「情熱大陸」が追った貴景勝の4ヶ月
12月3日のTBS「情熱大陸」は貴景勝を取り上げていた。4年前にも取り上げていて、さらに秋場所カド番➡︎優勝➡︎九州場所の綱取りの4ヶ月間を追跡。秋場所は熱海富士との優勝決定戦における、立ち合いの変化が非難された。これに対して貴景勝は「勝ちたかった。上位として平幕に負けるわけにいかない」と答えるのみだった。このあたりは張り手を連発して批判された晩年の白鵬の立場と似ている。トップに立つ強豪力士たちの孤独な苦悩が見える。
結果的に連続優勝=綱取りとなれば、番組にも最高の結末だったのだろうが、そうはいかなかった。九州場所は期待を裏切る9勝6敗。首頚椎と右膝半月板の損傷に苦しむ姿が、トレーナーの言動から明らかになった。本人自身が言うように、引退後も含めて、一生つきあってゆかねばならない痛みだろう。貴景勝の場合は身長175cmと幕内上位力士にしては小兵。しかし体重は165kg。その体格は、見るからに太り過ぎて辛そう。動くだけで汗が吹き出ている。しかしながら食事にも気を配り、体質改善にも余念がない。
四つ相撲が主流の角界において、押し相撲一点へのこだわりは見事。そこは横綱として花開いて欲しい一方で、無理して欲しくない気持ちもある。横綱になると、大関以上の厳しい批判にさらされる。寡黙な力士だが、自分も最近は複数の人に「貴景勝に似ている」と言われて、他人とは思えなくなってきた。
https://mainichi.jp/articles/20231201/org/00m/200/005000c
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