阿夢露の第二の人生
5月6日に放送されたNHK「シブ5時相撲部」の特集は、阿夢露ことニコライ・イワノフの相撲エクササイズ。相撲取りの第二の人生として紹介された。
阿武松部屋に所属して、最高位は前頭5枚目。愚直なまでに、前ミツを取って真っ直ぐに押す相撲に徹していた。温厚篤実で誰からも好かれ、部屋の後輩たちも信望も厚く、角界でも彼の評判はとても良かった。ロシア出身のイケメン力士で、女性ファンからの人気が高かった。トレーニングが趣味と本人が言うだけあって、筋骨隆々。最近の力士にしては体重130kg台とウェイトが少なかった。しかしトレーニングで鍛えられた身体は、横から見ると、とても分厚い。より太って見える弟弟子たちより、ずっと身体が充実していた。しかし阿夢露はケガに悩まされた。度重なる膝や胸の大ケガ。特に新十両の場所で優勝を争いながらも靭帯を切って、序二段まで陥落。そこから再起して、念願の入幕。しかし入幕後もケガが絶えなかった。
阿夢露は引退後、スポーツジム「フレックス津田沼」でトレーナーを務めている。ユニークな点はオンラインで「相撲エクササイズ」を開催している。私も2回参加したことがあるが、これがメチャクチャきつい。1時間のエクササイズだが、前半は誰にでもできる軽い体操。しかし後半に入って四股を踏んだり相撲の稽古の要素が加わると、身体の固さで上手く出来ず、負荷も大きく汗だく。次の日に身体が痛いくらい。いつもだいたい15〜20人くらいが参加している模様。なんとなく見ている感じは、参加者の皆さんは、力士時代の阿夢露のファンだったのではないかなと感じる。
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本人も語っていたが、最大の壁は日本語で、特に漢字。喋れても書けるわけではなく、日本語検定などを受けて、勉学に励んでいた。たしかに日本語でサインしてもらった時の字は、ミミズがのたくったような字だった。力士時代からコツコツと努力を重ねる姿勢に、性格の不器用さと相まって惚れ込んだ。自分が力士のファンとなったのは、第51代横綱の玉の海以来である。力士時代も、引退後も努力を重ねる姿に励まされてきた。残念ながら親方として角界に残ることはなかったが、第二の充実した人生を送って欲しい。