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100の質問で10万文字書く【2025年2月更新】

はじめに

こんにちは、宿木です。先月末、みくまゆたんさんのXのポストに、下記のようなメンションをつけました。

あまりにいいポストだったのでついメンションをした記憶

そしたら翌朝、「自分語りは楽しいぞ」という企画が立ち上がっていました。

す、すごい行動力とスピード感……みくまゆさんすご……。
ということで、いちおう言い出しっぺだったし祭りは楽しみたいので、自分も参加したいと思います。ほかの方のnoteもあとでゆっくり読みたいです!

自分語りの極みに挑戦

さて、私は「読者ファースト」の意識がかなり強いビジネスライターでして、趣味の文章を書くときも「ニーズに合った文章を」という意識が捨てきれません。そこで、今回みくまゆさんが提案してくれた「どこで離脱するのか試してみよう」「クソ長い文章で」というテーマを言い訳に、ふだんはできない遊びに挑戦したいと思います。
書くのは「100の質問」です。あれです、自己紹介としてよくあるやつです。人生で一度は答えてみたかったんですよ、100の質問。でも「これ、答えたとして誰が喜ぶの」という気持ちが邪魔をして、挑戦できませんでした。みくまゆさんの企画を見て、今こそ挑戦できる、と心躍りました。

質問は下記のページよりお借りしました。

https://fucchan-blog.com/100questions/2517/

では、まいりましょう。「100の質問で10万文字書く」、スタートです!

【本編】100の質問で10万文字書く


名前

宿木雪樹(やどりぎゆき)です。
ただし、この名は本名ではありません。
本名は、「全国で多い苗字ランキング」トップ10で常連の苗字と、ある有名なアニメのキャラの名で、その影響から「さん」付で呼ばれやすい名前の組み合わせです。宿木雪樹には一文字もかすりません。

さて、私がライターとして使っているペンネーム「宿木雪樹」は、フリーランスになったときに自分でつくりました。
宿木は私が好きな植物です。皆様が「ヤドリギ」と聞いて想像するのは、きっとクリスマスのオーナメントではないでしょうか。それもヤドリギなのですが、私が好きなのは、下記の画像のような自然状態のヤドリギです。

ほかの木に寄生するヤドリギ

もくもくしていてかわいいし、ほかの植物に寄生する生き方がしたたかでいいですよね。初めてヤドリギを知ったときは、土に根をはらなくても植物って生きられるんだ…と驚きました。
私は生活能力がかなり低いので、誰かに頼らないと生きていけないなぁと思うことがしばしばあります。そんな自分でも、ヤドリギみたいにちょっとずつ太い幹を持つ人から栄養をいただきながら、自分が返せるものを返して生きていけたらいいなぁと思って、「宿木」を苗字にしました。

続く「雪樹」は、愛する故郷・北海道をイメージできるからつけた名前です。雪はぜったいに入れたかったんですよ。私が美しいと思っているものの中でもひときわ輝いているのは、まだ誰も踏んでいない、きらきらと朝日に輝く雪なんです。

でも「雪」一文字だとちょっと締まらない感じがしたので、樹を最後につけました。この樹という字は、名前を決めた当時、大好きだった人の名前から一文字いただいたのですが、今はもうその人はそばにいません。

ちなみに、私の腰には黒猫のタトゥーが入っているのですが、これは初恋の人を想って入れたタトゥーです。その人も今どうなったのか知りません。
人生ってのはどうなるかわかりませんね。私は腰に初恋の人の象徴を彫り、仕事のペンネームには元恋人の名前を刻み、今はまるで違う人と交際しています。そういう人間です。

性別

女です
ただ、生物学上は女として生まれたというだけで、女というカテゴリに分類される側であることが日常生活からはあまり感じられないタイプの女です。

…というふうに書くと、例えば「サバサバ系」のようなわかりやすい類型にあてはめて想像されそうだし、かといって「家事できないんです」「美容に興味ないんです」などの具体を言ったとて、それはそれで「じゃあ女は家事できるのが当たり前って思ってるんですか?」「美容にこだわるのが女ってことですか?」などなど、いろいろ出てきそうで。
もう何も言えませんよね、ただ女としか。でも正直、女だと自分で言うことがあんまり好きじゃない。そこに含まれるいろんな文脈ごと背負うのが嫌い。

だからといって、男という性別に対して憧れがあるわけでもないし。社会や文化の中で編まれた性別に関わる一切のニュアンスを排除して、ただ生物学上は女とだけ言っていたいよ。

誕生日

子どもの日です。祝日が誕生日です。
なんてったってGWど真ん中ですからね、連休に合わせてお祝いできますし、仕事に追われていつの間にか誕生日が終わる…なんてこともありません。あ、でも、このメリットを感じられるのは、連休が稼働日になるような職に就いていない場合、ですね。

私は会社員の頃、休日に行われるイベント対応要員として連休にどうしても出勤しなければならない仕事に就いていたので、そのときは「仕事に追われていつの間にか誕生日が終わる」を経験しました。でも、いつだったか、サプライズで仕事仲間が誕生日を祝ってくれたことがあったんですよね。あれはうれしかったなぁ。一人が私の誕生日を小耳にはさんだのを覚えていて、サプライズ計画を練ってくれたのだとか。そうそう、「誕生日は子どもの日です」と言うと、記憶してくれる人が多いのもいいところかもしれません。

話は変わりますが、こいのぼりが見えると「そろそろ誕生日かぁ」と思えるのも、こどもの日生まれの特権です。誕生日が近づいてきたことを“何か”を見て感じるの、なかなかいいものですよ。季節のイベントみたいな感覚で自分の誕生日を味わえますからね。

そういえば、クリスマスが誕生日の知人がいるのですが、街がイルミネーションやらサンタさんのイラストやらであふれだすと、自分の誕生日が近づいてきたと感じる、と話していました。子どもの日はクリスマスほど街ごと染まる日ではないものの、青空にはたはたと舞うこいのぼりの鮮やかな色と自分の誕生日がリンクしているのは、けっこううれしいです。

年齢

35歳(2024年2月時点)です。
アラフォーですね。年齢が40に近づいていくことに対する不安や葛藤はないのですが、子どもの頃想像していた35歳とはぜんぜん違うなぁ、という戸惑いはあります。

子どもの頃、「30代」ってめちゃくちゃオトナの印象ありませんでした?「20代」は当時の自分の延長線上で想像できたけど、30代は別物で、突然シュッとまっすぐ芯が通ったオトナになる気がしていたんです。
私は子どもの頃キャリアウーマンになりたいと思っていたから、スーツをびしっと着て、ヒールをかつかつと鳴らす、いかにも仕事がデキるオトナの女性になっていると想像していました。
で、30代になって思うけど、10代から20代、そして20代から30代って、ほんとうに地続きなんですね。びっくりしました。言葉にしてみると当たり前なんだけど、もう、あまりにそのまんま30代になったもんだから。
負債は負債として残っていくし、努力したことは相応の結果になっていくし。子どもの頃の私を振り返ってみて、そのままの心の形で、経験値だけ縦横に伸ばしていったら、まぁこの35歳になるよな、と納得する35歳になっています。
さらにもうひとつ、子どもの頃思い描いていた30代の話から発展すると、30代以降って想像していなかったんですよ。つまり、40代、50代あたりのイメージがない。
とはいえ昔から魔女が大好きで、「いつか北海道の片田舎でハーブを育てている謎めいた老女になる」という夢はあったので、60代以降は大丈夫なんです。35歳から60歳にかけて、ここから何をしたらそうなれるのか、ちょっとまだ道のりがふわふわしている感じです。

あらためて考えてみると、30代手前で北海道にUターン移住したのは、自分なりに60代のビジョンに近づこうとしていたんだな、と納得します。
20代までは、東京でバリキャリ道を究めるつもりでいました。子どもの頃から「オトナは仕事がデキればデキるほどカッコいい」と思っていたので。
でも、よく考えてみると、東京でヒールをかつかつ鳴らしているキャリアウーマンが、40年後には北海道でハーブを育てる魔女になっているのって、かなり無理なキャリアパスですよね。
それに気づいて軌道修正した自分はえらいと思うし、35歳の今、「北海道の片田舎でハーブを育てる」までは叶えてるので、かなりいい感じです。あとは魔法がつかえそうな謎めいた雰囲気と、美しい白髪と膨大な知識、時間の余裕が手に入ったら、めっちゃ最高。

こんなことをつらつら書いていたら、だんだん40代、50代をどう過ごしたらいいかわかってきたかもしれません。子どもの頃思っていた「オトナは仕事がデキればデキるほどカッコいい」は、今は「オトナは自分らしく生きることをあきらめない人ほどカッコいい」に変わっています。

身長

158㎝です
高くもなく、低くもなく。小学生のうちに一気に伸びて、そのあとはぜんぜん伸びないタイプでした。
小学校高学年の頃の集合写真を見ると、身長順で後ろから2番目とかに並んでいるんですけど、高校の卒業アルバムを見ると別に背が高い位置にはいない。この間に、どんどん追い抜かれていったんですよね…。背が高いことにあこがれがあったわけではないけれど、周りがどんどん伸びていくのはちょっと悔しかったのを覚えています。
あと、大学生の頃は低身長の女の子がとてつもなくモテているのを目の当たりにして(※身長だけでなく、たくさん魅力がある子でしたけれど)、どうせならもうすこし伸びないままのほうがよかった、と唇をかんだこともありました。
でも、思い出していてあらためて感じるんですけど、こういう身長の話って書くのがすごく難しくて。身長が高い人を思い起こせば「大きいってだけで意味がついちゃって、いろいろ面倒だよ」と首を横に振っていた姿が目に浮かぶし、身長が低い人を思い起こせば「身長が低いと生活しづらいし洋服も選択肢が少なくなるんだよ」と頬をふくらませていたのを思い出す。どんな身長でも、実際にその身長で過ごさないとわからないことってあるんだろうな、と思います。
そうやってほかの人を見上げたり見下ろしたりして、どちらも素敵だなと思ってきた平均的な身長の私は、自分の身長についてこれといって語れるほど想いの乗ったエピソードがないということが、なによりさみしいことだな、とため息をついています。

視力

正確な視力はわからないのですが、コンタクトレンズは「-6.0」を使っています。めがねかコンタクトレンズがないと、まじで外に出られません。すべての輪郭がぼわっとふくらんでしまって、夜の街頭はぜんぶふんわりとした大きな丸になって、なんだかかわいいです。

ところで、先日一緒に働いてくれているメンバーに会いに、宮崎旅行に行ったんです。(そのこぼれ話は下記のnoteで)

そのとき、宿泊先でayanさんと温泉に入ったんです。で、私はそれまでメガネだったんですけど、温泉ではレンズが曇ってしまうので、浴室に入るときだけ裸眼になりました。
まずは体を洗う場所に行くわけですが、裸眼の私はオタオタとシャワーヘッドの位置を探ったり、椅子の輪郭をなでて確認したり。シャンプー、コンディショナー、ボディソープの順番も当然わからないから、ayanさんに教えてもらいました。
そうして体を洗ってひと段落したので、私は隣に向かって笑顔で「私、洗い終わったんでお風呂いきますね」と声をかけました。なんだか戸惑ったような雰囲気が伝わってきたので、「あ、ゆっくりで大丈夫なんで」と言って、足場を慎重に確認しながら、湯船につかります。
すると、浴槽の奥から「あ、雪樹さん」と。え?あれ?ayanさん?声がするほうに向かっていくと、湯気の奥に本体が。え。ということは、私がさっき声をかけたのは…。
さっき隣に座っていた誰かは、見知らぬ人から声をかけられて、さぞ怖かったろう…ごめんよ…。気づいたとて、「すみません、さっきの人違いで」と言いに行くのも変な話だし。「目が悪いからなんです、ほんとごめんなさい」と言い訳したい気持ちでいっぱいになりながら、恥ずかしさだけでのぼせそうになっていました。
…ということが起こるくらい、目が悪いです。

利き手

右手です。
というか、手だけじゃなくて全身の右側が主力というか、右側だけ発達している感じがします。左手では文字が書けないどころか、単純作業(何かを強く握るとか)もおぼつかないし、体の左側をよくぶつけます。打撲の傷も、圧倒的に左側のほうが多い。そういえば、数年前に左足の薬指を壁にぶつけて骨折しました。信じられますか、小指じゃなくて薬指ですよ。どれだけ空間把握できていないんだよ、という。

こう考えると、私、よくピアノ頑張ってたな、と思います。たしか6歳くらいからピアノを始めて、遅めのスタートながら一生懸命練習して、10歳くらいになる頃にはまぁまぁ弾けるようになりました。でも、右手の成長に左手がぜんぜん追いつかない。「みんな右手のほうがはやく上達するから、だいじょうぶよ」と先生はおだやかに笑っていたけれど、私としては、弾きたい曲のレベルに左手だけが追いつかないのは悔しかった。左手さえ動いてくれれば…と、左手の猛特訓をしていたこともありました。
弾きたい曲があるから、あれだけ努力できたんだよな、と今は思います。「私きっと左手が弱いんだ、しょうがないよ」とか一切言わず、ただただ練習していました。そうやってなんとか弾けるようになった、大好きなモーリス・ラヴェルの曲を、私は今でもときどき弾きます。今はあまり練習できていないけれど、ピアノを弾いているときだけは左右の差を感じなくなるのがうれしいんです。

私は身体的なことも心理的なことも、苦手なことがたくさんあるのですが、努力で克服できた唯一の苦手は、きっと「左手を動かす」だと思います。もちろん、苦手なことがなんでも努力で乗り越えられるとは限らないし、得意なことを伸ばして苦手なことを避けるほうが、人生の効率という観点ではいいと思います。傷つくことも少ないはず。
けれど、「努力したら左手が動くようになった」「だからラヴェルの曲が弾けた」という実体験がひとつあるだけで、私はずいぶんと救われています。だから、苦手でもやってみたいと思えるほど好きな何かがあるなら、それはあきらめなくてもいいんじゃないかな、と思います。努力が報われる確証はないけれど、どっちにしても、努力した自分は消えないから。

足のサイズ

23.5㎝です。これまた身長と同じく、超平均的。
足のサイズといえば、皆さんは『ZOZOMAT』つかったことありますか?ZOZOのアプリと連携している、足のサイズを計測できるマットです。これで計測した足のデータと、靴のデータのフィット感を数字で確認すれば、オンラインショップでも自分にピッタリの靴を買うことができるという代物です。
衣服のほとんどと化粧品の一部、アクセサリー諸々をZOZOで買うヘビーユーザーの私、ZOZOMATもすぐ利用しました。今までサイズが合わないことへの不安があって靴は我慢していたのですが、これで買えるようになったらぜんぶネットで買える、最高だと思ったんです。
ところが、ZOZOMATで計測したデータをもとにすると、私に「ぴったり」と出てくるのが、24~24.5㎝の靴ばかりです。え?私、23.5㎝じゃないの?もしかして、足が大きくなったのかな?そう思って、近場の靴売り場の靴を適当に試着してみると、23.5㎝でピッタリ。あれぇ?
不安になって、もう一度計測しなおすも、やはりZOZO上で勧められるのはワンサイズ上の靴。首をかしげつつも、私はある仮説を立てました。
それは、私の足が「スクエア型」であることの弊害です。下記は実際のZOZOMATの診断結果の画面なのですが、私の指先の形は「日本人では1割ほどしかいない珍しいタイプ」なのだそうです。

指先がレアな形と言われてもさほどうれしくはない

このスクエア型の足指の長さまで考慮したフィット率が示されるから、ZOZOではワンサイズ上の靴を勧められるのでは?一方、実際に靴を履いたら足指の長さはそれほど履き心地に影響する要素ではないので、23.5㎝でぴったりだと自分自身は感じるのでは?
…この仮説が合っているのならば、私はZOZOで自分が「ぴったり」と感じる靴を買うのは、至難の業です。もちろん、おすすめされるサイズを無視して、23.5㎝を買えばいいのかもしれません。でも、「これがピッタリです」と大声で言われたサイズを全力で無視して買って、もしもその靴が合わなかったら…そのときの絶望と言ったら…と考えると、おすすめされている以外のサイズに手を出せるわけがありません。というか、あらゆることを無視して23.5㎝の靴を買えるなら、ZOZOMATなんて使わず、はじめからそうしているでしょう。
そんなわけで、ZOZOMATは絶対的な信頼があって初めて機能するツールなのだなぁ、としみじみ思いました。今のところ、靴は試着できるオフラインのお店で買っています。

血液型

B型です。
天真爛漫、八方美人、自由奔放、自分勝手。だいたいここらへんの特徴が並ぶ、B型です。概ね合ってる。血液型占いに慣れ親しんだ世代だから、この特徴に自分が無意識に沿っていった節すらあるなぁとも思います。
そういえば、最近は日本でも血液型ってあんまり重視されてないみたいですね。欧米では自分の血液型なんて知らんみたいな話を聞いた時は驚いたのを覚えています。
でも、よく考えたら日常生活で血液型の情報が必要になるシーンなんてほとんどないし、血液型占いも全く根拠ないし、人類みな4種の性格に分けるとか、かなり大雑把なもんですよね。

自分のアイデンティティの一部として溶け込んでいた「B型」というカテゴライズが、時代とともにその意味を為さなくなっていく。そういうこともあるんだなぁ、としみじみ思います。こうして100の質問の項目に入っていられるのも、時間の問題かもしれません。
今は血液型に代わって、MBTI診断の結果が自己紹介の場でよく使われるんだとか。若い世代では、自然と互いのMBTI診断の結果を共有する文化も育ちつつあるそうです。会社のチームビルディングにも活かされるケースが多いですよね。そのことについては、WorkshipMAGAZINEさんで記事を書かせていただきました。

MBTIはちゃんと質問に答えて導き出されるものだし、16種に細分化されてるし、血液型よりよっぽど互いを知るために使いやすいでしょう。血液型占いは、いつか2020年代生まれの子達に「えっ?何それ!」って驚かれるような、昔々のモノになるのかもしれませんね。

出身地

北海道です!北海道だいすき!
大学進学を機に上京して、10年間は東京に住んでいたのですが、たしか5年目くらいで「はよ北海道帰りたい…」って思い始めたはず。
若いころは、やっぱり時代の先端を感じてみたかったし、都会の生活も送ってみたかったし、バリバリ働いてみたかったから、東京に出たかったんです。でもいざ出てみたら、あまりにも環境が肌に合わなかった…。
東京はとても楽しいし、出会いも多くて成長できる街だけれど、空も、部屋も、スケジュールの間隔も、何もかもが狭いから、ずっと息苦しく感じていました。年齢を重ねていくごとに、「ここに死ぬまでいるの…?」という違和感が、重たくのしかかってきたのを覚えています。
(当時の想いを振り返って「まいにちdoda」で書かせていただいたエッセイ、もしよければ併せてごらんください)

フリーランスのライターになって、北海道に戻ってきたとき、どんなにホッとしたことか。用事もないのに外に出て、ああ、季節のにおいがするんだよなぁ、と深呼吸を何度もしました。何かのシルエットに切り取られない、ずっと先まで広がっている空が好き。だだっぴろい空き地がほうぼうにあるのも好き。ぎゅうぎゅうに詰められていない広さ。ここで生きたい、ここで死にたい。そう思えるのは、やっぱり北海道でした。

今は生まれ育ったエリアに近い田舎に一軒家を建てて、庭で野菜やハーブを育てながら、居心地いい一室でライティングの仕事をしています。休日は、車で行けるすこし遠いところまで行って、地元の祭りに足を運んでみたり、道の駅でおいしいものを食べたりもしています。あと、地元の友人を呼んで庭でBBQをすることもありますし、この前はとうとうキャンプデビューしました。何が言いたいかって、最高なんですよ、北海道の暮らしは

子どもの頃は、自分に選択権も財力も免許もなかったから、「ただ寒いだけの田舎」くらいにしか思っていなかったのですが、大人になって暮らすとまじで楽しい。自然と溶け合う遊びは飽きることがないし、美味いものはストレートに幸福を与えてくれる。五感が直で震えるタイプの感動を求める人なら、道内だけで十分こころが満たされるはず。
もちろん、いいことばかりではありません。冬はほんとうに雪かきが大変。(その大変さは、下記のnoteで書いたので、もしよかったら読んでみてください…)

それに、一つひとつの食材やアクティビティにかかるコストは東京に比べて安いけど、一軒家とか車とかの維持費及びローンはかかる。何にどうお金を遣うかが違うだけで、北海道だからトータルコストがめちゃくちゃ安いってわけではない。なので、ほんとうにタイプによりけりなんだと思います。
私は生まれ育ったこともあって、この北海道の楽しみ方、味わい方、時間の流れ方がだいすき。だから今も暮らしていて大満足です。

中学時代の部活

合唱部です!
パートはアルトです!
中学校の思い出はほとんど合唱部というくらい、私の人生に大きな影響を与えた部活動です。

最初は「ピアノやってるし、なんか音楽に関わる部活ないかな」という感じで、合唱自体に興味はありませんでした。入部してからも、私は声帯があまりよろしくなくて、めちゃくちゃ活躍したわけではありません。
それでも、自分なりに努力はしました。合唱曲はピアノで出合ってきた曲とは異なる面白さや魅力があって、私にとっての「音楽」の新しい扉を開いてくれた。とてつもなく惹かれたのを覚えています。
混声四部のハーモニーがどのように編まれているのか楽譜から紐解き、自分の役割を想像しながら懸命にパート練習をして、全体練習した瞬間ようやくしびれる、あの感覚。ひとりでやる音楽しか知らなかった私に、みんなでやる音楽の楽しさを教えてくれたのは、合唱でした
全国大会に出場したり、ときどき入賞することもあるレベルの強豪校だったので、練習はかなりハードでした。だからこそ合唱の喜びを体感することもできたのだと思います。

歌うからだを作るために筋トレをしたり、ぴたりとハーモニーがはまるまで延々と同じ部分の練習を繰り返したり、歌詞を読みあってどう解釈するか議論したりする学校だったから、私は合唱にハマれました。性格も趣向も違う大人数で一同、音楽にど正面から向き合って、泣いたり笑ったりしながら歌って、3年間過ごせたことが、私にとっては何にも代えがたい経験です。

大人になってから遊んでくれている地元の友人は、じつはほぼ全員この合唱部で出会った人たちです。時が経って、みんな異なる職種に就いて、やっぱり性格も趣向も違うわけですが、中学時代をともに過ごしたからか、妙な仮面をつけずに話せるのがほんとうに気楽で心地いいです。10年ぶりに東京から北海道に戻ったとき、孤独に病むのではないかと不安でしたが、年月を経ても変わらず時間を過ごしてくれた人たちに、感謝しかありません。
ちなみに私が好きな合唱曲は、「おんがく」と「祝福」です。木下牧子さんのつくる曲が好きなんだ。

高校時代の部活

高校時代は帰宅部でした。……で終わるのがもったいないので、私にとって部活動に等しいくらい時間を注いでいた課外活動の話をします。
夢小説の執筆です。

フォレストページというサービスを利用すると、簡単に夢小説サイトを作ることができます。え、夢小説って何って?それはですね……。
簡単に言えば、特定の対象との夢物語に簡易的に没入できる、Web小説のシステムです。なんだか小難しいですね。例えば、誰か好きなアーティストや漫画のキャラクターを想像してみてください。その人と恋に落ちる小説を書いたとしましょう。そして、恋に落ちてもらうヒロイン役のお名前を「##name1##」にします。すると、夢小説サイトでは、その「##name1##」に任意の名前を入れて小説を読むことができます。つまり、大好きなあの人から、自分の名前を呼んでもらえるというプライスレスな小説が、できあがるわけです……。

テクノロジーが発展した今、この夢小説のシステムを解説しても、「それの何がおもしろいの?」と首をかしげられるかもしれません。けれどこれは私が高校生の頃のことです。2005年、まだGoogleすら普及していたかあやしい時代、インターネットをさまよい始めた私にとって、夢小説は画期的なものでした。
当時L’Arc~en~Cielに沼っていた私は、メンバーと恋に落ちる疑似体験ができる夢小説を大量に書いていました。寝る間も勉強時間も惜しんで。そして自分の小説の世界観をあらわすWebサイトを、HTMLやらCSSやらをいじくってなんとかこさえて、メルマガ登録ができるようにして、いっちょまえに読者アンケートなんかも取って、夢小説ランキングでしばらくは1位を取り続けるようなサイトを運営していました。いやぁ、楽しかった

当時はPDCAとか何にも知らないけれど、ただただ「読者の人を楽しませるために何を提供したらいいのか」を模索していて、無意識のうちにPDCAをゴリゴリ回していました。小説を書くのも心から楽しくて。時間もたくさんあったし、徹夜明けでも学校に行く体力があったし。
振り返ってみると、泣きたくなるくらいうらやましいな、高校時代の私
部活動とは違うものの、情熱を注いだ活動ではありました。当時のおかげでインターネットというものに慣れたし、文章を書くスピードもはやくなったし、今自分がライターになったきっかけのほんのひとかけらには、あの頃の積み重ねがあるかもしれません。

習い事なにしてた?

ピアノです
6~22歳くらいまではレッスンに通っていました。私のピアノへの情熱を支えてくれたのは、モーリス・ラヴェルというフランスの作曲家です。ラヴェルの曲がとにかく大好きだったのですが、楽譜を読むと難解で、指もうまく回らなくて。どうにかラヴェルの曲を弾きたくて、ひたすら基礎練習に耐えました。……という話は「利き手」のところで話したので、ここでは違う話を。

私は連弾も大好きでした。連弾とは、ピアノを二人で弾くことです。ソロで弾く曲よりも音数が増えるので、もとより表現力豊かなピアノが、さらに鳴る感覚を味わえるのです。特に2台ピアノの曲がいい。
連弾のときは、一緒に弾く相手によって自分のことを変えていく必要があります。優しい音の〇〇ちゃんと弾くときは、音を控えて、あまり圧をかけないように。音楽をどんどん前に進めたがる〇〇ちゃんと弾くときは、テンポを一定に保つことを意識しつつ、相手が輝くように支える立場で。そんなことを考えながら、呼吸がぴったり合う、曲として成立する瞬間を探っていくのが、とても楽しかったのを覚えています。

私は、幼いころからコミュ障でした。しゃべるのが苦手というよりも、相手が傷つく言葉を知らず知らずのうちに言ってしまうことが多いから、できるだけ相手を傷つけないように黙っていよう、と思っていたのです。何が原因だったかはわからない、けれどただ周囲から嫌がられていることだけはわかる。そんなことが続くと、自信がなくなってしまいます。
そんな自分にとって、連弾は唯一、相手を傷つけずにできる会話でした。日本語の言葉を介さなければ、相手を嫌な気持ちにさせることはない。当時の私にとって、ピアノで会話できることは救いでした。あの頃、言葉じゃなくて音楽が主言語になればいいのに、などと妄想していたのを思い出します。みんな自分が鳴らしやすい楽器で、感情の起伏だけを交わして、呼吸だけを読みあって、好きな人とは合奏を楽しみながら生きていけばいいじゃん、と。

その世界が「素敵だ」と思えるくらいには、私はピアノを自分の一部にできていたんだと思います。上手だったかどうかは置いておいて、ピアノは当時の私にとって、かけがえのない存在でした

そして2025年、大人になってから出会ったまよさんという友人と、連弾を弾こうと言って、またピアノの練習を始めています。楽しいです。大人になった自分ができる、ピアノでの会話を、また楽しみたいな。

やったことあるアルバイトは?

スナックです
最近「スナックやどりぎ」なんて名前でオンライン飲み会を不定期で開催したり、「スナックテレカン」という名前のPodcastを配信していたりしますが、じつは若かりし頃、リアルスナックでアルバイトをしていました。

酒がめちゃくちゃ好きなので、お金をもらって酒が呑めるなんて、そんな贅沢なことあっていいのかよ、と働き始める前は思っていました。でも、いざ働いてみると、仕事だといくら呑んでもきもちよくは酔えないんだなぁ、と気づきました。そもそも自分がきもちよく酔ったら接客が終わるので、酔っちゃだめなんですよ。量はしこたま呑むけど、酔っちゃだめ。実際やってみるときついもんです。
そして最初は「ママみたいに話し上手にならなきゃ」と身構えていましたが、スナックで求められるのは相手が気持ちよく話せる「聞き役」の力です。とはいえ、真面目に全部聞こうとしてもだめ。ゆるく聞き流しつつ、されど要点は聞き逃さない、欲しい合いの手は入れる、絶妙な粗い聞き方をすることが重要なのです。アルコールが入った状態で、ほどよく粗い「聞き役」をキープする力を鍛えたおかげか、今はノンアルコールの取材なんてへっちゃらさ、と思えています。

何度もおなじ話ばかりする常連のおじいちゃん。毎回競馬で負けた話をして、ある日を境にぷつりと来なくなったアカマルを吸ってたお兄さん。毎回カウンターに陣取ってママの手作り料理を頬張り、鏡月グリーンのボトルを空けていく近所のご夫婦。サザンばかりカラオケで入れるけど、歌い方を寄せすぎて歌詞が聞き取れないおじさん。
みんな覚えてるけど、何を話していたのかはさっぱり思い出せない。あそこで稼いだお金を、自分が何につかったのかも覚えていない。あのアルバイトっていったいなんだったんだろうって思うくらい、何も残っていない。

でも私は、あれから10年くらい経った今、“スナック”という場所をコンセプトにした活動を複数展開するくらいには、あのスナックという場所と、そこに流れる時間が好きだったんだと思います。
人間のしょうもない部分をいとしいと思う感覚を知ったのも、あのバイト先のスナックだったかもしれない。自分は完璧じゃなくていいんだ、と初めて思えたのも。そう考えると、私はものすごく大切なものを、あのアルバイト経験から学んだのかもしれません。

いまの趣味は?

庭!庭づくりです!

まだnoteにはこれしか書けていませんが、庭づくりは本当に沼が深いですよ。というか、やることがなくなることがない、果てしない。ふだんオンラインの世界でデジタルな仕事をしていると忘れがちなのですが、オフラインの世界って、まじで効率化とか無理なことがいっぱいあるんですよね。例えば、土を耕そうとすると、石がたくさん出てきます。この石、土の中からぜんぶ取っ払いたいんですよ。頭の中で想像します。石をシフトを押しながら選択していって、デリート。……が、できないんですよ。だから手で拾います。ふるいにかけることもできますが、土地が広いとふるいなんて使ってたら一生終わりません。で、その後もあります。拾った石をどうするか。もちろん、ごみ箱に捨ててワンクリックで「空」にしたい。けど、できない。だから石を置くエリアをまた作ります。そんなことをしていると、あっという間に日が暮れてしまいます。

インターネットを検索すると、素敵な庭の写真がたくさんヒットします。私はその庭の主、一人ひとりに取材したい。何年かけてそれだけの庭を築き上げたのか。最初はどんな荒地だったのか。トータルコストはいくらかかったのか。私が知りたいのは、誰もがうらやむ完成形じゃなくて、そこに至るまでのリアルなプロセスだ、と叫びたい!!!
……失礼、ちょっと興奮してしまいました。趣味の話でしたね。苦しい息遣いが漏れてしまいましたが、庭に出る時間はめちゃくちゃ好きです。植えた野菜が実をつけるのも、花が咲くのもうれしい。一生けん命耕した土が柔らかくなった日には、もう小躍りしちゃうくらい喜びます。なにより、生粋のひきこもりである私を、日光のもとに引きずり出してくれたのは庭です。定期的に庭をいじるようになってから、メンタルもだいぶ安定しました。

ガーデニングのYouTubeチャンネルをかたっぱしから登録し、「小道を作りたい」と思えば「モルタル 小道 DIY」で検索し、お昼ごはんを食べながら「北海道 宿根草」で調べた結果を眺めて「何を植えようかなぁ」と想像をふくらませる日々。
やりたいことはいっぱいある。けれど、体力や時間の制限上、ちょっとずつしか進められない。だからたぶん、一生飽きずに庭に出られる。ほんとうは一気に終わらせたいけど、一気に終わっちゃったらつまんないよね。何度も何度も心の中で理想の庭を塗り替えながら、じっくり味わって、ちょっとずつ形にしていくのだ。我ながらいい趣味を持ったと思うし、庭をいじり倒せる土地を買ってよかったな、と思う。

特技は?

……ない……んじゃないか。初めて、即答できない質問がきました。
特技って難しいですよね。だって、特別な技ですよ。めちゃくちゃハードル高くないですか?
なんとなく人よりはできるかも……と思うことなら挙げられます。でも、そのいずれにも上には上がいるから、自分が「特技」なんて言っちゃおこがましいという感覚が走って、とてもじゃないけれど言えません。

あ、でも、周りの人からかなりの確率で褒められることがあります。「笑顔」です。それは、その人たちのことを私が大好きで、楽しい時間を過ごさせてもらっているからだと思うので、特技と言っていいのかわかりませんが、「雪樹が笑ってるとこっちまでしあわせになる」とか、「ごはん食べてるときめっちゃいい顔で食べるから、一緒に食べたくなる」とか、褒めてもらえます。

しあわせなときに表情に感情のぜんぶが出るんですよね……!だから、私のことをしあわせにしてくれる人には、おそらく私の笑顔で多少はしあわせをお返しできると思います。

そのくらいしか思い浮かばないくらい、これといった特技はないのですが、周りの人としあわせな時間を紡げる笑顔というものがあるということで、人生がだいぶ明るくなっている気がするので、この笑顔を「特技」に挙げられるような日々をこれからも守っていきたいですね。

座右の銘は?

「まっさら」です
座右の銘って言うと、「石の上にも三年」とか「継続は力なり」とか、割と「続ける」ことを尊ぶ言葉が多いような気がするのですが、私は残念なことに、この「続ける」ということに対してはあまり自信がないし、自分自身が「続ける」ことを重視してきたわけでもないんだと思います。

私がいつも自分の行動を決めるときに重きを置いてきたのは、新しいことに挑戦するときにビビらないことと、どんなことでもゼロから学んで楽しもうという心意気です。あと、多少知識がある分野でも、都度必要に応じてニュートラルな視点で捉えなおせるように、「何も知らない」前提で吸収しようとすることがよくあります。

人はみな等しく、1日24時間しかありません。もって生まれた才能や容姿、それに伴って築かれる財力や人間関係などの要素には、残念ながら格差が生じるものだと思いますが、与えられた時間だけは平等です。
その24時間をどんなふうにつかうかが、自分の力でコントロールし得る限界だとも思っています。
そのときに、いくつもの「続ける」で自分の24時間を埋めていくと、すぐに24時間はいっぱいになってしまいます。たくさんの「続ける」で満ちた24時間が築いていく人生も素晴らしいものだけれど、私は空白をそこに用意しておくことで、新しいものを受け入れられることに大きな価値を感じています

だから、私は基本的には「まっさら」でいたい。自分の人生からは大きく離れた“何か”と出会えるような余白を残しておきたい。そうすると、予想外の面白い方向へと、自分が想像もしなかった未来へと、人生が進んでいきそうで、わくわくするから
もちろん、この「まっさら」を座右の銘とする人生には、落とし穴もあります。「こんなことならやらなきゃよかった」「なんとも時間を無駄にしてしまった」なんて落ち込む日も、数えきれないほどあります。
でも、それもまた振り返れば「あのときの失敗が今こんなふうに化けるのか」という驚きの展開につながることもあって、面白いんです。

それに「まっさら」と言ったって、毎日記憶がリセットされるわけではありません。あくまでマインドを「まっさら」にしているだけなので、学んだこと、経験したことは確かに積み重なっています。
気持ちが「まっさら」なまま経験値が重なっていくと、すっきりした気持ちで老いていける気がしています。過去の栄光や培ってきたスキルにすがったり、年齢に応じて生じる権威性を誇示したりしなくて済むから。

兄弟姉妹いる?

姉がひとりいます。
姉は年がかなり離れていて、私が物心ついた頃には、もう大人という印象でした。だから私は家族の中で自分だけ子どもだというコンプレックスがどこかにあって、姉ともそんなにたくさんは話してこなかったと思います。

30代になってから、ようやく姉と話せるようになってきて、今は定期的に電話をします。姉と電話する時間が私は大好きで、ほかの人には話せないようなことでも気にせず話せることに、ホッとします。
おなじ実家で、おなじ両親のもと育ったというバックボーンを持つ、私にとって世界で唯一の人。性格は違いますが、姉としか共有できないものがあって、話していると「私、一人じゃないんだな」って思える瞬間がたくさんあります。
どんなにいろんなことを経験しても、変わらない部分って人は誰しもあると思うんですけど、姉はそういうどうしようもない部分でわかりあえる人です。

あと、姉に感謝しているのは、趣味を真似できたこと(もしかしたら姉は嫌だったかもしれないけれど……訊いたことないからわかんないや)。私は小さいころ、姉が聞いている曲、姉が着ている服、姉が読んでいる本を「カッコいいな」と、あこがれていました。私より一足も二足も先に上京した姉の背中を、どこかで追っていた気もします。
だから同世代が知らないアーティストやファッション、作家を知る機会があって、当時にしてみたらかなり大人びたものに惹かれていました。精一杯の背伸びをして、そのカッコよさをわかろうとしていた自分が、今の自分に与えた影響は大きいです。

今、姉とよく話しているのは家族の今後のこと。それこそ、両親がそれなりに高齢なので、「これから具体的にどうしようね」と頭を悩ませるトピックはいろいろとあるものでして。けっこうナイーブな話題が多くはなるのですが、そういう話題でも、ちゃんと腹を割って話し合える姉がいてよかった、と思います。

ペット飼ってる?

今は飼ってません。

昔、実家に住んでいた頃、犬を飼っていました。私はその犬が亡くなったとき、すでに上京していて看取ることができませんでした。私はその犬のことを弟のようにかわいいと思っていた一方、ほとんどの世話は母がしてくれていたし、彼が老いたあとの時間は一緒に過ごせませんでした。正直、東京で新生活を始めてから、犬への気持ちがスッポリと抜けていた自分を、今でも悔しく思います。私が抱いていた犬への気持ちなんて、軽いものだったのかも、と。犬が亡くなったときの悲しみは、途方もないものだったけれど、こんなに悲しむ資格が自分にはあるのかと思って、感情をうまく消化できませんでした。

だから、犬のことを書くときは気持ちが重くなります。悲しんでいる自分に浸っているような気がして、自分よがりに美化しようとしている気がして。

ときどき、その犬が夢に出てきます。夢じゃなくて現実なんじゃないかと思うくらい生々しく、毛の触りごこちや匂いまで近くにあるような感覚になるので、起きてから涙が止まらなくなるんです。何か伝えたいことがあったんだろうか。いや、私に対してなんて、何もないか。答えがないのに、そういうことを考えてしまう。

その犬は、私がピアノを弾いているとき、よく歌う子でした。ふつうに吠えるのではなくて、ピアノの特定の曲を弾くときだけ、音程をつけた遠吠えのような感じで鳴くんです。「この曲好きなんだな」と思って、べつに練習する必要がないときでも、その声が聴きたくて、よく弾いていました。亡くなってからは苦しくて、その曲は、もう弾けません。

そんなこんなで、私はいまだに「次のペット」なんて考えられないんです。私は新しいペットと出会ったら、彼とのそういう思い出を塗り替えてしまうんじゃないかって、心配で。だって、東京で新生活を始めたときだって、私は老いた彼のことを忘れる時間があったんだから。そういう薄情な自分には、ペットなんて飼う資格はないと思ってしまいます。

それに新しく命の責任を負うことも、今は怖くてできません。私は、おそらく彼の死のあと、動物の死という事象自体がとても苦手になってしまったのだと思います。映画などのフィクションでも、動物が死ぬシーンだけは直視することができません。

昨年、北海道の田舎の夜道を、現在付き合っているパートナーが運転する車で走っているとき、「ごつん」と鈍い衝撃が走ったことがありました。その瞬間の前にも、ハイビームで焚いたヘッドライトに、きらりと緑色に小動物の目が光ることが何度かありました。狐とかアライグマとか、そういう類の動物が、道の左右に広がる森の中に住んでいたのだと思います。
パートナーは、決してスピードを出していたわけではありません。あれは避けられない事故だったのだとわかっています。でも、私はその鈍い衝撃に動揺してしまい、軽い過呼吸のようになってしまいました。しばらく車を停めてもらうほどに。

死んでしまうことは、しょうがないことなのに。それをいまだに受け入れられない。自分がもっとできたことはあったんじゃないかって、つなげなくてもいい過去と今が勝手につながって、思考がショートしてしまう。

……ああ、やっぱり、犬のことを書くとこうなりますね。いろんな過去や出来事、感情が交錯して、どうしようもなくなってしまうんですよね。

動物は大好きです。誰かが飼っているペットを撫でるときも、心から癒やされています。でも、これからもペットを飼うことはないと思います。幼い頃を共にした犬を死ぬまで忘れたくないし、忘れる自分を許せないから。

飼ってみたいペットは?

1個前の質問への答えがすべてです!省略します。

好きな食べ物は?

(※ここで一度、休憩はさみました。気分を転換したくて。もし一気読みしてここまで来た方がいたならば、いったん一緒にお休みしましょう……)

はい!これはもう、どうしましょうかね。ありすぎるんですよ

ひとつに絞れないので、ランキング形式で語ります!

第5位「ちらし寿司」

母のちらし寿司

子どもの日生まれだからか、幼いころから誕生日の食卓にちらし寿司が並んでいた記憶があります。そのまま成長したら「お祝い=ちらし寿司」という脳と舌を持つ大人になりました。めでたいことがあるときに、料理を作ってくれる人から「何か食べたいものある?」と問われると、きまって「ちらし寿司!」と子どもみたいなワクワクした声で答えます。

酢飯ってめちゃくちゃ美味しいですよね。白飯も大好きなのですが、酢飯になるといつもよりもスイスイ食べちゃう。特にちらし寿司のときは、平気で2合くらい平らげます。
ちなみに、ちらし寿司の魅力を叩きこんでくれた母のちらし寿司は、サーモン、いくら、きぬさや、卵、桜でんぶがトッピングされています。サーモンやいくらがたくさん入っているのももちろん嬉しいのですが、私が特に好きなのは、甘い卵と桜でんぶ
酢飯のすっきりとした酸味に彼らの甘さが混じり合って、いくらの塩味がぷちりとはじけた瞬間は、もう、たまらなく美味しいんです。

誕生日なり、元旦なり、何かの祝いごとがあるときは気持ちも高まっています。そういうときに、さまざまな料理を率いるみたいに、パステルカラーであふれた宝石箱みたいなちらし寿司がテーブルのセンターにドンと咲いていると、もうそれだけでしあわせになれます。

第4位「沖縄そば」

沖縄で本場の沖縄そばを食べてから、急速に好きになりました。やさしい鰹節のだしの効いたおつゆ、素朴な味わいの麺、甘くほろほろに煮込まれた肉……。こんな完璧な組み合わせありますでしょうか。

楚辺のまかないそば

特に私が好きなのは楚辺そば」のまかないそばです。行列が絶えない超人気店ですが、沖縄に行くことがあったら必ず足を運びます。シンプルイズベストな王道沖縄そばの味わいで、味付けのバランスが最高です。

沖縄限定「朝すば」

あと、沖縄旅行で度肝を抜かれたのが、沖縄のファミリーマートでのみ購入できる「朝すば」。コンビニの商品だからと侮ることなかれ、めっちゃ美味しいです。
前夜にしこたま呑んでちょっと二日酔い……という朝でもすーっと浸透するやさしい味。乾麺じゃなくて生麺なので、お湯を注いですぐ本格的な麺をすすれるのも魅力。
あまりにこの「朝すば」が好きすぎて、ネット購入できないかといろいろ調べたのですが、やっぱり沖縄のファミリーマートじゃないと買えないみたい。
こんなにも沖縄そばが好きなのに、北海道ではなかなか思い描く味の沖縄そばに出会えないのが残念です。北海道の沖縄料理屋さんが出す沖縄そばは、ちょっとラーメンっぽい要素がちらつくんですよね……北海道好みにしてくれてるんだと思うのですが、私は本場の味が好きなのです!

第3位「アップルパイ」

甘いもの部門ならダントツ1位、アップルパイ!

函館旅行に行ったときに、函館と七飯町で買いあさったアップルパイたち

アップルパイって店によって個性があって、食べ比べると楽しいんですよ。酸味・甘味どちらを優先するか、生地をパリパリにするかしっとりにするか、りんごをそのまま味わえるようにするか、ペースト状にするか……。選択肢がたくさんあるからこそ、こんなにも楽しめるんだと思います。
そもそも加熱したりんごってなんでこんなにジューシーで濃厚なんでしょう!ギュッと旨味が詰まっている感じがたまりません。ほかの果物が主役のパイやタルトもあるけれど、私はアップルパイが一番好きです。

「三角山アップルパイ」の豊富なラインナップ

ちなみに札幌には「三角山アップルパイ」というアップルパイ専門店がありまして、こちらでは王道アップルパイに加え、チョコやチーズなど他のケーキの要素を合わせたアップルパイ、そして季節限定アップルパイなど、さまざまな味わいのアップルパイが楽しめます。パン屋でもケーキ屋さんでも「アップルパイ」は1種類というのが一般的ですが、「どのアップルパイにしよう~!」という贅沢な悩みを抱けるのがこのお店の魅力です。

こうしてアップルパイが大好きという文章を書きながら過去のアップルパイの記録写真をあさっていて、だいたいどの写真にもたくさんのアップルパイが写っているんですが、この量を一人でペロリと完食している私、だいぶカロリー的にやばいな……と反省しました。

第2位「牡蠣」

口に入れた瞬間に広がる、まろやかでクリーミーな海の旨味。ああ、牡蠣よ、どうして君はそんなに美味しいんだい……。私は大のお酒好きなので、日本酒と共に味わうことで一層とろけています。

シンプルに焼いた牡蠣

特に私が好きなのは、祭りの出店で売っているシンプルに焼いた牡蠣。青空の下、待ちに待って手に入れた焼き牡蠣を一口で放り込んで、はふはふして、口の中いっぱいに旨味がはじけて、それをお酒で流し込む。この一連の流れで、私の幸福ゲージは絶頂に達します。

牡蠣と酒が手元にあるからご満悦

ほんとうにほんとうの好みで言えば生牡蠣が好きなのですが、生牡蠣はあたるリスクがあるので、ちょっとどきどきしながら食べなきゃいけませんよね。それでも食べるんですけど、一切あとのことを考えずいっぱい食べられるという点では、焼き牡蠣のほうを選びがちです。

第1位「ラーメン」

愛してるよ、ラーメン。

「えびそば一幻」のえびみそラーメン、一幻ぎょうざ、えびおにぎり

もう、ほんとラーメンというジャンルのすべてが好きなのですが、中でも一番好きなお店は「えびそば一幻」です
ここに行ったら、まずは行列に並び、むせかえるようなえびの香りを吸い込みます。「ああ、はやく食べたい、あの味を、はやく……」と禁断症状と戦いながら、ようやく入店します。そして血走った目で注文します。
えびみそのあじわいを、細麺固めで!
しばらく期間が空いてしまうと、さらに「一幻ぎょうざと、えびおにぎりもお願いします!」と付け加えます。
一口スープを飲んだ瞬間のえびの旨味。ギルティ。そのままのえびより、一幻のスープのほうが“えびしてる”といつも思ってしまう。そのくらい濃厚なえびの香りが楽しめます。そして、あらかた麺を食べ終わったあとのスープに、サイドメニューのえびおにぎりをドボンと投入するんです。これが、また……たまらなく美味しい。一連の流れすべて含めて、私はみそ味で楽しむのが好きです。しお味、しょうゆ味もそれぞれいただいたことがありますが、えびの香りとの相性、おにぎりドボンの感動で考えるとみそがベストでした。

一蘭の森で食べた一杯

あと、ラーメンの中でいくつかに分かれる流派の中では、九州のとんこつラーメンが好きです!道産子なのに札幌ラーメンちゃうんかい……という感じですが、とんこつラーメンのクリーミーさと細麺の組み合わせに恋してます。

札幌にも店舗を構えてくれている一蘭」が大好きで、昨年九州旅行に行ったときは、一蘭のラーメンがすべて製造されているという「一蘭の森」に聖地巡礼の気持ちで行ってきました。「こんなに美味しいなんておかしい、さては法的にヤバい材料を混ぜてるんじゃないか……!?」と疑っていましたが、素晴らしい思想のもと徹底的に管理された工場で、こだわりのもと生産されているからこその美味しさなのだと学びました(笑)。経営者の思想や会社の歴史も展示されていて、一蘭が一層好きになりました。

嫌いな食べ物は?

……これ……ない……かも。

まじで食べることが大好きで、オールジャンルいけてしまうんです。昆虫食は虫が苦手だから食べられませんが、味として嫌いというわけではないし、誰かと一緒にごはんを食べるときに出てくる選択肢でもないので、「嫌いな食べ物は昆虫食です」って答えるのもたぶん違いますよね……。

すこし質問の趣旨とはズレてしまうかもしれないのですが、ときどき飲食店の宣伝などで見かける「絶対に合わないであろう組み合わせの料理を作ってみました」みたいな一品が、思想的にあまり好きではありません。やってみたら意外と美味しかったっていうのは実にいいことだと思うのですが、意外性によって訴求する、もっと言えば美味しさを追求して至った答えではない料理を見ると、食材やその食材を生み出す生産者に対して失礼なのでは……という考えがよぎってしまうんです。

飲食店が経営を続けていくためには、何かしらの差別化が必要なのだということは理解できるし、マーケティングの一環として人の目につくメニューを開発することは大切だとは思うのですが、長期的な視点で見たら「美味しい」という感動を積み重ねていくこと以外、結局勝ち筋はないんじゃないかなぁ、なんて思ってしまうんです。実際に経営したことがない身でこんなことを言うのはおこがましいので、そういう店を見たら「自分は行かない」という、それだけなのですが……。「嫌いな食べ物」を問われて、しいて言うのであれば、そういう料理があまり好きじゃないかな、と思いました。

好きな飲み物は?

ノンアルコール部門ではハーブティー、アルコール部門ではワインと日本酒です。

まず、ハーブティーのほうから。ハーブティーはブレンドによってあらゆる表情を見せてくれる奥行き深い飲み物で、味が好きというのはもちろん、コンディションを整えるのにも効果的です。そのときどきの体の不調に耳を傾けながら、「今日はストレス過多な日だったから、カモミールで落ち着こう」「これから集中したいからミントを取り込もう」といった具合に、複数ストックしてある中から選んで飲んでいます。

自宅で収穫したバジルで淹れたフレッシュティー

また、私は自宅の庭でハーブを数種類育てているのですが、夏は庭から摘んできたハーブにそのまま湯を注ぐフレッシュティーを飲むのが好きです。乾燥した茶葉よりもダイレクトな香りが楽しめるし、飲むと「からだが喜んでいる」という感覚が一層押し寄せてきます。ハーブティーというより、香りがついた白湯みたいなイメージなのですが、これを飲んだ日の朝は気持ちが落ち着きます。

また、2025年1月にリリースされた「TOKI herb tea」では、なんとブレンドを担当させていただきました。いつか大好きなハーブティーに関わる仕事がしたいと思っていたのですが、こうした形の機会を展葉社さんにいただけたことを、ほんとうに感謝しています。私が「美味しい」と思うハーブティーのすべてを詰め込んだので、気になる方はぜひ飲んでみてください。

次に、アルコール部門のワインと日本酒の話を。お酒ならなんでも喜んで飲むのですが、ワインと日本酒は特に食との相性がいいお酒だと思います。どちらも銘柄によって味わいの違いが幅広く、自分のお気に入りを探していく冒険のような楽しさも味わえます

利き酒セットが大好物

飲み比べると、それぞれの個性をしっかりたしかめられるので、日本酒の「利き酒セット」やワインの「3種飲み比べ」といったメニューがあると迷いなく注文します。ご機嫌な日の私は、それらをちびちびやりながら「この日本酒、牡蠣との相性が良すぎてびっくりする」とか「生ハムとメロンとこのワイン、三位一体」とか、実に粗い感想をにこにこしながら言い続けます。

しかしながら、いつも感覚的にお酒を楽しんでいるので、知識をちゃんと蓄えていないのが我ながら残念なところ。お酒の席では会話に夢中ということもあり、飲んだお酒のメモもしていないので、「あれ?あの美味しかったお酒、名前なんだっけ……」と、あとから首をいつもかしげています。

お酒の話をしたついでに、私がずいぶん前から引っかかっているお酒の案件をご相談したいです。
はるか昔、私はあるワインを飲みました。そのワインは姉妹になぞらえたというコンセプトで、3本1セットという特徴があったと記憶しています。知人がどなたかからの贈り物でいただいたらしく、3本が重厚な木箱に入っていました。フランスのワイン……だったと思います。自信はないのですが。
その3本が、めっちゃくちゃ美味しかったのです。中でも末っ子をイメージしたという1本が、私の人生の中でベストだったんです。口の中に広がる香りに、「天真爛漫でかわいくて、どこか危なっかしくて魅力的な末っ子」のイメージが鮮烈に浮かび上がりました。
そのワインを飲んでから、私は「あのときの、あの味よりも美味しいか」という基準を持つようになって、もう10年以上経っているというのに、いまだにあのワインが好きだという気持ちが揺らぎません。もう、これは恋です。私はあの末っ子に恋をしてしまったのです。

なにしろ情報がふんわりしすぎていて、その後ちゃんと調べてみようといろいろ検索してみたものの、「これだ」というワインには出会えませんでした。もう生産されていない可能性もあるし、いただいた年の1本が奇跡的に上出来だった可能性もあるので、「あきらめろ」と自分に言い聞かせているものの、ずっと、ずっと忘れられません。
……もしもこの情報を見て、ピンときた方がいたら、ぜひコメントなりXのDMなりにご連絡ください。100の質問なのにYahoo知恵袋みたいな使い方をしてすみません。ちなみに、2018年あたりに一度まじでYahoo知恵袋に投稿してみたのですが、めぼしい情報は集まりませんでした。

嫌いな飲み物は?

ありません。

「嫌いな食べ物」のほうでは「美味しさを追求して至った答えではない料理が嫌い」と言いましたが、飲み物のほうだとそういうパターンがあんまりない気がするので、ほんとになんでも飲めます。

ただ、昆虫食と同じタイプの苦手さなのですが、ハブ酒のように、漬け込んである動物が瓶の中に見えるビジュアルは苦手です。そのビジュアルを自分の目で見なければハブ酒も飲めるのですが……。

好きな動物は?

猫とフクロウとクラゲです

まず猫のほうは、パートナーが飼っているので触れる機会が増えて、初めてその魅力を知りました。今まで猫にふれあう機会があまりなくて、猫って「人にはなつかない」と思っていたんです。自由に生きたい動物なら、人間がむやみに“ちょっかい”かけないほうがいいだろう、と思っていました。
それが……なんということでしょう。

かわいいのすべてがここにある

めちゃくちゃ甘えてくるじゃないですか!!なんですか、このかわいらしい姿は!?……この写真の猫はトラというのですが、トラはとっても人懐こくて、家に来る人には誰でも甘えん坊らしいです。むしろ膝の上のスペースを空けておかないと「ちょっと、乗れないんだけど」とでも言いたげに「にゃー」と抗議してきます。そこがまた、かわいいんじゃ。

猫を飼っている主さんって「逆に猫に飼われているんじゃないか」と疑わしいくらい猫優先の人が多い気がするのですが、その気持ちがわかりかけてしまいました。まさに、抗えないかわいさ。「女王様、いつまででもワタクシめの足をおつかいください」と、かわいさにひれ伏しています。

……で、パートナーの家にはもう1匹、猫がいます。クロというのですが、クロはトラと性格が真逆で、あまり人に寄ってきません。私がもともとイメージしていた猫に近い感じです。なので、私は「そうかそうか、クロは人があまり好きじゃないのね」と納得して、そっとしているのですが……。

ああああああああ゛!!!!

たまにデレッデレになります。もうね、このデレの一瞬で、日ごろの疲れのすべてが吹っ飛ぶ。いわゆるツンデレってやつですね……。ギャップにやられてしまいます。しかも、ほんとうに落ち着いた顔をして身を預けてくれるのが……もう、かわいすぎて。

2匹同時に甘えてくれるのはレアケース

猫ってこんなに表情豊かで、こんなにおしゃべりな動物なんだって、2匹に出会って初めて知りました。もう、ほんと猫大好き。

でもね……これだけ猫の話をしておいてなのですが……私、猫アレルギーなんですよ。パートナーの家に頻繁に出入りするようになってしばらくしてから、鼻水とクシャミが止まらなくなって、ひどいときは目が真っ赤に腫れあがるようになって……。自分の家では出ない症状なので、「まさか」とおびえながら病院でアレルギーテストをしたら、その「まさか」でした。

薬を飲めば症状はある程度軽減できることがわかったのですが、それでもアレルギーであることに変わりはありません。身を寄せてくる猫たちに目じりをさげて撫でまわすたびに、パートナーから「あんまり触りすぎちゃだめ」とたしなめられる日々……。彼の家に行くと猫を愛でる欲望を制御できないので、最近は私の家を拠点にしています。

ああ、神様、なぜ私に猫アレルギーを付与したのですか……。

さて、猫について長く語ってしまいましたが、フクロウとクラゲについてもさらりと触れます。フクロウは静けさと、まとっている聡明なオーラがめちゃくちゃ好きです。

目を細めている瞬間のフクロウが一番好き

猫は愛でる対象として好きなのに対して、フクロウは自分自身がこう在りたい理想のイメージに近い感じです。

美しくて幻想的なクラゲ

そしてクラゲは、この世で一番美しい生きものだと思っています。見ていると吸い込まれそうになる。絶対に触れられない、だからこそ惹かれ続ける対象です。
昨年、念願の加茂水族館に行ってきました。クラゲがたくさん見られるということで、ずっと気になっていたのですが、あそこはまさにクラゲ愛好者の聖地です。館内を何周もして、バックヤード体験もしました。さまざまな種類のクラゲを見られるだけでなく、生態系や特長についての説明も豊富でした。そして巨大水槽をふわふわと舞うミズクラゲは、まさに圧巻。
加茂水族館は全館リニューアルを控えており、2025年11月から2026年4月までは臨時休館になるとのこと。リニューアル後、また行こうと思います。

苦手な動物は?

虫全般が苦手です。
庭仕事をやるようになってからはだいぶ慣れてきてはいるのですが、それにしてもやっぱり苦手ですね……。
動物の死に対する恐怖心があると「ペット飼ってる?」のトピックで書きましたが、その中には虫も含まれます。
虫って動きが予測できないし、人間の家にずかずか入り込んできて、こっちは命を奪いたくないのに、どうしようもないことがあるじゃないですか。あれがすごく苦手なんです。

自然環境の中にいる虫にはそこまで抵抗感はありません。近づいてこなければ。でも、家の中にいる虫は怖い。なんとか生きたまま外に逃がそうと四苦八苦するのですが、軽々とつぶれてしまうから……もう少し強いからだであってくれよ……。
すこし話がそれてしまいますが、今のパートナーも虫を生かしたまま外に逃がそうとするタイプの人で、それにすごく救われます。ひとりの時は自分で処理しますが、一緒にいる時は「虫が入ってる」とヘルプを求めてしまうことも多くて。
以前付き合っていた人は、何の迷いもなくバンとつぶしてゴミ箱に捨てて、つぶれた後処理をしないタイプの人だったので、今の人と出会えてよかったな、なんて思いました。「それが嫌なら自分でどうにかしろよ」という話ではあるので、当時は何も言いませんでしたが、「感性がこんなにも違うんだな」というショックがじんわりと小さく心に滲んだのを覚えています。

好きな色は?

オレンジ、緑、青です。それぞれ特定の色が好きなので、カラーコードも後述します。

オレンジ=#E15A28。黄よりも赤に寄っていて、深みがある、とろっとしたオレンジが好きです。私はオレンジ色の車に乗っているのですが、車を選んだ基準は色一択でした。ディーラーで出会ったとき、「まさにこの色!」と感動したのを覚えています。私にとっては元気をくれる色なので、ネイルや服など身につけるものにちょこちょこつかいます。車に乗るときも、この色だからいつも上機嫌です。

緑=#003129。かなり青に寄っていて、深みがある緑色が好きです。この色はもともと好きでしたが、自身が経営する会社のコンセプトカラーとして取り入れたあとは、さらに好きになりました。落ち着きをくれる、仕事をしているときの自分のモードにぴったり合う色だなと思っています。

宿木屋のロゴ

青=#004864。こちらは逆に、緑が若干入っている深みのある青です。仕事部屋の壁紙は、この色にしました。オンライン会議のときに背景に映りこむのですが、褒めてもらえることも多くて嬉しいです。私にとっては「溺れていたい・囲まれていたい」と感じる色なので、自分で家を建てるなら絶対にこの色の壁紙をつかいたいと思っていました。

大好きな色に囲まれる仕事部屋

私にとって「色」というものは、気分をコントロールしたり、自分自身を引き立たせたりしてくれるものなので、そのときどきによって生活に取り入れる色は異なります。その中でも、上に挙げた3色は明確に好きで、いつも自分の身の回りにあってほしいと思う色です。

すこし話は逸れますが、クローゼットの服はモノトーンのものを端に集めて、そのほかを虹色に並べています。そのくらい幅広い色の服があって、どの服を選ぶかによってその日の気持ちを高めたり、逆に落ち着けたりしているんです。あと、仕事モード、遊びモード、ひきこもりモードなどなど、自分のモードを切り替える意味でも身にまとう色は重要です。

ちなみにパーソナルカラーはブルべ夏らしいので、私の肌になじむのはペールカラーを中心にした青みがかった色だと思います。が、それはあんまり気にせず、たとえ似合わない色であっても、どんどん取り入れちゃいます。オレンジなんて特にそうですね。「元気になるならいいじゃん」という精神で、オレンジを愛でています。

好きな季節は?

秋です。
でも、北海道の秋は短いです。生命力と活気に満ちあふれた夏が落ち着いて、厳しく凍てつく長い冬が訪れる前の、ほんの一瞬という感じ。

僕なんて冬の前座だけれどせめてこの色だけは忘れないでね

『てのひらにほどけた雪の描き出すちいさな泉へ放つひかり』(宿木文庫)P.25

この短歌は、三角園いずみさんと共著で発行した短歌集『てのひらにほどけた雪の描き出すちいさな泉へ放つひかり』に収録されたものです。私にとって一番好きな秋を、秋と言わずに伝えたくて、詠みました。短歌集について気になった方は、下記から購入できますのでぜひお手に取ってみてください。

まっしろな冬が訪れる前だからこそ、赤や黄色に色づく秋は美しいと思います。それが一瞬で枯れてしまうことも含めて、私は好きです。「桜は儚いからこそ多くの人から愛される」という言葉をどこかで聞いたことがあるのですが、それを言うなら同じくらい紅葉も儚いものです。次に待ち受ける季節が冬ということも加えると、「植物たちが必死で燃えている」と感じるためか、私はその色を必死に記憶にとどめようとしてしまいます。

北海道大学の銀杏並木

秋になると毎年聴いている曲があります。椎名林檎さんの『すべりだい』です。

その時全て流れ落ちた
冷たい秋はたった二度目でも
砂場の砂も気持ちも全部
二人の手で滑り落とした

椎名林檎『すべりだい』

この曲のメロディと歌詞からにじみ出るムードが、好きな秋にしっくりくるのです。二度とやり直せない恋の温度感が、手に取るように伝わってくるからかもしれません。

年を重ねるごとに、感傷に浸ることは少なくなりつつあります。日々の生活に追われているし、以前よりは自分のご機嫌を取るのも上手になったので、心がぐずぐずする機会はそう頻繁には訪れません。それなのに、秋という季節がやってくると、不思議とそういうモードになりがちです。
それを「やだわぁ、なんだかモヤモヤするわ」と笑い飛ばすこともできるのですが、私は「秋、ありがとう、この感覚を引き起こしてくれて」と感謝しつつ、前向きな姿勢でネガティブになります。そして、きたる冬という現実に向けて気合いを入れなおします。
一般的な一年の区切りは「春」かもしれないけれど、私は感傷的な「秋」で自分の一年を区切っている感覚があるかも。だから秋が好き。

行ってみたい場所は?

タイです!

一木けいさんの『9月9日9時9分』という小説にタイの情景が出てくるのですが、それがほんとうに美しく、文章から異国の色や香りがあふれてくるような鮮烈な読書体験を与えてくれました。私は読書が好きなので、行ったことがない場所について文章から想像する経験は一度や二度ではないのですが、その中でも「ここに行きたい!」という気持ちをこれほど強く持ったことは一度もありません

それにタイの人々は、いい意味でポジティブで楽観的な人が多いという話をよく聞きます。私は深く考えてぐるぐる悩んでしまうタイプの人間なので、タイに長期滞在したら、しみついたマインドを変えることができるなじゃないかしら、なんて期待もちょっとだけあります。

あとあと、タイ料理ってめちゃくちゃ美味しい!日本の料理は醤油やみそがベースだからか、けっこう「しょっぱい」が味の軸になることが多い気がするのですが、タイ料理は「辛い」「甘い」が主役になる味付けが多い気がしていて、それが私の舌には新鮮な感動をくれるんです。ガパオライス、パッタイ、トムヤムクン……どれも大好き。
だけど、どれも自分の家で作ろうと思うと、ふだんはなかなか使わない調味料をそろえないと、本格的な味にはならないんですよね。お恥ずかしながら、過去に何回かナンプラーを使いきれなかったことがあるので、今はびびってなかなか買えません。
それでもタイの味をちょっとでも身近に……と、昨年、初めて庭にパクチーを植えました。北海道でもすくすく育ってくれて、夏はあらゆる料理にパクチーを入れて楽しみました。

庭で摘んだパクチーを食卓に

家で焼肉パーティをやったときは、自分の手元に摘みたてのパクチーを置いて、わしゃわしゃ肉にかけて食べました。最高。

でも、パクチーをはじめとしたタイ料理のベースとなる味わいや香りって、好き嫌いが分かれるところですよね。私の周りには苦手という人もけっこう多くて、気軽にはタイ料理屋に誘うことができません。いろんなメニューを楽しみたいから、できれば一人じゃなくて複数人で行きたいんだよなぁ……。

そんなこんなで私はいつか、タイ料理を満喫し、文化や景色を全身で浴びるタイ旅行に行きたいな、と思っています。

行ってよかった場所は?

フランスです。

父の仕事の都合で、何度かフランスに行くチャンスをもらえました。はじめに訪れたのはたしか5歳のときで、そもそもそこが異国という感覚すらなかったのですが、今まで自分が見たことのない景色、聞いたことがない言葉、嗅いだことのない匂いをフラットに吸収できた経験は、私にとってかけがえのないものです。

特にフランスの美術館から受けた影響は大きいです。たとえ知識がなくても、長い歴史を経て現在に継がれてきた芸術作品が持つエネルギーに圧倒された経験は、「美しい」という理由なき衝撃を私の心に植えつけてくれたのです。

途方もない年月、あなたはその美しさのまま歴史を見守ってきたのだから。私が抱いた恋心は、芸術のすばらしさの本質へとたどりつく。おだやかにほほえむ彼女の前で、私は涙をこぼした。

『往き、綾なす』(宿木文庫) P.7

私がルーヴル美術館で出会ったある作品について書いたエッセイの一節です。全編気になる方は、ayanさんと共著で宿木文庫から発行した旅エッセイ集『往き、綾なす』を手に取ってみてください。

「美しさ」を知識ではなく感覚で理解できたことが、その後の人生に豊かさをもたらしてくれたと思います。自分が「美しい」と思うものを、信じられる。これは芸術以外の分野でも、とても大事な感覚だと私は思います。

もちろん、日本にも多くのすばらしい芸術や文化はあり、そこから「美しさ」を感じることもできます。あくまで私の場合は、幼少期にフランスに行ったことがきっかけでその感覚に目覚めたので、フランスが私にとって大きな意味を持つ場所になったというだけです。

その後の人生で、意識して「フランスのものを取り入れよう」としたわけではないのですが、ピアノを習ってまっさきに好きになったのはモーリス・ラヴェルだった(フランスの作曲家だと知ったのは好きになった後調べたときでした)し、ワインをたしなむようになってからも「美味しい!」と思うのはフランスの赤ワインであることが多いです。ちなみに喋れはしないのですが、聞いていて音が耳になじむのは英語よりフランス語です。どういうわけか心地いいと感じます。

小さい頃に意味もわからないまま経験した感動が、その後の私の感覚をフランス仕様に変えちゃったのかもしれません。

「じゃあ、フランスに住みたい?」と問われたら「NO」と答えます。大好きな国だけれど、価値観も考え方も違うし、現実的な住みやすさで比べたら、圧倒的に日本のほうが好みだし、体になじんでいます(もちろん、細かなところを見ていけば嫌いなところもいっぱいあるけれど)。

あくまでフランスは「行ってみてよかった場所」なんです。そして、こうやって振り返れるのはフランスに通じる仕事をしていた父のおかげなので、感覚をガラリと変えるような国に行くチャンスをくれた父に感謝します。

最近買って良かったものは?

コラージュフルフルです!!!

最近っていうか、5年10年スパンで考えてもこの商品を選ぶかも。そのくらい衝撃的でした。もっと早く出会いたかった。

※こちら女性向けの商品なので、もしここまで読んでくださっている男性の方がいましたら、以降の回答文章は不快になるかもしれないので、読み飛ばしてください。

女性器って、なんていうか、何かしらの不快感がつきものですよね。私の場合はとにかくムレやすくて、生理のときはかゆみも出てくるは匂いも強くなってくるはで、「ああーーっ、もう!なんで女に生まれたんだよ」と毎月イライラしていました。
ムレが原因ならば……と数年前からパイパンにしているのですが、それでもかゆみは出てくるし、パイパンはパイパンで毛が生えてくるタイミングはちくちくするし、ケアも面倒なので、根本的な解決策ではないなぁと、ずっと頭を抱えていたんですよね。
とはいえ「不快」という理由だけで病院行くわけにもいかず。カンジダになって発狂するくらいかゆかったときは、さすがに病院に行きましたが、「このかゆみってカンジダ?それともただのムレ?」の判断がセルフでは難しいので、なんとなく病院行きづらいんですよね。そもそも病院の台でがぱーって両足開くのがめちゃくちゃ苦手なので(得意な人はいないかもしれませんが)、「もういい、この不快感と共に生きるよ……」とあきらめていました。

それがですね……このコラージュフルフルを使い始めてから、女性器周りの不快感とストレスが、一切合切なくなりました。しかも割と短期間で。

使い始めて1週間くらいで、かゆみや匂いなどの不快感がなくなりました。それに、ボディシャンプーで洗うとたびたび感じていたヒリヒリ感もなく、使用感がやさしいんです。

女に生まれたことをイライラする頻度が減りました。ありがとう、コラージュフルフル。もしもタイムマシンが開発されて、過去の自分に会えるとしたら、「もっと真剣に勉強しろ」と「その男とは付き合うな」の次に「コラージュフルフルを使え」と伝えると思います。そのくらい重要。

最近欲しいものは?

除雪機です……。
あの、もう、ほんっとに雪かきが大変なんです。私が住んでいるエリアは特に雪が多いので、連日ドカ雪が降ると、日常に支障があるくらい雪かきにリソースをもっていかれます。

「じゃあ買えばいいじゃん」ってつっこまれそうですが、除雪機って高いんです。下記のような簡易なタイプの除雪機では、うちのエリアの雪の多さには全く太刀打ちできません。

近所の方々が持っている除雪機を見るに、だいたい下記の商品くらいパワーがある大型のものが使われています。

この価格帯の商品を、たった数カ月間の稼働のために購入するのって、かなりの覚悟がいりますよね。しかも、毎年豪雪かどうかはわかりません。もしかしたら、来年以降、温暖化の影響で降雪量が減るかもしれません。それは希望的観測すぎるけれど、それにしても毎年必要性が変動するものに対して30万円……かけるのか……と。
数年前、同じような悩みを抱いた対象はエアコンでした。北海道の夏って、頑張ればエアコンがなくてもギリギリ過ごせる温度なんです。でも、運悪く猛暑が続くと命に関わるし、仕事もままなりません。思い切ってエアコンを導入してからは、ほんとうに快適に過ごせるようになりました。

その実体験があるからこそ、除雪機も思い切って買ってしまえばめちゃくちゃ楽になるんだろう、とわかっているんです。わかってはいるんだけれども、「1年間のうち数日~数週間、家の中が死ぬほど暑くて眠れない、かつ仕事ができない」のと比べれば、「1年間のうち1~2ヵ月、毎日1時間程度汗だくになる屋外重労働を強要される、それを避けると家から出られなくなるし車が出せなくなる」のほうの緊急度が低いので、どうにも覚悟が決まりません。これで毎日通勤が必要な仕事をしていれば、仕事にも関わってくるので重要度が増すのですが、私の場合は家の中で仕事をしているので、「この仕事が終わってから雪かきすればいいか」という甘えがわずかに残されているんです。

でも、でも、大変なんです。せめて10万円以下で手に入るなら即買いします。まさに降りしきる雪を窓の外に眺めながらこの文章を書いているので、「最近欲しいもの」の回答としての温度感は、かなり高いです。

得意料理は?

なんだろう……。特にないかもしれません

まず、私は平日のおかずをデリバリーしてくださる方にお願いしていて、毎日料理している状態ではないので、料理する頻度がそこまで高くないんです。一人暮らしだと、自分のためだけに料理を作る時間と気力がなかなか続かなくて、仕事が多忙を極めると不健康な食生活につながってしまうことがよくあったので、そうなるくらいなら、健康や好みに配慮して美味しいおかずを届けてくださる方に頼ろうと思った次第です。

と言いつつ、料理しないわけでもないです。むしろ誰かと食べるために作る料理は大好きです。

最近つくった夕飯

そのときの気分や食べたいものに応じてレシピを調べて、食材や調味料のだいたいのあたりだけつけて、あとは感覚で作ってしまうので、二度と同じ味の料理は作れません。だから、「得意料理はこれ!」っていうのがあまり思い浮かびません。

フランスに滞在中、親友と食べたおうちごはん

得意な料理というわけではないけれど、フランスに長期滞在していたとき、親友と一緒に食べたおうちごはんを作ったときの思い出は、なぜだか鮮明に覚えています。
日本と入手できる食材が違うし、一時的に間借りした他人の家なのでキッチンにある道具や加熱機器の仕様もまるで違って、四苦八苦しながら簡単なものを作ったんです。
決して自分の得意な何かを活かせたわけじゃないけれど、親友が「おいしい」と頬張ってくれたのがすごく嬉しくて、ワインもどんどん進んじゃって。あの夜、すごく楽しかったな。

……でもやっぱり、質問へのストレートな回答は思い浮かびませんね。

改めて思ったけど、なにか「これは得意」って胸を張れる料理が欲しいなぁ。私の料理は誰か食べてくれる人ありきのものだから、複数人でも食べやすいパーティメニューがいいかも。集まる人や季節の旬に左右されず、誰でも食べやすくて作っているほうも楽しいメニュー、探そうかしら。

好きな家事は?

ありません!
家事は全自動化されればいいな、と思っています。基本的に掃除はルンバ様に任せているし、皿洗いは食洗器様に任せているし、洗濯・乾燥は可能な限りドラム式洗濯機様に任せています。

もちろん、機械がどうにもできないことは自分でやっていて、全体として人並みにはさっぱりした環境を整えているつもりです。というのも、「家事やりたくない」っていう怠惰よりも「なんとなく汚かったり、汚れた服がたまっていたりする状態が嫌だ」という嫌悪感が圧勝しているので、自分のご機嫌を損ねないために家事はやります。
そう、私にとって家事は「自分に不要なストレスをかけないために、やらなきゃいけないこと」です。もしも私がやる以外で、同じ結果をもたらせる新しい手段があるならば、喜んで投資します。家電メーカーの皆々様がもたらすイノベーションを、心待ちにしております。

「座右の銘」の回答でも書きましたが、毎日同じことを繰り返すのがかなり苦手なんです。もちろん家事にも創意工夫の余地はたくさんあるし、住環境をより良くすることだって上を目指せばきりがないとは思うのですが、私の場合は大きく型そのものが変わるタイプの新しさが好きなので、基本的な動きはあるうえで少しずつ工夫する家事に対してワクワクできなくて……。

料理も家事に入るのであれば、一番好きなのは料理かもしれません。そのときどきで異なる条件に適応しながらゼロから作るのが楽しいから。でも、これも毎日作るとなってくると感覚が変わってきますよね。うーん、やっぱり「好き」って言いきれない……。

家事全般が好きではないからこそ、その昔「私が稼ぎ頭になるから、どなたか専業主夫になってください」という生活スタイルを目指していたことがあります。私にとっては、家事よりも仕事のほうがはるかに楽しいから。

今でこそ多様性だの男女平等だのという言葉が広まって、さまざまな夫婦像に対する寛容な受け止め方が普及しつつあると思いますが、私が若かった頃はもう少し男女の役割分担への”常識”のようなものが根底にあった気がします。
若い頃、交際相手から「結婚したら仕事は控えめにしてくれるんだよね」と確認されたり、同棲を検討していた相手から「これで料理からも掃除からも解放される!」と無垢な笑顔を向けられたりしたことがあります。

そういう経験のすべてに対して巨大なストレスを抱えた反動から生まれたのが、「そうだ、私にぴったりなパートナーは専業主夫だ!」という極端な発想でした。だから私が仕事を楽しむことに文句を言わない、私のすべてにYESを反射的に出す人を結婚相手として選んでしまいました。
結局それは、数年間じわじわと心をむしばむ手痛い失敗につながりました。ひと段落して振り返ってみて、自分がやったことは、ただ立場が逆転しただけのことだったんだと気付きました。

「自分が好きじゃない、でも生活に必要なあれこれを相手に押し付ける」という発想は、なんて傲慢なんだろう。押しつけられる側も、押しつける側も経験して、どちらも本当に胸が痛かったので、もう二度と同じ後悔は繰り返したくありません。

だから「私は家事が好きじゃない」という素直な気持ちを自分自身が受け止めたうえで、家事を押しつけてくる人には近づかないよう徹底しつつ、逆に誰かに押しつけることがないよう、テクノロジーに全力で頼ることにしました。

最後に、これを読んでいる中で、もし「家事が好きな人」あるいは「好きではないけれどストレスなくできる人」がいらっしゃったら、それは間違いなくあなたの才能だと私は伝えたいです。誰もが生活を維持するために逃げられない家事というものを、楽しめたり、負担なくできたりすることは、めちゃくちゃすごいことで、少なからず生きやすさにつながっていると思います。
家事が”ふつうに”できることが評価されるシーンをあまり見ないのですが、私はいつも”ふつうに”家事をしながら生活している人たちを、ほんとうにすごいと思っています。自分ができないから。この場を借りて、その気持ちを伝えます。

読書は好き?

大好き!!!!

ジャンルはなんでも読みます。小説だとミステリ、恋愛が特に好きです。それ以外だと哲学に分類される本を最近はよく読みます。あと、ビジネス系の本は、仕事で触れる情報に対する感度を磨くために読んでいます。そのときどきの興味によって選ぶ本が変わるので、本棚を見渡すと「ほんとうにこれ、一人の本棚?」というくらいジャンルがバラバラです。

好きな作家さんは挙げ出したらきりがない……けれど、「この1冊がたまらなく好きだ!」ならだいぶ絞れそうなので、自分の好みの芯にぶすりと刺さった5冊を並べてみます。

本当はもっといっぱいいっぱいあるんですけど、きっと何年経っても、どんなに趣味が変わっても「好き」って言える5冊を選びました。

「読書が好き?」という問いに対してまっさきに思い浮かべたのが小説だったので、大好きな小説を並べたのですが、考えてみれば読書ならマンガも入りますよね!私、マンガも好きなんです!はい、ということで同じくマンガにおける自分のブル作品5冊を並べます。

マンガだからこそ表現できる物語って、ありますよね……!この5冊は私の考え方や感覚に大きな影響を与えたもので、何度でも読みかえしています。

最近ようやく読書記録用のマガジンを作ったので、もしご興味あるようでしたら、ぜひフォローしてください。ライトな日記として書いているので、更新頻度は高いです。(忙しくなってきたら更新が止まるかもしれませんが、なまぬるく見守ってやってください)

ちなみに、お仕事でも書籍の感想を書くことがあります。下記はその一部です。

とにかく読書が大好きなので、おすすめ本を教えてもらえたり、いい感想に出会えたりすると、喜んで買いあさります。

あと、読書に紐づけてついでに語っておくと、書店に行くのも大好きです。特に「コーチャンフォー」という本屋さんが好きで、新しい本と出会いたい日はワクワクしながら遊びに行きます。ちょうど「コーチャンフォー」について熱く語ったPodcastの回があったので、リンクを貼っておきます。もし興味があったら、ぜひ聴いてみてください。

「読書は好き?」という質問に「大好き!!!」と即答して、私にとって読書ってどういう時間なんだろう、と改めて考えました。

私にとって読書は、知らない世界に連れていってくれる、足ではたどりつけないほど遠くに行ける時間であると同時に、ふだんはたどりつけない自分自身の心の奥底に潜っていく時間でもあります。

どんなふうにその本を読むのかは、自分次第です。どんなシーンに感動し、どんな人物に共感するのか。心の動きと一緒に本を読んでいると、心が裸になっていくような感覚が走ります。いろんな趣味をかじってきましたが、中でも読書が自分に与えてくれた養分なしでは、もう自分自身を語れません。読書はそのくらい大切な時間であり、これからも続けていきたいことです。


よくぞここまで読んでくださいました【2025年2月2日】

はい、ここまで書いて力尽きました。現在、35,548文字です。いやあ、書いてるのはめちゃくちゃ楽しいけど、ボリューミーすぎて時間がいくらあっても足りません……。

でも、この10万文字の自己紹介は、いつか必ず書ききります!ほんとうは完成した状態で公開したかったのですが、ちょっとした理由で「今、公開したほうがいいよね」というタイミングができたので、途中ですが、いったんここで公開します。

さて、ここまで読んでくださった方に一言……ほんとうにおつかれさまです!よくぞここまで読んでくださりました。そして、私のこんな長い自己紹介に興味を持ってくださって、ほんとうにありがとうございます。興味がある質問だけ読んだという方にも、感謝いたします。

もし少しでもいい部分を感じていただけましたら、「スキ」をぽちっと押していただけると書ききるモチベーションにつながります。また、未完成ではありますが、SNSなどで感想をシェアしていただけるとすごくすごく嬉しいです。

今後増えていく質問は、下の通りです。

車運転する?
好きな季節は?
ジェットコースター得意?
お化け屋敷得意?
カラオケでよく歌う曲は?
好きなテレビ番組は?
好きなドラマは?
好きな映画は?
好きなアニメは?
好きなキャラクターは?
好きな方言は?
初恋は何歳?
付き合うなら、年上?同い年?年上?
どんな人がタイプ?
いま、恋人いる?
今まで付き合った人に共通することは?
どんなデートが好き?
愛したい?愛されたい?
結婚願望はある?
子供は何人ほしい?
貯金してる?
現金派?キャッシュレス派?
クレジットカード何枚持ち?
何にお金をかける?
利用しているサブスクは?
好きなアーティストは?
好きなお笑い芸人は?
好きなタレントは?
尊敬する人は?
親友はどんな人?
出かけるときに必ず持って行くものは?
どんなカバン使ってる?
スマホの機種は?
1日でどれくらいスマホを使ってる?
スマホでよく何してる?
よく使う絵文字は?
好きなゲームは?
ゲーム機何持ってる?
朝型?夜型?
部屋では何着てる?
平均睡眠時間は?
普段運動する?
歯ブラシの固さは?
ごはん派?パン派?
好きなお弁当のおかずは?
コンビニでよく買うものは?
美容院に行く頻度は?
これまでで言われてうれしかった言葉は?
自分の好きなところは?
自分の直したいとことは?
癖は?
友達になんて呼ばれてる?
親になんて呼ばれてる?
似てるって言われたことがある芸能人は?
好きなYouTuberは?
YouTuberになったらどんな企画をやりたい?
10年前の自分に声をかけるなら?
10年後の自分に聞きたいことは?
一度やってみたい仕事は?
挑戦したいことは?
将来の夢は?
将来はどこに住みたい?
地球最後の日何をする?
どんな人になりたい?
最後に一言!

気長にすこしずつ更新していくので、また気が向いたらこの記事をチェックしに来てくれると嬉しいです。

それでは、いったんさようなら!またお会いできるのを楽しみにしています。

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宿木雪樹(やどりぎゆき)
読んでいただき、ありがとうございました!もしコンテンツに「いい!」と感じていただいたら、ほんの少しでもサポートしていただけたらとってもとっても嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。

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