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映画🎬「シンペイ 歌こそすべて」が長野県で先行上演

映画🎬「シンペイ 歌こそすべて」(神山征二郎監督)が長野県で先行上演された。東京では年明けからTOHOシネマズ日比谷で上映予定。
https://shinpei-movie.com
 作曲家・中山晋平の生涯を描いた作品。「カチューシャの唄」「ゴンドラの唄」「東京温度」「シャボン玉」など2,000曲に及ぶ楽曲を残した、日本を代表する長野県中野市出身の作曲家。「ボヘミアン・ラプソディ」「グリーンブック」「エルヴィス」など音楽映画は、今や世界を席巻している。そんな中で、長野県から歌の原点を世界に問う音楽映画。
 映画は大きく分けて、2つの部分によって構成されている。前半は青年・中山晋平の書生時代。人気作家・島村抱月の家で、住み込み書生として、東京音楽学校(今の東京藝術大学)進学を目指す。見事に合格した中山晋平は、卒業後に小学校教員となり、妻を娶る。しかし島村抱月は女優・松井須磨子との不倫で早稲田大学を辞する。その後の島村抱月は、芸術座を立ち上げる。中山晋平は島村抱月に頼まれた劇中歌が立て続けに大ヒット。
 後半は恩師である島村抱月の死後、小学校の音楽教師の生活に戻った中山晋平。そこに詩人の野口雨情が尋ねてきて、自らの詩に曲をつけて欲しいと頼む。これが大ヒットとなって、中山晋平は作曲家活動に専念することに。妻・敏子を病いで喪うも、鹿児島で出会った芸者・喜代治と出会う。その出会いは「東京音頭」を生み、熱海に移住しての再婚生活となる。しかし時局は戦火が激しくなって、芸術家たちの活動は次第に行き場を失ってゆく。
 全編を通じて感じたことは、日本は美しい国であるということ。ロケ地に工夫したのか、どのシーンも惚れ惚れするほど良い絵が撮れている。そして中山晋平の信条は、小学校の音楽教師が原点であったということ。信州に凱旋帰郷した際に、自らが代用教員をしていた小学校に立ち寄って、生徒たちと一緒に自らの作曲した童謡を、ピアノ🎹で伴奏しながら歌う中山晋平の姿。それは中山晋平に「大衆の支持あってこその芸術」と諭した島村抱月の教えそのものだった。出演は豪華俳優陣の競演。特に主演の中村橋之助はいい。清潔感があって、育ちの良さが伝わってくる。汚れた心で、人の心を打つ曲は書けない。

中山晋平役:中村橋之助
中山敏子役:志田未来
野口雨情役:三浦貴大
西条八十役:渡辺大知
島村抱月役:緒方直人
佐藤千夜子役:真由子
中山ぞう役:土屋貴子
松井須磨子役:吉本実憂
島村市子役:高橋由美子
喜代治役:中越典子

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