「徳島生まれのダックワーズ」にまつわるストーリー
JR徳島駅から徒歩約3分という好立地にあるアグネスホテル徳島の1Fにある人気のスイーツショップ『アグネス・ペストリーブティック』。“東京やパリと時差のないスイーツショップ”をコンセプトに掲げ、本格的なスイーツを提供するこちらのお店に、徳島ならではのこだわりを詰め込んだ、和洋折衷のダックワーズを発見。
徳島の文化を変えたスイーツショップ
関西の洋菓子業界には“しかっりと焼いたタルトやムースは売れない”という定説があるそうですが、そこに挑戦したのがこちらのお店。東京の有名シェフパティシエの指導のもと徳島の地にオープン。熟練のパティシエがつくるケーキやお菓子は、地元民から選ばれる人気店に成長。
「徳島の魅力をもっと外に発信」できるお菓子作りを
ホテルの支配人であり、今回のダッグワーズの考案者でもある岡本真一郎さんに伺いました。「馴染みがなかった都会の味を、徳島に認知させることができたので、今度は徳島の魅力を外に発信しようと思ったんです」と語ります。「お土産として食べても徳島を思い出してもらえるお菓子とは?」と試行錯誤し、『とらや』『両口屋是清』『榮太郎』といった和菓子の老舗にも選ばれている、徳島の阿波和三盆糖に目をつけたそうです。
「カリッ、ムチッ」のダックワーズに阿波和三盆糖をプラス
ペストリーブティックの人気商品の1つが「ダッグワーズ」。生みの親であり、現代の名工といわれる福岡の有名シェフパティシェが考案した、歯が入った瞬間のカリッ、そこから噛みしめた際のムチッとした食感に衝撃をうけ、およそ1年かけて商品開発に取り組んだそうです。さらに、阿波三盆糖のはかない甘さをしっかりと感じてもらうべく、糖蜜など加えてバランスを調整しながらメレンゲ生地やバタークリームが作られました。「和三盆糖が使われている洋菓子は世の中に多くありますが、この商品は和三盆糖本来の甘さや風味を感じられるお菓子です」と岡本さんは自信をのぞかせます。
そもそも阿波和三盆糖って? 伝統の作業にこだわる「岡田製糖所」へ
味の肝となっている、阿波和三盆糖とはどんなものなのか? 和三盆糖がつくられる「岡田製糖所」にも伺いおいしさの秘密を探ります。そもそも和三盆糖とは、徳島と香川の一部のみで栽培されている「竹糖」と呼ばれるサトウキビを使った稀少な砂糖。徳島では約200年前から製造がはじまり、徳島産を明確にするため「阿波」がついたそうです。こちらの岡田製糖所では、今も変わらず昔ながらの製造にこだわり、“人の手”による製造を続けています。
人の手で研ぎ澄まされて抽出されるはかない甘さ
原料となる竹糖。背丈が2m程度、太さも人差し指程と一般的なサトウキビよりも小さめの外観。生でかじってもおいしい甘い汁が味わえるそうです。これが、大きく8工程を経て阿波和三盆糖に仕上がります。
【阿波和三盆糖の主な工程】
①搾汁
②荒釜(あくぬき)
③すまし桶(不純物抜き)
④中釜、上げ釜、冷し窯(煮詰めと撹拌冷却)
⑤冷やしカメ(冷却と結晶化)
⑥粗がけ(一度目の精密分離)
⑦研ぎ(精密分離の繰り返し)
⑧粉砕、乾燥
という工程を経てつくられます。一部をご紹介します。
④の釜場での作業。あくや不純物を抜いたあと、煮詰めて仕上げていく作業です。温度計や湿度計などを使わず、かき混ぜる竹棒のしたたり具合と勘により上がりを判断するそうです。職人の経験こそがものをいう作業のひとつ。
⑦の阿波和三盆糖を練る“研ぎ”という工程。水を加えて、練っていき柔らかくなった砂糖を麻でつつみ、重しをのせる“押し槽”に入れることで水と一緒に糖蜜がぬけます。上写真の背景に並ぶのが押し槽です。これを繰り返すことで、砂糖が白くなっていきます。
商品化された阿波和三盆糖。はかなくも品がある甘さを味わえます。このベージュがかった色調も特長で、より純度が高いからこその色味です。こうして匠の技により生まれた阿波和三盆糖を使ったのが、「阿波和三盆糖ダッグワーズ」です。
つい、もうひとつ食べたくなる2個包装
個別ではなく、2個まとまった包装。甘さもしつこくないため、“カリッ、ムチッ”の食感をもう一度味わいたくなり、ついもう1個食べてしまいます(笑)。20個入りは、これが10セットと。
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