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「道産子食材を救う“TSURUGAいちごバター”」にまつわるストーリー

コロナ禍で廃棄されそうな食材を前に、“食べて応援したい”と言う思いから生まれたTSURUGAいちごバター。クリームのような柔らかさといちごの淡い甘酸っぱさに虜になる人が続出しています。

サステイナブルな未来のために、北海道からできること

観光客が途切れることのなかった食の宝庫・北海道も、この未曾有の出来事に大きな衝撃を受けました。宿泊施設の稼働が減り、廃棄しなければならない食材が続出するなか、思いを込めて生産された「おいしいもの」をなんとか活用したいと作られたのが、このいちごバターです。

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中心となったのは、北海道屈指のラグジュアリーホテルを複数展開している鶴雅グループ。地元農家が育てている食材の素晴らしさを知っているからこそ、その良さを紡いでいきたいという想いから、未来に継承する食のクリエイティブエージェンシー・小仕事株式会社(以下、コシゴト)をプロデューサーに迎え、今回のプロジェクトを発足。食べて支援できることを意識し、北海道生まれの食材はコロナ前の価格で仕入れることで、地域活性を促しています。

想いを形にしたのは、“循環”に共感する天才シェフ

このプロジェクトに参画したのが、カリナリープロデューサーとして活躍し、虎ノ門ヒルズにレストランを出店予定のシェフ、フランス料理の薬師神 陸さんとパティシエの江藤 英樹さん。今回は、薬師神シェフに、話を伺いました。

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「自粛生活では、仲間のシェフたちと廃棄される食材を使ったお弁当を、医療従事者へ提供する活動していました。その活動を見てくれていたコトシゴさんから、次に(彼らが)鶴雅グループさんと食の循環を考えるプロジェクトを立ち上げると聞き、そのコンセプトに共感したんです。」と話す薬師神シェフ。廃棄するからと安価にせず、消費者が“食べて応援する”ことができて、食材や技術の正しい価値を知ってもらえるものにしたいと思ったそうです。

淡いピンクのどこか懐かしい甘酸っぱいバター

良く見かけるいちごバターは、生クリームから作られるものが多く、ちょっとクリーミーなジャムっぽいものが多いそう。しかし、薬師神シェフの想いは違います。
「様々な人気のいちごバターを試したりして……。本当の意味での“いちごバター”って、バターをしっかり加えて作るべきなんじゃないかなと思ったんですよね」。

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今回使ういちごは、北海道産の“けんたろう”。収穫の時期が最も短いいちごです。その中でも、収穫の関係上あまり大きくならなかったものを活用。調べていたものとの大きさの違いに驚きつつも、良かったことも多かったそう。
「試作用に送られてきたいちごは、本当に可愛らしいサイズでした。でも小さいからこそ、そのままてん菜糖を使ったコンポート(シロップなどで煮たもの)にできたのは、とても良かったな。崩れにくいから食感が味わえるものになりましたね」と薬師神シェフ。

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さらに、グラスフェッドバターと合わせるのに大変苦労したと言います。
「バターといちごって、いわゆる水と脂だから分離しちゃうんです。だから、せっかくのいちごが潰れないようにしながら、柔らかな舌触りにしたくて。この矛盾を解決するために、今も手練りで混ぜているんです」と、柔らかなスプレッド感へのこだわりも。さらに、いちごらしい淡いピンクを表現するために、北海道産のハスカップの果汁を少し足しているんだとか。その分量もかなり研究されたようです。
「みんなが馴染みやすい味になるように、ホワイトチョコを入れたら、乳化させやすくもなりました」と、どこか懐かしさを感じさせる味わいのポイントも教えてくれました。

薬師神シェフのおすすめの食べ方は?

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「僕のおすすめは、温める食べ方です。食パンを半分に切って、いちごバターを挟むんです。できればサンドイッチみたいに耳も切って。それから軽くトースターなどで焼く。バターが焦げる失敗もないし、パンに染みておいしいですよ」とのこと。コシゴトさんからは「プレーンのスコーンやビスケットに、クリームみたいに塗るのもオススメです!」と教えていただきました。

グラスフェッドバターらしい軽い口当たりと、鼻を通るいちごのフレーバー。食べるだけで北海道を応援できるこのいちごバター。一度味わったらリピーターになること間違いなしです。

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