寿し処 のり好(金沢市)
体を癒してくれる御馳走は、心のごちそうでもある。
このコンセプトを基にして、私が心から紹介したいお店だけを紹介します。料理が美味しいのは基本中の基本。それ以外の何かが心の琴線に触れるものが、心の御馳走です。
のり好さんとの出会い
さて、今回は、金沢市にある「寿し処 のり好」です。
もう、30年前から通わせてもらっている、大好きなお寿司屋さんです。
ある会社にいたころ、同じセクションの先輩に連れてきてもらったことで、のり好を知りました。
それ以来、ぞっこんに惚れているお寿司屋さんです。
息子に、金沢の味を忘れてほしくないため、息子が帰省したタイミングで「自分へのご褒美」として、のり好さんに行くことにしています。
いつも、お刺身、焼き物、お寿司でフルコースにしています。
もう、個別のお寿司で注文はしません。
お魚に関しては、のり好の大将を信頼しきっているので、全部お任せ。
食べたいもの、予算を伝えて、お任せしています。
今回は、生マグロの刺身とお寿司、鰻のお寿司、のどぐろの焼き物を指定して、後はお任せしました。
先ずはお通し
大将は、私が何が好みか、もう知っているので、お通しはこれです。
烏賊と青ネギのぬたです。
このぬた、やさしい味で、絶品なのです。
飲み物は、息子はお茶、私はノンアルコールで乾杯。
息子は、あっという間に完食。もっと味わえばいいのに…。
生マグロ登場
生マグロを食べたことはありますか?
北陸で生マグロって、何故?
と、思いますよね?
夏場、日本海側では、延縄漁が行われるのですが、この漁法で、マグロが掛かります。
なので、北陸で、生マグロを味わえるんです。
ただ、何処にでもあるという訳ではありません。
マグロは、入手が困難であることも確か。
ですが、のり好さんでは食べることができるのです。
以前、東京の有名高級寿し店で、旨いマグロを食べたという自慢話をしたお客さんがあったそうです。
大将は、ニコニコしながら「これはどう?」と、生マグロの赤身を出したところ、その自慢したお客さんは、「ごめんなさい。こっちが旨い」と、謝ったという逸話があります。
写真では、左からカンパチ、生マグロの赤身です。写真にはありませんが、旬の赤いかも出していただきました。
カンパチは、しょうゆをはじくほど脂がのっていましたし、生マグロの赤身は、口に入れるととろけるようです。
透明な赤いかは、噛むと旨味が口いっぱいに広がります。
特に、生マグロは、マグロの赤身に対するイメージが瓦解することでしょう。
こんなのどぐろ、見たことあるか?
お刺身を堪能し終わる頃、焼き物が登場します。
これ、25センチはある、大物です。
近江町市場で探しても、これほどののどぐろは見つけられないのではないでしょうか。
脂がのっていて、程よく火が通った身はジューシーです。
大根おろしにしょうゆをかけていただきました。
先ず、息子に半面食べてもらい、残りを私が食べました。
凄いボリューム。
息子は、小さいころから「猫」とあだ名されるほど、魚をきれいに食べます。
頭の身はもちろん、骨をしゃぶるように身を奇麗に剥がしながら食べていました。
女将さんには、「いつも奇麗に食べてくれて、ありがとうね」と、褒められています。
土用の丑の日にみんなが殺到するウナギの寿し
これは、実話らしいです。
土用の丑の日に、鰻専門店よりお客さんが殺到する、ウナギのお寿司。
ちょっと厚みのある日本の海苔で、鰻が巻かれています。
鰻は、サラマンダーで焼きたてで、相当に熱いはずですが、大将は、それでお寿司を握ってくれるんです。
熱々の鰻を、ホクホクと息で熱を逃がしながら食べる時の旨さ、わかります?
このお寿司を食べるだけで、生きていてよかったと思えます。
小腹を満たすお寿司で〆
ここまで食べてれば、かなりお腹も満たされているのですが、あと少しだけ贅沢を。
左から、シャコ、生マグロの握り。
シャコは、能登産だそうです。
甘ダレを付けていただきました。
私が知らないだけかもしれませんが、北陸でシャコを食べた記憶がありません。
完全に江戸前。
羽田沖で釣って、自分で捌いて食べたことはありますが、石川では回転寿司でさえ見たことが無い。
マグロの握りは、言うに及ばず。
そして…
ご飯が少なく見える、生マグロの鉄火巻きです。
今日は、マグロ尽くしという感じでした。
これで、いくらだと思います?
書いたところで、信じてもらえないでしょうが、2人で1万5千円していません。
堪能しきって、帰途につきました。
本当においしかった。
ご馳走様でした。