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山本真司「忙しすぎるリーダーの9割が知らない チームを動かすすごい仕組み」(PHP研究所)

山本真司「忙しすぎるリーダーの9割が知らない チームを動かすすごい仕組み」(PHP研究所)。電子書籍版はこちら↓
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 本書の著者は銀行員を経て、アメリカ留学。そしていくつかの経営コンサルタントの経験を経て、今は立命館大学で経営学の教鞭を取っている。輝かしいエリート街道を歩んでいる。とにかくよく勉強して努力している。だからこそMBAの資格も取得できている。
 しかし執筆のモチベーションは「史上最強の兵士だが、史上最凶の指揮官」と評された、留学帰りのコンサルタント業務の躓きだった。それも2段階の挫折であった。1回目は他人を馬車馬のごとく働く自らと同じくみなす「ウルトラ放し飼い」。この時の部下は誰も彼についてゆかなかった。2回目は「究極の一人プロジェクト」。手取り足取り部下をフォローする役割に疲れてしまった。この時の屈辱や絶望が、彼のその後の生き方を変えた。自分で自分の実態を認識することは難しい。だからこそ自分を変えることは困難だ。しかし彼は開き直って、自らを変えた。そうしないと生き残ってゆけないからだった。だからこそその語りには、机上で描いたものとは違う迫力の説得力がある。
 本書は彼が改めて仕事に、どう向かい合ったかの考え方の変化、そして新たな価値観の創造のために蓄積した工夫やノウハウを開示している。思うに自分の元上司の7箇条に共通するところがある。
◆先ずは考え方の変化
1️⃣「自分だけが頑張る」のワナ-仕組みがないからチームワークの疲弊する
・トップダウンの「ピラミッド型組織」から「フラット型組織」へ
・指揮者主導のオーケストラ型から横の連携を重視するジャズスタイルへ。
◆リーダーとして失敗しない、成功するためのノウハウ
2️⃣時間をかけずに結果を出す「チームを引っ張る九つの仕組み」
・先ずは絵=仮説を描くこと。そしてブレインストーミングで明るく前向きにパクること。そして頻繁に短時間です協議するべし。
3️⃣頑張らずに組織が回る「メンバーが自ら動き出す17の仕組み」
・うんうん、馬鹿のフリをすることはとっても大事。信頼できるおバカさんは、みんなが支えようとする。
4️⃣ぶれないマインドを生み出す「8つの行動原則」
・リーダーは背中を見せろ。とにかく「聞いて、聞いて、聞く」姿勢が肝要。チームワーク形成の「べからず集」=メンバーのプライドを守ること。
 私もマネジメントにおいては数々の失敗を繰り返してきた。今となっては『あの時にこうすればよかった』と思うことしきりである。そんな悔恨を本書は着実に押さえている。従って多くのマネジメント層に、この本は大きな共感を呼ぶことだろう。そして読者に実践的かつ哲学的なインスパイアを与えることだろう。


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