本当にそのままでいいですか?
現在の労働条件、例えば
産休・育休
リフレッシュ休暇
夏季休暇(5日) など
当たり前のように利用できる制度は、多くの教師にとって必需品となっています。しかし、もしあなたが未組(組合に加入していない)なら、その恩恵に「フリーライド」(ただ乗り)している状態かもしれません。
組合とともに変わってきた働き方の改善
かつて、労働条件の改善のために多くの教職員が声を上げ、組合に所属し運動を続けてきました。
例えば
と言われていた時代もあります。
そういった言葉は、「教職員みんなが労働者としての主体」であることを意味していました。現在の働きやすい環境・制度が築かれたのもその運動のおかげです。
制度改善に努力した教職員がいたからこそ、また、みんなで労働組合を組織したからこそ、今日の労働条件が存在しています。
「このままじゃ学校がもたない」時代の転換点
今、学校現場では教員不足が深刻です。教員が働き続けやすい環境が整わなければ、さらにこの状況が悪化することはいうまでもありません。
「せんせいふやそう」とする声が世論の波として広がることが必要です。
しかし、その「声」はだれが届けるのでしょうか?
組合の力を利用せず、「ただ乗り」している人が増えれば、声の波を起こすのは難しいのです。
ウェルビーイングとあなたの声を力に
SNSでの個人発信や「ウェルビーイング」の広がりにより、私たちは個々の声をより大きな力にできる時代を迎えています。しかし、教員不足は解消されるばかりか、刻一刻と悪くなっています。
公立小をやめて、「もっと自由な働き方や高収入」が得られる仕事に移り、「元小学校教員○○」という宣伝のSNSも目にするようになりました。
この状況を改善するためには、教職員みんなが「労働者の主体」であることを自覚して組合と連携し、参加することが解決の糸口です。
家族の経験が教えてくれた「声をあげる」ことの大切さ
私の母も小学校の教員でした。
母は、私を産んでから3か月で職場に復帰し、学校を抜け出して授乳に行く働き方をしていました。このころは、産休・育休制度がすすんでおらず、もちろん父親も休めませんでした。復帰後の乳児のいる女性教員は「授乳時間」という、中抜けが数時間できるものだけだったと聞かされました。
胸の張りに耐えながら、職場と保育施設を行き来した日々の苦労は、母の声が後に女性教師たちの働き方改善のきっけとなることにつながったのだと思っています。なぜなら、私の母も、教職員組合員だったからです。
自分の経緯を思い返すと、母のような勇気をもつ教員たちがいなければ、現在のような環境はなかったのだと感じています。
「あるからいいや」でなく、あなたと「一緒に変える」一歩を
今ある労働条件は「当たり前」ではなく、過去の苦しく涙を流してきた教師たちの努力の成果だということを忘れてはいけないと思っています。
自分の労働条件をただ享受するのではなく、
「このままでは学校がもたない」
と10年後20年後に続く危機感をもって、一歩を踏み出すことが必要です。
「せんせいふやそう」
と声を上げること、そして、まず何よりも
「あなたがあなたらしく教師として輝くこと」。
あなたらしく働くための労働条件・あなたらしい教育実践は、あなたの声でしか作れませんし変えられません。
労働条件の「ただ乗り」ではイノベーションは起こせません。
組合に入り制度を共に支え育てていきましょう。