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自分を大切にしていなかった恋愛のお話4 彼の1番になれたのに

『もう会うのやめる』と彼に伝えると
『もう彼女とは別れた』と言われた。
そんな言葉が返ってくるなんて予想もしていなかったわたしは浮かれてしまった。

今考えると彼女と別れたのはわたしを選んでくれたわけではなかった。
彼は彼女に振られたのだから。
だけどその時のわたしは彼の側に居続けることができるという喜びでそんなことどうでも良かったんだと思う。

彼にずっと言ってほしかった
『彼女になってほしい』
という言葉がやっと聞けて幸せだった。
今まで諦めないで頑張ってきてよかったと思った。

だけどそれは彼を好きで一緒にいたい。という訳ではなかったような気がする

あの女に勝った

そんな気持ちだったかもしれない。
彼は彼女に振られたのだから勝った訳じゃない。
その時のわたしはそんな事にすら気付かなかった。
わたしの感覚は麻痺していた。

付き合い始めてから傷つく言葉を平気で投げてくる。
『可愛いところって言ったらどこかな』と手でカメラのような四角を作りわたしの顔を覗き込む。
『まぁ目は可愛いか』と言われた。

一緒に花火を見に行った時浴衣を着て行ったが何も言ってくれない。
『どぉ?似合うかな?』と恐る恐る聞いてみると
『そんな事いちいち言う必要ない』と言われた。

体調不良で夜の営みに応えられないと不機嫌になり背中を向けて寝る。

資格をとって転職した方がいいと勧められ、資格取得のため土日は朝から夜まで学校に通い、平日は仕事から帰ってご飯支度やひと通りの家事を済ませ勉強していた。
それでも毎日5時に起きて彼が持っていくお弁当を作っていた。
結婚している訳でもないのになんでわたしばっかりやらなきゃいけないんだろう。と思っていたある日
『弁当作っている時の物音や足音がうるさい』と怒られた。

仕事の帰りに車が廃車になる程の大きな事故をおこしてしまった時、怪我はなかったもののレントゲンを撮った方がいいと救急車に乗るよう促され、彼に電話し事情を説明すると
『晩御飯どうするのよ』
と言われた。

他にもたくさんあるけど印象に残ってるのはこれくらい。
親にはそんな優しさのない男やめた方がいいと言われていた。それでも好きだから頑張る。と頑張り続けた。


そんな生活を3年程過ごした。


彼が親の体調不良で家業を継ぐ為、地元に帰る事になった。
『一緒に来るか』と言われたが『うん』とは言えなかった。
彼の生活が落ち着かないと付いていってもツラいだけだと分かっていた。八つ当たりされるのは嫌。
そこまでは分かっているのに別れる勇気はなかった。
『落ち着いたら呼んで』と言って彼は地元に帰っていった。

続きは恋愛中盤戦に書きたいと思う。

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