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身体的フレイルの診療ガイドラインについてポイント2つ

1.近年、国内外において身体的フレイルに関する診療ガイドラインが整備されてきている

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・アジア太平洋診療ガイドライン(2017)では

①妥当性が検証されたツールを用いてフレイルを診断することが強く推奨される

②フレイル高齢者に対してはレジスタンス運動の要素を含む漸進的かつ個別的な身体活動プログラムを処方することが強く推奨される

③不適切/不必要な薬剤を減薬または中止することによってポリフォーマシーに対処することが強く推奨される


・ICFSRの身体的フレイルに対する診療ガイドライン(2019)では

①65歳以上のすべての高齢者は、有効かつ確立された方法でのフレイルのスクリーニングを行うべきであること

②フレイルの臨床的評価は、フレイルまたはプレフレイルとしてスクリーニングで判定されたすべての高齢者に対して行うべきであること

③フレイルな高齢者に対する包括的なケアプランは、ポリフォーマシー、サルコペニアの管理、治療可能な体重減少の原因の特定、倦怠感の原因の特定(うつ病、貧血、低血圧、甲状腺機能手か症、ビタミンB12欠乏症)など、体系的に策定され実施すべきであること

④フレイルな高齢者には(もしくはプレフレイルな高齢者に対してはフレイルの進展予防として、)複数の要素からなる身体活動プログラムを提供すべきであること

⑤フレイルな高齢者に対して、アンメットニーズに対応し包括的管理を促すために、必要に応じて社会的支援を提供すること

⑥フレイルな高齢者に対して、医師を含む医療従事者が漸進的なレジスタンス運動の要素を含む身体活動プログラムを紹介すること

が強く推奨された。


「超高齢化社会になっていくことを考えると、ますますフレイルな高齢者は増えていくと思われます。

フレイルが健常と要介護状態の中間的で、可逆的な性質であるならば、やはり早期発見が鍵になると思います。

早期発見のためには、まずは医療従事者である自分達がフレイルに対する知識を持つこと。

そして一般の社会でも認知症と同様に取り上げられる状態となることが必要なのかなと思います。

知識を持つ人が増えることで、まずは自分の周りにいるフレイルな高齢者の早期発見、そして医療に相談・・・という流れができるのではと。」

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2.診療ガイドラインの整備により、フレイル高齢者に対する治療ケアの質向上やアウトカム向上が期待される

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・わが国では国立長寿医療研究センターからフレイル診療ガイド(2018)が発表された。

・フレイルの主要アウトカムとして、転倒・骨折、要介護状態、施設入所、死亡などがあげられ、これらの発生とフレイルとの間には優位な関係性が認められる

・フレイルの予防として、

地中海食などのバランスのとれた良質な食事(推奨レベルB)

運動療法と栄養補助製品との併用療法(推奨レベルA)

歩行、筋力、身体運動機能、日常生活活動度の改善につながる運動介入(推奨レベルA)

レジスタンス運動、バランストレーニング、機能的トレーニングなどを組み合わせた多因子運動プログラム(推奨レベルA)

中等度から高強度の運動強度を設定し、かつ漸進的に強度を上げていく(推奨レベルA)

などが推奨された。

「印象的であったのは地中海食ですが・・・やはり運動の推奨レベルが高いことが分かります。

運動といえばやはりPT。

であり、実際に運動のプロはPTさんだと思います。

ですが、同じセラピストとして、せめてフレイルの予防に繋がるような運動などは、STも勉強してみてよいのかなと個人的には思います。

PTさんたちが高次脳や失語分野を勉強するように、STだって運動は関係ないわけではないので。

といって、自分も筋トレのことしか勉強していないので、もっといろいろと学んでいきます。笑」

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本日も引用は


でした!


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