会合で日本の金利が上昇し、続くFRBの会合でパウエル議長が米国での9月の利下げを仄めかす発言をしたことから円高に振れ、円高による企業業績を心配した投資家が大量に売った、というのが日本側のシナリオです。

実は前日のNY株式市場も700ドル近くの下落に見舞われていました。日本市場は米国市場の動向に影響されるので、米国の株安が日本の株安にもつながったと考えてよいでしょう。
米国で株が売られた理由については、簡単に言うと投資家の整理売りが原因と考えています。

アノマリーという言葉があります。原因はよく分からないけど、こういう傾向にある、といったことを指す言葉です。株式市場にもそれは存在していて、8月9月は株価が下がりやすい傾向にあるのです。

8月に株価が下がりやすい理由としては2つ言われており、1つは米国投資家が夏休みに入るため株の取引量が少なくなり、それによって株価の変動幅が大きくなるというものです。そしてもう1つは、8月よりも9月の方が歴史的に株のパフォーマンスが悪くなるため、9月を迎える前に8月の内に株を売って利確してしまおうという動きがあるからとされています。

8月2日に起きた暴落は日本・米国双方の事情によって起きた、季節性と一過性のものだと個人的には判断しています。


そもそも株式市場が常に右肩上がりなんてことはありません。今年はこれまで市場は好調でしたが、年に数回は5%近くの下落が起こるものなのです。
詳しくは下記記事をご覧ください。


8月2日日本時間午後9時30分に米国雇用統計が発表され、予想を大きく下回る雇用者数だったため、NY市場の株価は大幅に下落しました。その影響を受けて8月5日月曜日の日本市場も株価が下落するものだと考えています。


今回の暴落について、「今までとは違って株価低迷が続くものだ」と考える方もいらっしゃいますが、その根拠となるのが日米金利差とそれに伴う円高です。

これに対して根拠を否定する気はありません。株価への影響はともかく、日米で金利差が発生し、それで円高が起こっていることは予想ではなく事実だから否定のしようがありません。

ただ解釈については私の意見は異なります。確かに日本は金利を上昇されていますが、これまでのゼロ金利の下で住宅ローンで変動金利を組んでいる人が大勢いるため、急激なペースで金利を上げると日本の景気が一気に悪くなりかねません。よって日本側はインフレの具合を見ながら毎回ではなく少しずつ金利を上げていくものと思われます。

また米国の利下げについては、今年初め辺りから9月に利下げを行うことが投資家たちの間で予想されており、その予想は月を追うごとに確度を高めていました。つまり今回FRBは9月の金利引き下げを仄めかしていますが、既に投資家は想定済みだったのです。
利下げということは景気は減速していることを意味します。株価には先見性があるので、9月の景気減速を材料に今、株価が下がっているのです。そして9月に金利引き下げが行われることで景気減速を抑えようというのがFRBの目論見ですから、ここまでは全てシナリオ通りに進んでいると考えられます。


私の意見としては上記の様に、今回の株安は季節性によるもの、投資家の利益確定によるものだと考えており、外部経済環境が影響したことは否定しないけれども、これによって株価低迷が続くものではないというものです。


では今後どうなるのか。個人的にはアノマリーを重視しているので、季節性のアノマリーと米国大統領選のアノマリーが重なって10月いっぱいまでは株価は低調だと考えます。その間に日本のインフレ具合や米国の景気によって金利の調整が入るとは思いますが、中央銀行の役割は物価の安定であり、かつ今回の金利変動は人為的なもので、バブルが弾けたりというものではないため、11月には株価が持ち直すと考えています。その理由は季節性・大統領選のアノマリーによるものが主で、さらに言えば仮にトランプ氏が大統領になった場合、経済活動の活性化に積極的な大統領となるので株価は上昇に転じると考えられます。


現在の株安は〇〇ショックによる大暴落といった類のものではありません。AI需要は以前に比べると穏やかになってきた感はありますが、企業業績はまだ好調です。暫くは株価低迷が続くものと思われますが、これは特殊なことではないため、時期が来たらそのうちまた上昇に転じると考えます。そのためNISA民含む個人投資家の方々には一時的な感情に左右されることなく、嵐が過ぎるのを待たれることを勧めたいと思います。


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