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他人は自分と違って当たり前。

この投稿は「『繊細さん』の本」感想をベースにしています。

本の概要

「繊細さん」の本は2018年に発売されたHSPの本。
HSPはhighly sensitive personの略で、
この本では「繊細さん」と表現されている。
一般的な人とは異なる感性を持ち、
細かな刺激が気になってしまう人のことだ。
そういう特性を持っていることを認め、
どのように生きると生きやすくなるのか、ということが書かれている。

私は「繊細さん」ではない

序盤に「繊細さん」チェックリストが登場する。
結果、私は「繊細さん」ではなかった。
ちなみに一年ほど前、ADHDなのではないかと疑い、
検査を受けたがそれも違った。
要は、ごく普通の人である。

「普通の人」って何?

繊細さんでもないしADHDでもないが、
友人に言わせると「変わっている」そうだ。
でも、現在の医学で言うと「普通の人」。
じゃあその普通ってなんだよ。
それはあくまでも、枠からはみ出していないだけの話。

普通だけど、なかなか生きづらかった

自分の思う通りに行動すると
目立ったりいじめられたり、
いろいろなひずみがあった。
それは今もだが、言葉を選ばないと
簡単に人を傷つけてしまう。
こうやって文章を綴っていても、
あとで読み返すとガックリ来ることもよくある。
じゃあ書かなければいいじゃないかと言われる。
言いたいけど、書きたいけど、あとで後悔がくっついてくる。
そういうジレンマ、なかなかわかってもらえない。
あとは、毎朝決まった時間に決められたことをするのが辛かった。
誰がやっても同じように、と言われても辛かった。
授業や会議など、長時間人の話をただ聞くだけ、というのができない。
社会人として当然でしょ、と言われ片付けられた。
苦しかった。
でも、それって本来はわかるわけないのではないか。

そもそも、人によって違うんじゃない?

私はスポーツ心理学という
心理学の子学問の世界に片足突っ込んでいるので
よくぶち当たるカベなのだが
人を対象にする以上、
個人差があって当たり前なので断定はできない。
水を熱したら100度で沸騰しますよ、というような
再現性が高い実験など
かなり難易度が高いのだ。
そのレベルになると、世紀の大発見である。
なので、通常は、「可能性」レベルで留めておいて
広く一般的に必ず当てはまりますよ!!ということは
言わないのがこの世界の常識だ。
それは日常にも当てはまるはずだ。
人によって違って当たり前なのだ。

どうしても、人は同じように思っていると思いたい

人間の性質として、
似たものを好むようにできていて、
何か共通点があると、他のことも共通なのではと
思いたくなる。
そして、日本では「普通」が好まれ、
真ん中であることが美徳というか、
出る杭にならないように気を遣って生きている。
そんなことを意識もせずに、
例えば、
「私はあの頃から変わってないから、あなたも変わってないよね」
というようなことを言ってくる。
しかし、その考えはたいてい裏切られる。

影響する要因はさまざまで、個人差がある

当たり前のことだが、
一人一人DNAが違って、家庭環境が違う。
同じ親から生まれたのに兄弟で全然趣味が違うなんてことは
ザラにある。
まして、他人で違う環境で育って、違う環境で生活していたら
違って当たり前である。
なので、人と違うことを攻撃的に指摘することは無意味だし
そもそも前提が間違っている。
違って当たり前なのだ。

違う人が同じ環境・リズムで生活しているなんてすごい

そうやって考えると、
大多数の人が同じ環境、同じリズムで生活していることの方がすごいこと。
そして、そこにどうしても溶け込めなくても
その枠から外れても別におかしなことではない。
十分に起こり得るわけだ。
なので、今の世界の方が、本来的には恐ろしいことが起きているのだ。

考えをまず知ろう

他人は自分とは違うという前提に立ち、
まずは相手の考えや行動パターン、何を心地よく思うかなど
知ることからはじめよう。
自分がなんか生きづらいな、と思って
検査を受けてみて、何かしらの精神障害があるのなら
それぞれの対処法を試してみれば良いし
特に診断されなければ
自分の生きづらさの正体を探ろう。
私の場合は、
「常に求められる存在でいなければならない、
そうでなければ生きている意味がない。」
という謎の呪縛を自分にかけていたことだった。

他人と違うことが当たり前の世界に

人と違って良いのだ。
良い、というより、当たり前なのだ。
違うことを落ち込む必要はないし、
違うからと言って責めるのも違う。
相手に迷惑をかけていないのであれば、
怒られる筋合いなんてない。
違うことが大前提で、
まずは理解する。
そうすれば、生きづらさを解消できる人が増えるのではないかと思う。


繊細さんでないみなさんも、
「繊細さん」の本を読むと違う人が理解できるかもしれません。



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