映画『マックイーン:モードの反逆児』を観てバッグを買ったお話
⚠️注意⚠️
この記事は映画『マックイーン:モードの反逆児』のネタバレを多く含みます!
未見の方・辛くて最後まで観られなかった方にはおすすめしません。
全て自己責任でお願いします。
※今回はイラスト無しです。
※有料部分は最後だけほぼ自分語りなので読まなくても完結します。
アレキサンダー・マックイーンのバッグを買いました
こちらの記事で書いた通り私の運命バッグはアレキサンダー・マックイーンのミニジュエルドサッチェルということに決めました。私が決めた!!
バッグ選びの記事内ではちゃんと書いていませんが、買う決め手になったのが
ドキュメント映画『マックイーン:モードの反逆児』でした。
なぜ運命バッグをマックイーンにしたのか文字にしてみようと思います!
バッグの第一印象は
人生で初めて伊勢丹新宿のブランドバッグ売り場に行き、あきやさんにおすすめされてたので手に取りました。その時はストーリー。うっ!美しっ!!となるも自分にはちょっと違うかも…となり、横目でキラキラと気になってたジュエルドサッチェルを持たせて頂いた所、コレェ〜〜〜〜〜!!!これだよ〜〜〜!!!となりました。
でも何でだろう?スカルモチーフに惹かれたことは今までなかったし、物入らないし…。メリケンサック付きて…。
ただ感情が「コレなの!!」と騒いでいました。
(自問自答ファッション講座で「過去に1番気に入った服を買った時どう思いましたか?」的なことを聞かれた時に「コレだよコレ!!と思いました」と答えてて笑っちゃった。高校から語彙力の成長が見られない。)
ただ経験から私は直感に従うことが正解なことが多く、ならば直感の出どころを探ってみようと決めました。自問自答ファッションのセオリーであるコンセプトやキーワードより物が先。答えありきの曼荼羅かな?
映画『マックイーン:モードの反逆児』を見る
何も知らないまま検索したら出てきてアマプラでレンタルできるし〜と軽い気持ちで観てゲッソリしちゃいました。壮絶。
その分先入観なく観られてよかったと思います。
マックイーンは海のような人だった(よく時化る🌪)
義兄が姉に暴力を振るうのを幼い頃から見ていたリーさん(マックイーンのお名前)、自身も義兄からDVを受けていた経験と自身のルーツであるスコットランド人へのジェノサイドの歴史から生まれたコレクション「ハイランド・レイプ」。かなりショッキングなショーで女性蔑視だとバッシングを受けまくります。それに対してリーさんは
と反論します。そうだったの!?!?!??と正直思いました…。
てっきり私は問題提起の方向だと思っていた!そして甥ごさんがインタビューで
と語っています。世間に知らしめたいというより女性を、そして自分を守りたい気持ちで服を作ってるのか…。ともに同じ男性からのDV被害者であり母のような姉と同じ苦しみを経験したことで強い絆が生まれ、自他の境界線が甘くなってるというか、他人の痛みが流れ込んじゃう人なのかもなあと感じました。これはキツい。
他人(特に傷付いた女性)を守ることで自分を守る、その方法がショッキングで怒りに満ちたショーとなるのですが私は優しさに感じました…。
「ヴォス」というコレクションではモデルたちが部屋に閉じ込められてもがき苦しみ最後には写真家J.P.ウィトキンの作品からオマージュした管に繋がれた裸の肥満の女性が現れるというスーパーモデル時代をまだ色濃く残している時にこの演出!!なんとなく、女性が見た目で消費されていくことへの怒りなのかなあと思いました。病室のような白い部屋に閉じ込められ包帯を巻かれ苦しむ女性たち、リーさん自身も美容手術を受けて別人のようになってしまっていたのは関係あるんじゃないかと…。
スキャンダルで仕事を失っていたケイト・モスをホログラムで出現させて「この世と天国が1つになった」ステージや、実の親子のようだったのに中違いしたまま亡くなったイザベラ・ブロウへの追悼コレクション、どれも愛と優しさと救いたい気持ちというか憐れみというかそういうのが美しさになって作品から溢れているのです。
深いよ〜〜〜〜〜深い愛が深いよ〜〜〜〜〜!!!!
リーさんは「海を眺めるのが好き」と語っていますがこっちから見たらリーさん自身が海のようで、世の中の悲しみも辛さも流れ込んできて荒れ狂ってしまってるように見えました🌪それを自分のフィルターに通して「私的なこと」として作品を世に出し見た人全員をその海に飲み込んでいくようです。海に飲まれた人たちは否応でも最悪の気分か浮かれた気分になり人々は熱中していったのかもしれません。
アレキサンダーマックイーンは優しさでできていた
世に言う「モード」という言葉、怒りとか攻撃的な要素があるんだろうなと思ってマックイーンもそうなのかと思っていました。
確かに手段として怒りを取っているのですがリーさんの作品のその大元は「女性を守りたい気持ち」であり「自分を守りたい気持ち」なんだろうな。
作品に現れる「闇」も「バイオレンス」も「恐怖」も「醜悪」も共に傷を負った女性とリーさん自身に向けられた物で、命を削ってまで暴露し共感することで守るしかなかったんだろうなあって思います。それを「優しさ」と言っていいのか分からないんですが、物事の善悪をジャッジすることなく自分の痛みのように共感されることですごく心が落ち着いて安心することができ、救われることだってあります。
今は亡きリーさんの痛々しいほどの「優しさ」に惚れ込み、深くて荒れ狂う共感の海にこっそりと恐怖とか悲しさを飲み込んでもらいたいなと思ってバッグを購入することに決めました。第一印象の直感、合ってた😉🌟
私にとってアレキサンダーマックイーンのバッグは優しさでできています!!
結論〜〜☝️☝️
マックイーンは怒っていた
自問自答ファッション通信のあきやあさみさんがブログでこの映画の詳しい解説と感想を書いていらっしゃいます!
こちらのブログを読んで、「そ、そうだったのか…!!」と驚いちゃいました。
リーさんは世界に怒っていたんだ…!同じものを見て選ぶ言葉が違うのが面白いし、私は私の解釈で買ったんだなってちょっとほくそ笑んでいます。
でもどちらにも「自分を守る服」っていうのは根底にあった。そこだよなあ…!!
ファッションはポジティブじゃなくていい
マックイーンを知ったことでファッションは必ずしも正しくポジティブである必要はないんだと安心できたのがすごくありがたい。人へのいい影響なんて考えなくてよくて、善悪も無くて、私的でいい。その代わりこのマックイーンのバッグを持ってるうちは「私」から目を背けずにいたいなと背筋が伸びる気持ちです。
ファッションの懐の広さを知れました。おかげで今ファッションがすごくすごく楽しい〜〜✌️✌️✌️
⚠️ここから先は結末のことに触れています⚠️
倫理的にあまりよろしくないことを書いています。
引っ張られそうな方・倫理観が強い方は読まないようにお願いします。
あと長くない上にほぼ自分語りなので読まなくても完結してます!
沢山の人の目には触れたくないため有料とさせて頂きます。
どうしてスカルモチーフを選んだの?
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