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有名作家の妻を持つこと

宴会で隣に座ったS氏。彼はとある文芸出版社に勤務されている。この方の奥さまは日本最高ランクの文学賞(と言えば業界人は何の賞かわかるはず)を受賞された作家。S氏は前の職場の出版社で営業担当者だった。その社で出世作を出された奥さまに「ファンである」と編集担当者に紹介してもらって、奥さまと意気投合されてご結婚。ちなみにS氏は超イケメン。
 受賞以降も、ふだんはふつうの男女であるご夫婦。しかしゲラを読んだS氏が出版社としての見解で「ここは修正した方がいい」などと言うと「素人は黙っていろ」と奥さまの逆鱗に触れるそうだ。しかし本が出てみるとS氏が指摘している箇所がその通りになっていることもあるそうだ。夫婦ならではの難しさの一方で、夫婦ならではの助け合いがある。この話をS氏の会社の地下にあるバーで、ご本人から聴いて数年前に大爆笑した。お互いに顔をすっかり忘れていたが、この日に話すうちにお互いがその話し相手であったことを認識。(尚、本文はS氏に掲載のご許可を頂いています)。

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