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HSPや発達凸凹の強い味方「イノチグラス」の製作者・灰谷氏から学んだこと

先日、灰谷孝さんの著書「いのちのめがね」の出版記念講演会に参加してきました。

この講演会では、「世界をどう見るかで世界が変わる」というテーマのもと、

灰谷さんが長年にわたり人間の発達を「目」から探求してきた成果や考え方を共有していただきました。

特別支援教育やスクールカウンセラー、HSP(Highly Sensitive Person)の個別サポートなどの現場で、私が感じてきた様々な疑問に対する大きなヒントを得ることができ、非常に有意義な時間を過ごすことができました。

左から青森の目育士 小澤さん
中央 著者・ イノチグラス開発者の灰谷孝さん
右 ゆずりやあやこ


無意識のまぶしさとその影響

特に印象的だったのは、「無意識のまぶしさに大きく影響を受けていること」という話題です。
蛍光灯やスマホ、パソコンの画面からの光など、私たちの目は
昔に比べて多くの「光」にさらされています。

HSPの私は、パソコンやスマホの照度を下げて対応していますが、
どうやらブルーライトをカットしたり照度の上げ下げだけが対処ではないようです。

「まぶしさへの対応に、体力が消耗」

まぶしいと感じる場合、見え方の不快さだけでなく、思った以上に体力を消耗しています。 なぜなら、目から入った光を処理することは、脳にとって大変なエネルギーを使うから です。そしてまぶしい状態は、脳にとっては痛みとして知覚されます。 私は痛みを感じると、その痛みから体を守ろうとして、防御する態勢になります。痛みと闘ったり、痛みから逃避したり、痛みを感じないように防衛反応に入りやすくなるのです。
すると、普段の活動で使われるエネルギーを、最初にまぶしさ (痛み)への反応として 費やしてしまうのです。つまり、まぶしさや痛みが原因で、疲れてヘトヘトになってしまうのです。

灰谷さんの著書「いのちのめがね」

灰谷さんによると、周辺視野から脳幹が受け取る情報は、
姿勢や呼吸、眼球の動きのコントロールに大きな影響を与えているのだそうです。

この無意識に受け取っている情報は、
私たちが日常生活でどれだけの影響を受けているかを改めて考えさせられるものでした。

色の力と体の変化

「色」がこれらのコントロールを
サポートしてくれるというお話には驚きました。

具体的には、
・メガネのフレーム
・身にまとう洋服
・使用するペンの色
・目元に塗るアイシャドウの色など
体の使い方に大きな変化をもたらすというのです。

特定の色のフレームのメガネをかけることで
周辺視野から得られる情報が変わり、
その結果として姿勢や呼吸が改善されることがあるとのことでした。

この日は、なんと自分にとって一番パフォーマンスが向上する
サポートカラーのメガネフレームを持ち帰ることもできました。

灰谷氏の名刺が何色も用意されており、
その名刺カードを持ちながら体の可動域をチェックすることで自分のサポートカラーを知ることができるワークもあり、

各テーブルからは、身体の変化に驚きの声が挙がっていました。

自分のサポートカラーを特に影響を受けやすい目の周り
(上下左右など、個人差あり)に塗ると体幹が安定するから驚きです。

 イノチグラスの「色」の秘密

「色は波長。」
光や音など、波長に影響を受けやすい人がいるのだと灰谷さんは仰いました。
発達凸凹のある子やHSPはまさにそうだと、私自身も体験的に感じています。

白は清潔感があり学校現場などで多く用いられる一方、
全ての光を跳ね返すために眩しく感じやすい色でもあります。

以前、特別支援学校の教員時代に、白いノートが眩しいと言って涙を流しながら授業を受けていた生徒に出会ったことがあります。
その時には、緑色のノートを差し出したものです。

しかし、灰谷さんの話を聞いてみると、必ずしも緑がいいわけではないとのこと。
人によって明るさや色彩、解像度の掛け合わせ一番見やすく、楽だと感じる色が異なるのです。


ちなみに、私のサポートカラーは「黒」。
私は1年前からゴールドのカラーレンズのイノチグラスを使用しています。
ゴールドは、黒と同じ波長なのだそうです。

このメガネをかけるようになってから、
聴覚過敏が和らぎ、肩こりが軽減されました。
まぶしさが軽減されて、不思議と気持ちも落ち着きました。

灰谷さんは感情の変化も大いに起こると仰っています。

下の写真は、私物のイノチグラス。
よく見るとゴールドのレンズであることがわかる程度の濃さです。

イノチグラスは、NHK で放映されたドラマ「ケの日のケケケ」で、 “感覚過敏”の高校生の少女がかけていました。

ロンドンブーツの田村淳さんも青いカラーレンズの「イノチグラス」ユーザーですね。


体験に次ぐ体験

講演会では、灰谷さんの話を聞くだけでなく、実際に体験する場面が多く用意されていました。

これらの体験を通じて、私たちは「楽!」を体感し、理解することができました。

普段、私たちは例えまぶしさ、見え方の違和感を感じていても、
見え方は自分だけのものなので、「おかしい」と気づかないのですね。

このように「楽!」を体験して始めて、
これまでの「無理な頑張り」を自覚して、変えられることはなんだろう?と思えるようになります。

日常生活で無意識に行っていることが、
少しの工夫で大きく楽になる

そんな工夫をたくさん教えていただきました。

これらの体験は、驚きと感動の連続であり、創意工夫の素晴らしさを改めて感じることができました。

サポートカラー「黒」のフレームを頂きました。
似合うかしら?
小澤さんは、元看護師でビジョントレーニング、発達相談、ペアレントトレーニングなど
多岐にわたってサポートしてくださいます。
懇親会で、灰谷さんにサインをいただきご満悦です。
「見たい世界は選べる」 

まとめ~「見たい世界は選べる」

この講演会は、約3時間にわたるものでしたが、あっという間に過ぎてしまいました。
灰谷さんの話は、日常生活で役立つ具体的な方法を示してくれるだけでなく、環境調整の重要性を再認識させてくれるものでした。
特別支援教育やスクールカウンセリングの現場だけでなく、誰もが実践できる内容が多く含まれており、非常に有益な情報を得ることができました。

「見たい世界は選べる」

今後も、灰谷さんの考え方を取り入れながら、自分自身の生活や対人支援に役立てていきます。
「こころの矢印を変えよう」をモットーにしている私としては、深いところで共鳴を感じ、感動ひとしおでした。


皆さんもぜひ、灰谷孝さんの本「いのちのめがね」を手に取ってみてください。
新たな視点から世界を見ることで、きっと多くの発見があることでしょう。


灰谷孝さん、素晴らしいお話をありがとうございました。


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