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第73代横綱・照ノ富士関が引退発表、二度の相撲人生

横綱・照ノ富士関が引退を表明。誰もが知るように、大怪我と病気で大関から序二段まで落ちて、復活して元の大関を超す横綱にまでなった苦労人。伊勢ヶ濱部屋全体のバックアップあってのことだろうが、本人の努力は並大抵のものではない。「諦めない人生」という万人の教科書となる生き様である。今までの横綱とは全く違うタイプで、まさに尊敬に値する。
 初場所という、照ノ富士最後の横綱土俵入りを生で観れてよかった。ここしばらくは、おそらくは横綱土俵入りのために在位していたと言っても過言ではないだろう。本場所や巡業だけではなく、明治神宮や伊勢神宮でも横綱土俵入りは必須。まさに責任感そのものである。膝や腰の怪我、糖尿病を乗り越えて、3年間の独り横綱を務めてきた。照ノ富士休場の場所は戦国時代。平幕優勝も頻発し、誰が優勝するか一寸先も見えなかった。しかし琴櫻と豊昇龍の綱取り、大の里の台頭など、次に綱を締めそうな者も見えてきた。照ノ富士も「あとは頼んだぞ」という心持ちだろう。
 今後は伊勢ヶ濱部屋付きの年寄「照ノ富士」として後進の指導に当たる。横綱は特権として、5年間は四股名での年寄名跡の取得が認められる。7月に伊勢ヶ濱親方が定年を迎えるので、そこで伊勢ヶ濱部屋を継いでくれれば、強制的に吸収された宮城野部屋も旧に復する好機であろう。照ノ富士の伊勢ヶ濱襲名と、宮城野部屋復活が同時になれば、角界にとって明るい話題になろう。

照ノ富士関一人立ち姿
引退会見に臨む照ノ富士関
照ノ富士の横綱土俵入り

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