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雛祭りが来る度に思い出す、ケンちゃんの優しさ

 雛祭りが来る度に思い出す。自分が日販時代に尊敬していたのは、菅社長と鶴田社長だった。二人は人生の師であった。その次というか尊敬に値いする人に、同期のケンちゃんがいた。もともと背が高くてイケメン。よくバイトの女の子たちが、彼の写真を撮りに来ていた。
 日販の王子流通センター時代に、彼は隣の課の課長だったか係長だった。いつも無愛想で、女子部下を叱って、よく泣かせていた。しかし雛祭りになると、さりげなく和菓子を買って「みんなで食べて」とポンと渡していた。隣で見ていて『カッコいい❗️』と思ったものだ。本当の優しさって、こういうところにあるのだなと思った。それ以来、自分も翌年から真似するようにした。今は在宅勤務なので、家族に「大福餅」を購入。

王子流通センター
王子流通センター
豆大福🫘


 これ以外にもケンちゃんには素晴らしいシーン🎬が、数多くあった。1️⃣首を吊って自殺した同僚の姿が気の毒で、警察が来る前に降ろしてあげた優しさ。2️⃣整品ラインに挟まれて切断した従業員の手首を氷で冷やして、後で繋ぐことができた配慮。3️⃣大雪の日にケンちゃんに呼び出されて、ねりま流通センターで、勝山課長と徹夜でカラオケ🎤。朝から永遠の雪かきさせられた思い出。4️⃣保養所「あしかり」の閉鎖を最後の最後まで看取った姿。5️⃣ゴルフ嫌いで、総務課だからゴルフコンペに行って幹事は務めるが、絶対にプレイ⛳️はしない。6️⃣担当役員の領収書に「『上様』はダメ」と突き返して、役員が「誰が言った⁉️」。とにかく自分の信念に頑固であった。7️⃣空調の入っていなかった中庭別館に簾をかけて、従業員たちに「ふざけんなバカ野郎、こんなので涼しくなるわけないだろう」とコテンパテンにやられた姿。8️⃣それでいて料理上手で、いつも王子流通センターの食堂でイソイソ働いていた(「食堂のチーフになるのが夢だ」と言っていた)。下らない権力欲は一切なかった。ただただ現場主義の人。だからうちの連れ合いは「あんたより絶対ケンちゃんの方が(男として)断然カッコいい」との評価。最も連れ合いは「あんたは京ヶ島さんの足下にも及ばない」と断じていたので、亭主の評価はかなり低空飛行。いつか「ケンちゃん物語」を書いてみたいものだ。

あしかり
ケンちゃんと自分

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